ポケットブースターの話題あれこれ(2) 充電方法-part1

何故か最近お問い合わせの増えてきたポケットブースター
前回はポケブーについているメーターについて説明しました。


おさらいをしてみますと、
1.ポケブーのメーターはプラグに流れる電流を見るためのものです
2.プラグが切れていなければ(正常にプラグヒート出来ていれば)メーターの針が振れ、プラグが切れたりブースターコードが断線していたりすると振れません。
3.電池の容量を見るものではありませんから、電池が充電されていても針は振れません
4.同様に、充電中もメーターは振れません
以上、ポケブーの基本ですからご存知でなかったかたはよく覚えておいてくださいね。

今回は、これもお問い合わせの多い、ポケブーの充電方法について解説させて頂きます。

まず、現在当店で扱っているポケブー対応の充電器を並べてみました。
①はもっともオーソドックスなPILOTポケットブースター用急速充電器です。
名前の通りポケットブースター専用の充電器になります。
②はty1 VIP デラックスパワーパネルです。
プラグヒートやスターター、電動ポンプの電源などを1枚のパネルに集めた便利なものです。
その機能の一つにポケブーの充電機能があります。
③はiSDT Q6 Plusで、こちらはリポやニッカド、ニッケル水素、鉛バッテリーなどの充電に対応した多機能充電器です。また放電機能も備えていますのでリポバッテリーの保管充電も出来ます。
もちろん、PILOTポケットブースターに使用されているニッケル水素バッテリー(1セル)の充電機能もあります。

まず①オーソドックスなPILOTポケットブースター用急速充電器から説明してゆきますね。

写真の左側のコード(ミノムシクリップ付き)を12V電源につなぎますとpowerと表示されたオレンジのLEDが点灯します。

次に、充電器のプラグ型端子にポケットブースターを繋ぎ、startボタンを押すと、赤いランプがついて約0.8Aの電流で充電開始、20分経てば自動的に電源が切れ過充電を防ぐようになっています。

実際に充電してみますと一回の充電で約5分間プラグヒートする事が出来ますので(O.S.#8の場合。プラグの種類やエンジンの状態によって流れる電流はかわります)、飛行場についてから充電しても当座の飛行には充分間に合いますし、次の飛行までの待ち時間に再び充電しておくというようにすれば良いと思います。

また、前もって満充電にしておきたい場合ですが、一回の充電で約400mAH充電出来ますので、PILOTポケットブースターに入っている1900mAhのニッケル水素バッテリーならカラの状態から約5回充電を繰り返せばほぼ満充電になる勘定ですね。

簡単な仕組みで価格も安い充電器ですが、充分実用に耐える製品で、店主もお気に入りで愛用しています。

こちらはty1 VIP デラックスパワーパネルです。

写真の点線で囲んだ部分がポケブーの充電回路で、こちらは約2Aの電流で急速充電します。ただし、充電停止回路やタイマーを持っていませんので過充電にならないよう充電時間には気を配る必要があります。

充電不足でポケブーが現場でカラになってしまった時、約5分ほど緊急充電すれば数回の始動が可能です。
万一の場合に便利な機能ですね。

残る③のiSDT Q6 Plusについては、次回、少し詳しく解説させて頂きたいと思います。

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ポケットブースターの話題 あれこれ(1)

偶然かどうかわかりませんが、今月に入ってポケットブースター(以下ポケブーと省略させて頂きます)についてのお問い合わせが急に増えました。

その内容は、メーターの針が充電中に振れないとか、針の振れの大小の意味を教えて欲しいとか、充電方法が判らないとか、内蔵されているバッテリーの種類や容量についてです。
ポケブーは発売から何十年もたつ定番商品ですから、上のような話題は随分前に言い尽くされたものと思っていましたが、最近になって電動モデルで入門した方がエンジン模型に新たに取り組まれるパターンが増えてきたのかな、とも思っています。
そこで、今週から数回に分けてこのポケブーについてのあれこれを、あらためて解説してゆくことにします。

まず最初は、当店で取り扱っているPILOTポケットブースターについているメーターの針の示す意味からです。
箱から出してメーターを見ますと、左の赤い部分に針が来ているはずです。
ここで、針が赤い部分来てるからと言ってバッテリーの容量が空っぽという訳ではありません
たまたまバッテリーが完全放電している場合もあるかもしれませんが、とりあえずポケブーの先にプラグを繋いで見てください。

写真のようにプラグが赤くなればOKです。プラグの種類によって明るく輝くものもあれば、うっすらと赤くなるものもあります。
ここで、注意です。プラグは非常に熱くなり直接手で触るとヤケドの恐れがあります。テスト中は勿論、テスト後もすぐに直接手で触らないようにしてくださいね。

で、その時のメーターはというと、写真のように針が緑の部分まで振れています。
これはプラグが正常(切れていない)でポケブーのバッテリーも空っぽではないという事を示しています。
実際にプラグをエンジンに付けている場合、プラグがちゃんと赤くなっているかどうかを直接見ることは出来ませんので、ポケブーの針の振れ具合で確認すると言う訳になります。
これがメーター付きポケブーのメーターの役割で、最大のウリになります。

もしここで針が振れない(赤い部分から全く動かない)場合は、プラグが切れているかポケブーの内蔵バッテリーがカラになっているかです、という事になります。

これをイラストにして見ました。
1は何もしていない時の状態です。針が赤いゾーンの左端にありますね。バッテリーを満充電にしたからと言って針が緑のゾーンに行くわけではありません。
それより問題なのは、ポケブーをプラグに繋いでいるのにメーターが1の状態で全く動かない時です。
このような状態になるのは、プラグが断線しているか、内臓バッテリーがカラになっているかです。
また、つないだ瞬間に針が僅かに動く場合は、プラグは切れていないけれどバッテリーがほぼカラになっている可能性が大ですからバッテリーを充電して見て下さい。

次に2と3はポケブーをプラグにつないだ時で、針がグリーンの中にあればOKです。
針の振れ具合はプラグの種類や内蔵バッテリーの残容量によっても差がありますので、バッテリーが満充電の時、自分の使用するプラグが正常であればどこまで針が振れるのかを覚えておけば、針の振れがいつもと違う場合は異常を早めに見つける手助けとなると思います。
それと、オーバーチョーク状態になったときは針が多めに(右寄りに)振れますので、こちらにも注意して下さい。

来週は、これもよく質問を受ける「充電方法」についてお話しさせて頂きます。

 


メイス2にバラストを積む

当店でも好評の2.6mクラスPILOTメイス2ですが、強風時にフライトさせる時やスロープソアリングで機速を上げて気持ち良く飛ばしたい時など、バラストを積んでみたいと思われた時がありませんか?

ところが、ご承知のようにバラストは出来るだけ重心位置の近くに積んで、搭載による重心の変動を防がなければなりません。
でもメイス2の重心位置付近は、キャノピー部のように大きな開口部がありませんのでバラストルームを後から作るのも、またバラストを飛行のたびに積んだり(固定したり)外したりするのもなかなか困難です。

で、そんな時に役立つのが下のパーツです。

これは当ショップオリジナルの「TOPMODEL スチールロッド φ10x356」です。
その名の通り、鋼鉄製の直径10mm、長さ356mmのスチール製の丸棒で、重量は210gです。


そしてこの棒のサイズですが、メイス2のカンザシとしてそのまま使う事が出来る太さ、長さになっているんですよ。

一方、キットには左の直径10mmのカーボンロッドのカンザシが入っています。
その重量は41gです。

飛行条件によってバラストが必要になった時には、カーボンカンザシを重量201gの「TOPMODEL スチールロッド φ10x356」に交換するだけで、何と約170gのバラストを積んだことになる訳ですね。

本当に簡単にバラスト効果を得られるこの方法、一度試されては如何でしょうか。

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ファイター25用フロートキット(3) 製作のポイント

前回と順序が逆になってしまいましたが、今回はファイター25用フロートキット製作のポイントをお話しさせて頂きます。

写真はファイター25用フロートキットを取り付けたファイター25Mが水上を滑走、滑水状態(プレーニング状態)に入り今まさに飛び上がろうとする場面のフロート部分のアップです。
ここで注目していただきたいのは、写真の青い矢印のあたりです。
画像をクリックして拡大写真をご覧いただくと良くお分かりになると思いますが、水がきれいにフロートの横・後方にキレていますよね。
ここが肝心なところで、このようにきれいに水を切れるようにするにはどうすればよいのか、というのが今回の最初のポイントです。
まず結論から言いますと、組み立て説明書にも強調して書かれていますが「フロート滑水面のエッジ(角)を丸めてはいけない」という事です。

写真はフロートを上下ひっくり返したところで、写真の上面が実際には水の中に入る底面になります。
で、滑水面のエッジとは写真の青いラインで示した部分、言い換えればフロートの上面を除いた他のエッジ部分、になります。
この部分のエッジを丸めてしまうと、水面を走り出した時に水がフロート下面から丸いエッジ伝いに側面に回り込み、その結果フロートが水面に張り付いた様になって、滑水状態(プレーニング状態)に入りにくくなる、という事です。極端な場合、フルパワーで延々走り続けても、波などのきっかけがないと離水しないという事にもなりかねません。

そうならない為にも、フロートの滑水面のエッジは写真のようにきっちりとカドをつけて仕上げ、水切りを良くする事が大事なポイントなんですね。

次はフィルム貼りで仕上げるためのポイントです。
まず、生地完成になったところで全体にクリアラッカーを塗って防水とフィルムの貼りつきを良くします。
クリアラッカーは表面がツルツルになるまで何度も重ね塗りする必要はなく、1~2回吹き付けて、その都度軽くサンディングブロックを使って表面の毛羽立ち(ザラザラ)をとっておくだけで十分です。
ご承知のように、このフロートは単純な平面の組み合わせで構成されていますので、サンディングブロックを使う事で表面をきれいに平らに仕上げる事が出来ますし、何よりもエッジをシャキッと立てることが出来ます。

表面を軽くクリア仕上げした後はフィルムを貼って仕上げるのが手軽で良いと思います。
まずフィルムを貼る部分の形にあわせてカットするために型取りしますが、このフロートの単純な平面構成のおかげで、生地完成したフロートそのものをフィルムの裏紙に押し当てサインペンなどで周囲をなぞる事で簡単に出来ます。
当たり前のことですが、型取りの際は出来るだけフィルムの無駄が出ないように配置を良く考えて行ってくださいね。
で、実際のフィルムの使用寸法ですが、店主は幅60cmのAフィルム・シルバーを使って、長さ60cmほどで済みました。
と言っても究極まで切り詰めたうえでの寸法ですから、おおまかに60cm幅のフィルムで長さ70~80cmほどが必要と思っていただいて結構ですね。

さて、今回まで3回にわたってご紹介してきましたPILOTファイター25用フロートキット陸上機を簡単に水上機に、また水上機から陸上機に簡単に戻せる優れものです。
これまで水上機を飛ばしたことの無いかたもぜひこのPILOTファイター25用フロートキットで陸上機とは違った水上機の世界をのぞいてみては如何でしょうか。きっと新しい楽しみが発見出来ると思いますよ。

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ファイター25用フロートキット(2) 取付のポイント

今回はファイター25ファイター25用フロートキットを使って水上機に変更する場合の大切な事をご紹介させて頂きます。

まず、一番大事なポイントは「重心位置をきっちりと合わせる」という事ですね。
重心位置がずれていると上空での飛行性能はもちろん、離着水にも支障が出てきます。
ですから、何よりも優先して重心位置はきちんと合わせてください
これ、大切ですから絶対に守ってくださいね。

まず水上機にするファイター25は、陸上機としてちゃんと調整して飛行させておられることを前提にしてお話しします。当然のことながら重心位置は正確に合わせてあるはずですよね。

でも、これにフロートをつけるとどうなるでしょうか。
このフロートは、上の写真でもお判りになる通り、フロートのステップから後を切り取った形をしています。この大きなメインフロートを重心より前に二個も取り付ける訳ですから重心位置は陸上機の時より前寄りになってしまいます。

それを陸上機の時と同じ重心位置にしないといけませんので、テールフロートに鉛のバランスウェイトを取り付けて重心位置を調整します。
外観が気になる方はバランスウェイトをテールフロートの中に仕込んでも良いでしょう。但し、胴体後端に付けると陸上機に戻したときに重心位置が後になってしまいますので、陸上、水上の両方で飛行させようと考えておられる方は水上バージョンの時の重りはフロートに取り付けて合わせるようにした方が良いと思います。

次に重要なポイントは防水対策です。
メーカーによりますと、ファイター25シリーズは、ラダー、エレベーターのプッシュロッドが胴体から出る部分にはプッシュロッドサポートというパイプを取り付けるようになっているほか(前回のブログで触れています)、電動機とした場合の冷却空気出口は水しぶきのかかりにくい後部胴体上面に設置するなど、水上機モデルとする場合の事も考えて基本設計がされているそうです。
それでもなお追加で行わなければならない重要な防水対策を、このフロートキットの説明書に書かれている点を中心に説明させて頂きます。

水上機にとってスイッチの防水対策は重要です。そのためのパーツが、フロートキットに入っているピアノ線とプラスチックパイプです。
このパーツをどのように使うかは説明書にもイラストで書かれていますが、それに従って組み立てた状態がこの写真です。水しぶきがかかっても大丈夫なようにピアノはパイプから後方に出します。
念のためピアノ線がパイプから出ている付け根にはグリスなどを塗って防水を完全にしてください。
で、スイッチのオン、オフは機体の外からピアノ線を写真のオレンジ色の矢印の方向に押したり引いたりして行う訳です。なお、このスイッチは陸上機に戻してもそのまま使えます。

蛇足ですが、陸上型で胴体側面に取り付けていたスイッチの穴はフィルムや防水テープを貼って塞いでおいてくださいね。

続いて、最も水の入りやすい、主翼と胴体の合わせ目の防水対策です。
写真の機体は青い矢印の部分、胴体と主翼の合う面に透明(クリヤー)のシリコン充填剤を塗って水が入る隙間が無いようにしています。
その方法ですが、青い矢印の部分にシリコン充填剤を塗ります。
主翼の裏側、胴体と合わさる部分には、ポリ袋のようなものを前もって少し広めにマスキングテープで貼っておきます。
シリコン充填剤が固まる前に主翼を胴体に取り付け、主翼取付ビスを締めてきちんと主翼を固定し、シリコン充填剤の切れ目がないかを確認した後、シリコンが固まるのを待ちます。約12時間かかります。
シリコン充填剤が固まれば主翼を胴体から取り外し、主翼に貼ったポリ袋を取り去ります。ポリ袋はシリコン充填剤に接着されません。
はみ出したシリコン充填剤は、完全硬化した後にカッターナイフなどで切りそろえると良いでしょう。

最後に、これも前回のブログで触れましたが、キットにはエルロンサーボの防水カバーが入っていますす。
真空成型されたバーツをシートから切り離し、エルロンプッシュロッドの出口穴を必要最小限の大きさに切り取ります。
カバーは防水テープを使って主翼に取り付けるのが良いでしょう。

なお、重心位置は陸上型、水上型でも同じ位置にしないといけませんが、各舵の舵角なども基本的に同じで良いとの事です。
ただ、フロートが前方、下に付くために、飛行中に下向きの力がかかりダウン気味になりますので、トリムを少しアップに修正する必要があるそうです。

どうですか。
各部に水上機に対するOK模型のノウハウと細かい気配りが盛り込まれたPILOT ファイター25用フロートキット、今ファイター25を陸上でお楽しみの方はもちろん、夏に向けて気軽に水上機を楽しむ機体を用意したいとお考えの方も、ぜひファイター25とこのフロートキットの組み合わせをご検討ください