Japan Drone 2016

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少し前になりますが3月26日〈土)、幕張メッセで開催されていた「ジャパンドローン 2016」を覗いてきました。

英語ではJapan Drone 2016-Expo for Commercial UAS market-というように、主として商用無人航空機の展示会の様ですが、当店でもマルチコプターF450を取り扱っていますのでドローンという名にひかれての顔出しでした。

 

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会場に到着、いきなり目に入ったのがこれ!
アメリカのプレデターXPですね。高度7500m、滞空時間35時間という性能は、目的が違うとはいえマスコミ等で騒がれているマルチコプターベースの「ドローン」とは規模、性能に天と地の差がありますね。
ブースの周囲が閑散としていて拍子抜けしましたが、飛行機マニアとしては興味津々なこの機体、このイベントに集まった人々にはあまり関心が無いのかな。

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で、会場を見て回ったわけですが、モデラーですからどちらかというと模型関係の展示についつい目が行ってしまいます。
当店が扱っているラジコン模型関係の会社の多くが加盟されている団体「日本ラジコン模型工業会」さんも出展されていました。

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ラジコン模型工業会さん合同の展示ブースに並んでいるのは私たちにもおなじみの商品です。

でも・・・・・・

 

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この保険や、

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保護回路が一杯つまったこのバッテリーの展示でもお判りになるように、主なターゲットは模型ではなく産業用なんですね。

それにしても、多彩な分野の展示、デモ飛行、講演等も行われずいぶん賑やかな催しでした。

模型から始まったドローンですが、今では新しいビジネスとして広範囲な分野の会社が参入、機体やシステム、用途を模索している業界の様子がちょっと判ったような気がしました。

マルチコプターに代表されるドローン、だんだんとモデラーの扱う模型からは遠ざかっていくようですが、新しい産業としてこれからも目が離せない世界ではあるなと感じた一日でした。

 

 

 


フライトコントローラー Pixhawk (3)

少し間が空いてしまいましたが、Pixhawkの紹介、その(3)をお送り致します。

前回でトップモデルF450のコントローラー関係パーツ(ハードウェア)をPixhawkに積み替えました。

しかし、それらを実際に活用するにはパソコンを使ってフライトコントローラーの設定をする必要があります。
ここが、DIPスイッチを使って設定をするF450付属のコントローラーとPixhawkの最大の違いです。
それによってGPSやコンパス、ジャイロを使った多彩な機能が使えるようになるわけです。

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写真のようにパソコンとPixhawkをUSBケーブルで接続します。
そして、当然のことながら設定にはソフトウェアが必要となります。
今回の設定は、よく使われているMissionPlannerというソフトを使用しました。

「よく使われている」って・・・  設定ソフトはセットに入っていないの?と思われるでしょう。
実は設定ソフトは当社のセットに入っていないんです。

というのはPixhawkの設定プログラムはオープンソースと言って、プログラムの元が公開されており、誰でも自由にそれを使用したり変更することが出来るのが特徴なんです。

つまり、このフライトコントローラーを使用する場合は自分でプログラムを作るのが前提で、さもなくばネット上で公開されているプログラムの一つ選んで流用することになります。
後者の場合、これらのソフトは原則としてフリーウェアですから、ソフトウェアの不具合等の補償は無く、使われる方の自己責任となります。

ですから、当社でもお客様が使われる設定プログラムに起因する損害の補償や技術サポートは出来無いことをご承知おきください。

前置きが長くなりましたが、設定プロセス画面の一例をご紹介しましょう。
MissionPlannerの表示画面は英語ですので、ある程度の英語力は必要になります。

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まずはインターネットからMissionPlannerをダウンロード、インストール後に起動したときのスタート画面です。
もちろん、モデルはMULTICOPTERを選択しています。
設定項目は多岐にわたりますが、使用するソフトによって差があります。

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こちらはコンパスのキャリブレーション画面です。白い点が無くなればキャリブレーション完了です。

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GPSの画面です。自分の位置や傾きが表示されます。

このほかジャイロの設定などもありますが、写真のようにパソコンを使うので、直感的にわかりやすく設定できます。

設定が終ればフライトに入りますが、F450 である程度操縦できるようになっているかたで、設定さえきちんと出来ておればあっけないほど簡単に浮き上がります。(私はもろもろの知識を勉強して設定できるまでに1か月ほどかかりましたが・・・)

ここでニュースです。

このフライトコントローラーPixhawkをトップモデルジャパンで販売することが決定、ショップに出品しました。
マルチコプターのカテゴリーに商品群を揃えていますので、興味のあるかたは是非覗いて見てください。

当社が販売するPixhawk関連商品には一切説明書がついていないのでかなりのスキルと知識が必要となりますが、F450を更に進化させたいマニアの方には比較的リーズナブルな価格で手に入れることが出来るトップモデルのPixhawkをお薦めします。


フライトコントローラー Pixhawk (2)

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さて、前回ご紹介しました新しいフライトコントローラーPixhawk、正確にはPixhawk2.4.6 32bitフライトコントローラーという名前なんですが、これを搭載するプラットフォームは、今年2月17日から4回にわたって当ブログで紹介しましたTOPMODELオリジナルクワッドコプターF450を使用します。

さて、このTOPMODELオリジナルクワッドコプターF450は、費用をかけずに、とにかくシンプルにマルチコプター楽しみたいというマニア向けに、GPSや高度計などの機能を省くことで、設定はシンプルに、そして費用は出来るだけ抑えるというコンセプトの機体です。
したがって、基本的な設定はパソコンを使わずコントローラーのDIPスイッチでできるようになっていましたが、その分設定できる内容や機能にも制約がありました。

 

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こちらが以前ご紹介させていただいたF450です。
今回は、写真のフライトコントローラーをPixhawkに入れ替えるわけです。
また飛行時にテレメトリーシステムを利用してパワーユニットに流れる電流を計測するためのパワーモジュール(JR製)も搭載していましたが、これもPixhawkのパワーモジュール(オプション)に置き換えます。

 

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さて、これがフライトコントローラーを入れ替えた後の外観です。
但し判り易くするためにスイッチやLED表示装置、ブザーなどは取り外してあります。
もちろんモーター、スピードコントローラーなどは以前のままですが、今回、受信機はFutaba製に交換しました。

まず、メインのフライトコントローラーPixhawkですが、多機能化した分、大きくなっています。
またフレームには直接粘着テープで止めるのではなく、付属品のクッション付きアンチバイブレーションボードに乗せてあります。

次にオプションのGPSアンテナ。GPSを使う事でゴーホーム機能などが使用できるようになります。
また、Pixhawkは本体内に高度計も装備していますので、ゴーホーム以外にもいろいろな機能を使う事が出来るようになるはずです。

 

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裏面の様子です。以前はJR製の電流測定センサーを搭載していましたが、今回はPixhawk用の電流測定機能を持ったパワーモジュール(オプション)を搭載しています。オレンジの円の中に見えるように非常に薄く小さいものです。

ご覧のようにフレームにはほとんど手を加えることなく、フライトコントローラーと関連パーツの取付は終了しました。

 

次回は実際の設定の様子などをご紹介させていただきます。


フライトコントローラー Pixhawk (1)

話題のマルチコプター、当店ではTOPMODEL F450を販売中ですが、次期商品としてフライトコントローラーPixhawkの販売を企画中で、現在テストを進めています。
今回はテストレポートの前段として、商品構成をご紹介させていただきます。
なお、今後のテスト結果によっては商品の内容や構成パーツに変更が出る可能性がある事をお断りしておきます。


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まず、Pixhawkフライトコントローラー基本ユニット(GPSユニット無し)です。

USBケーブル、USBメモリ、フライトコントローラー、アンチバイブレーションボード、ブザー、LED、USBアダプタユニットで構成されています。

 

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Pixhawk2.4.6 32bitフライトコントローラー。

 

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アンチバイブレーションボード。カーボン製のプレートに青い緩衝材がつきます。

 

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USBアダプタユニット&LED、ブザー、スイッチ。

 

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これから先はオプションパーツとなる予定です。
まず、Ublox M8N  GPSコンパスモジュール。

 

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minimOSD。

 

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 I2Cハブ。

 

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Pixhawk用パワーモジュール。動力用バッテリーに流れる電流を測定します。

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PPMエンコーダーです。

以上、初回という事で簡単にパーツの説明をさせていただきました。
次回以降で実際の取付や設定の模様をご紹介させていただきます。

 

 

 


TOPMODELマルチコプター レビュー その(4)

トップモデルマルチコプターレビューシリーズ、始める前はサラッとキットのご紹介で終わるつもりでしたが、セットの内容をご紹介がてら組立を始めたところあまりに簡単に組み上がってしまったので、とうとうフライトまでご紹介することになってしまいました。

前回は狭い場所で軽くホバリングをして消費電流やフライトコントローラーの動作確認などを行いましたので、いつも飛行機を飛ばしているフィールドに出かけてフライトさせることにしました。
基本的なセッティングは出来ていますので特に問題なくフライト出来ました・・・・・・

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と、言いたいところですが、そうはいきませんでした。
当日は背景の竹のなびき具合でお判りになるようにかなりの風が吹く、初飛行にはツライ天候になってしまいました。

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同時に飛行させたGPSと高度センサーのついた機体は自分で位置を修正してくれるので比較的落ち着いて飛んでいましたがこちらはそうはいきません。風に流されない様に風上方向に傾けてないと定位置に静止しません。それでも比較的落ち着いた舵の効き具合でしたので何とか姿勢をコントロールし、ラダー、エルロン、エレベーター、それにスロットルの感覚を確認し、短時間ですが無事初飛行は終了しました。

  

 

その後数フライトをこなし、最後にヘリは飛ばした経験があるがマルチコプターは初めて、という方に飛ばしていただきました。最初はスロットルの扱いに少し戸惑われていたようですがすぐに慣れて、強風の中、飛行というかマルチコプター独特の感覚を楽しんでいただきました。

この機体は、何度も繰り返すようですが、手軽にマルチコプターにチャレンジしていただくことを第一にしていますので、複雑なシステムやセンサーは付いていません。ですから機体の製作やセッティングは超簡単ですが、そのかわりパイロットにある程度の飛行技術が要求されます。ですから不慣れな方の初飛行は出来るだけ無風の日を選ぶとか、先輩に助手をしていただく必要があるかと思います。

順序が逆さまになりましたが最後に、飛行前に行うキャリブレーション(誤差の補正)の方法とモーターの運転、停止の様子をご紹介しておきます。

まず、キャリブレーションには2つあります。1つは使用するプロポのニュートラル位置(スロットルは最スロー)を正確に認識させるための「送信機のキャリブレーション」で、その様子を動画でご紹介します。

 

 

もう一つは機体に正しい水平位置を認識させる「センサーキャリブレーション」です。

 

 

次は、飛行させるためにモーターの運転を開始する「アンロック」操作の方法です。

  

 

以上、トップモデルのクワッドコプターF450のご紹介をしてきました。
当社では補修パーツも充分取り揃えてマルチコプター入門者の皆様のお手伝いをさせていただいています。
また、F450はベーシックな「素材」という一面をもっていますので、今後改造をしたりグレードアップを図ったりする様子を後日ご紹介させていただく予定ですので、ご期待ください。

長らくお付き合いいただいたマルチコプターシリーズは一旦おしまいにし、次回はモーターグライダー「バニラ」のキット紹介をさせていただきます。