新しくTOPMODELオリジナル商品の仲間入りをしたマルチコプターF450、セットの概要と特徴などを前2回でレポートしましたので、今回はモーターやプロペラ、スピードコントローラーなどを総合したパワーユニットについて、少し突っ込んでご紹介することにしますね。
上はアームに取り付けたパワーユニットの様子です。
左奥が付属のアンプ、手前はモーターで、これに10×4.5のカーボンプロペラが付きます。モーターのスペックは外径28mm、ステーターは直径22mmで長さ12mm、KV値は1200です。このモーターとプロペラの組み合わせでどれくらいのパワーが出るのか皆さんにも興味のあるところでしょう。
実際にフライトさせるテスト機のバッテリーやコントローラー、受信機などはこんな配置にしてみました。
ここで、黄色の矢印の先に注目です。これはJRプロポから発売されている電流計測のテレメトリーセンサーです。今回はこれを使って飛行中の動力系統の電流を計測してみる事にしました。電流値が判ればアンプやバッテリー、モーターなどへの負荷の度合いが判りますし、飛行時間を推定する元データも得ることが出来ます。
当店テスト機を屋外に持ち出しました。セット付属のコントローラーは、送信機でモーターのロック解除操作をするとアイドリング状態でモーターが回転するようになっています。
この時の電流は1.40Aという事が送信機のディスプレイに表示されました。
もちろん運転状況に応じてこの数値は刻々と変化するのですが、このシステムによってリアルタイムに上空の機体の状態を把握することが出来るできる訳です。
いやー、今更ですが便利な時代になったものですね。
ところでアイドリング時の1.40Aという表示ですが、コントローラーや受信機に流れる電流も含めてシステム全体に流れる電流値です。モーターを回す前は0.5Aと出ていましたので、アイドリング回転時にモーター4基に流れる電流は合計0.9A、1個当たりは約02Aになります。当たり前ですが全く問題ない数値です。
さて、スロットルを上げて目の前で停止(ホバリング)させてみました。少し苦労しましたが何とか機体をじっと停止、ホバリング時の電流値は?という事でディスプレイを見ますと13.10Aと表示されていました。モーター1個当たり3.25Aです。1150gの機体が空中で停止しているわけですから、重量に見あう推力が出ていることは間違いありません。それでは、フルパワーにしたときにはどれだけの推力が出るのかって?それはこのシステムでは判りません。
で、次の装置の出番になるわけです。
これは当店でも取り扱っているTahmazoのスラストメーター、つまり推力計です。
これにF450のモーター、プロペラ、バッテリー、アンプを装着して運転すると、前に進む力、すなわち推力が測定できます。これに電流計とTahmazoレーザータコメーター(回転計)を別に準備してテストをしてみました。
まず、屋外で測定したホバリングの状態、モーター1基あたりの電流3.25Aの時の推力と回転数をチェックします。3.25Aに電流を合わせて運転するのはなかなか至難の業で、結局測定できた値は電流3.0Aで推力275gと出ました。モーター4基換算で12A、推力1100gになる勘定です。何と、ほぼ屋外での実飛行とぴったりの数値が出ました!ちなみにその時のプロペラ回転数は4600回転/分でした。
次に、このユニットをフルパワーで回せばいったいどうなるのか、ということでスロットルをフルハイにしてみました。
室内で回すと結構な風量と音にちょっと腰が引けます。結果は13.3Aで推力780g、4基合わせると53.2A、推力3120gになります。理論上は自分の重量を差し引いた2kgのものを持ちあげることが出来るという値です。当ショップで販売しているカメラジンバルは210g、これにカメラ約80gを搭載しても全く問題ないことは実証されたかたちです。この時の回転数は7720回転/分でした。
今日はずいぶん長くなって申し訳ありませんでした。
次回はコントローラーの調整方法やフライトの様子をお伝えする予定です(空模様と風次第ですが・・・・)。
ぜひお付き合いください。