シラントロ2m こだわりの小技(2)

先週に引き続き、シラントロ2mの空気抵抗を少しでも減らしたいというこだわりのアイデアをご紹介させて頂きます。

こちらはオリジナルのシラントロ2mのフラップホーン部分です。
キットでは、写真に見える黄色いプラスチックの成型部品でフラップホーン部分をカバーして、プッシュロッドやコントロールホーンを中に隠して空気抵抗の減少対策としています。
これでも結構細かい部分へのこだわりと言えるんですが、このカバーの出っ張りが気に入らない!というかたもおられるんですねー。

こちらはフラップ下げの状態です。

図面でフラップホーンカバーの断面を見るとこのようになっています。
カバーの中は結構ごちゃごちゃしていますのでこれをカバーする事で翼上面の気流をきれいに流すという事ですね。

で、どうするのかっていうのが、この写真です。
フラップは上げ位置になっています。この時、確かに翼の表面にはほとんど突起物がありません。
なお、カーボンプレートは開口部を最小限にするためのカバーと補強を兼ねたものだそうです。
さてここで、青い矢印に注目して次の写真をご覧下さい。

フラップを少し下げてもらいました。
青い矢印の所にピンヒンジの継ぎ手が後方に移動し、鳩目が少し見えてきました。

更にフラップを下げてもらいました。
はっきりとピンヒンジが見えてきました。
でも主翼上面にはほとんど何も飛び出していませんよね。

ところで、何でここにピンヒンジが?
実はピンヒンジをコントロールホーン(兼クレビス)として使っているんですね。
その作り方を聞いてきましたので、その作りかたをご紹介させて頂きます。

製作にはこれ、PILOTピンヒンジSを使います。

まず、ピンヒンジの両端を2ヤマ、カッターナイフで切り取ります。
上が製品、下が切り取ったところです。

先を切り取った切り口の一方に直径1.2mmの穴を、ピンバイスなどを使って開けます。深さはリンケージ用の1mmピアノ線がしっかり入るよう7㎜ほど、しっかりと開けます。

この穴に1mmピアノ線のプッシュロッドを差し込んでプッシュロッドとコントロールホーンを一体で作り上げるのですが、その前にピアノ線のサーボホーン側をZ曲げにしておくと共に、ピンヒンジ部分も含めてプッシュロッド全体の長さをきっちりと決めておく必要があります。
この時、ピンヒンジの鳩目の位置は少し上の3枚の写真の青い矢印の位置が目安となります。
プッシュロッド全体の長さが決まれば、OKボンドMPFXなどの低粘度の瞬間接着剤をピアノ線とピンヒンジの間にしみこませてピアノ線を固定するとプッシュロッドの出来上がりとなります。
言うまでもないと思いますが、ピンヒンジのピアノ線がついていない方はフラップに取り付けます。
また、後縁材とピンヒンジが干渉する部分はバルサを削っておく必要があります。

どうですか。バルサキットは自分で組み立てる苦労と手間がかかりますが、作る際の自由度が大きいため、独自のアイデアやこだわりをつぎ込むことが可能です。それが趣味としてのラジコンの楽しさだとおっしゃるマニアもたくさん居られます。
これまでキットからラジコン機を作ったことがない皆さんもオリンピアなどでキット製作にチャレンジされては如何でしょうか。

 


シラントロ2m こだわりの小技(1)

今年1月に発売されたOK模型のPILOT シラントロ2m、あちこちの飛行場で目にする機会が増えてきました。

そんなシラントロ2m、組み立ては難しいものの競技会レベルの高性能を持ったマニア向けのキットということで、こだわりのマニアは「エッ、そこまでやるの」というような細かいところまで、それこそコンマ1秒でも滞空時間を稼ぐための改造をしておらるようです。

そこで今回の題材は、某競技会で見かけた一機に注目、空気抵抗を少しでも減らしたいと思っておられる皆さんにそのアイデアをご紹介させていただきます。

まず最初は簡単かつ定番ともいうべき、ビスの頭の出っ張りを無くして空気抵抗を少なくする方法です。

まず、こちらはシラントロ2mの主翼を胴体に固定するボルトです。


キットには長さ30mmと25mmのトラスビスが入っていますが、この機体ではキャップスクリューに替えています。左がキットに入っているトラスビス、右がキャップスクリューです。

キャップスクリューは頭の部分を翼(中央リブ)の上面とツライチになるように埋め込む必要があります。そのための工作は、主翼取付ビスの穴を、キャップスクリューの頭が入るように直径6.1mmに拡げます。そして深さはキャップスクリューの頭と中央リブの上面がツライチになるまで彫ります。

主翼止めビス(後方)の様子です。ビスの頭の出っ張りは無く、すっきりしていますよね。

続いて、こちらはシラントロ2mの尾翼部分です。
こちらの水平尾翼取り付けビスを見てください。
赤く見える2本のビスです。

このようにキットに入っているトラスビスを皿ネジに変更してビスの頭を沈めることで表面の出っ張りを無くしています。

左がキットに入っている3x10mmのトラスビス、右が皿ビスです。

もちろん尾翼の穴はサラビスの頭に合わせて少し斜めに削っておく必要があります。また、使われているのは尾部の重さを少しでも軽くするためにラジコンカーに使われているジュラルミン製のビスだそうです。

今回は材料さえ揃えば簡単に出来る小ネタをご紹介しましたが、次回はもう少し手のかかる、そして空気抵抗の低減にはより効果があると思われるフラップホーンの改造をご紹介させて頂きます。

 


TS-D1018MC とTS-D1022MG  違いは?

先週もお知らせしましたように当店では明日7月14日午前10時まで「ビッグサマーセール」を実施中です。同時に期間中は、お買い上げ10,800円以上で送料無料サービスの特典もございます。
SALE特価商品と送料無料、ダブルでお得なこの機会をお見逃しなく!
なお、明日7月14日土曜日、当店は臨時営業しておりますので、当日午前10時のセール終了時までのご注文品は即日出荷させて頂きます。お急ぎの品などがございましたらぜひご利用下さい。

さて今回のお題、TS-D1018MCTS-D1022MG、どちらもOK模型が取り扱うTahmazoブランドのウイングサーボで、TS-D1022MGのほうはスポーツ機アイランドブリーズクレスアンジェリカといったグライダーの推奨サーボに指定されているものです。
ところが、TS-D1022MGは品切れの状態が続いており、お客様から最近発売されたウイングサーボTS-D1018MCで代替できないのかというお問い合わせを頂きましたので、今回はそれにお答えする形で両者を比較してみる事にしました。

こちらが最近発売されたTS-D1018MCです。
外見は紫と黒のアルミケースに入っているのが大きな特徴です。
アルミのほうが熱伝導が良く、放熱性に優れているのでサーボが熱を持った時には有利ですね。

一方、TS-D1022MGのケースは一般的なプラスチック成形品です。

どちらもオール金属ギア、コアレスモーターを採用したハイボルテージ対応デジタル薄型ウイングサーボになります。

それでは、まず一番気になるサイズから見て行きましょう。
ご覧の様に、縦の長さを見るとTS-D1018MCのほうがTS-D1022MGより3mm長くなっています。(コードが邪魔になるので右のTS-D1022は裏返して置いています)
このため、アイランドブリーズのようにサーボトレーをTS-D1022MGに合わせてカットしてある機体の場合は少し穴を大きくする工作が必要になります。

細かい事ですがサイドの「耳」の厚さも異なっています。
左のTS-D1022MGのほうが約2㎜厚くなっています。

で、後というか底の「耳」の厚さはどちらも2mmで、同じなんですね。
TS-D1022MGの「耳」は横と後ろでなぜ違う?
理由は・・・・ よくわかりません”(-“”-)”
写真の上がTS-D1018MC、下がTS-D1022MGです。幅はどちらも30mm、厚さは10mmと同じです。
写真では下になっているTS-D1022MGのほうが横幅が広いように見えますが、それは写真を撮った時のアングルのせいです。

今回の比較で一番違っていたのがコードの長さです。
ご覧の様にTS-D1018MCが175mm、TS-D1022MGが305mmと、13cmもTS-D1018MCのほうが短くなっています。
TS-D1018MCのコードは他のTahmazo製サーボとほぼ同じ長さなんですが、TS-D1022MGを推奨サーボにしている機体にTS-D1018MCを使う場合は延長コードが必要になる場合が出てくるかもしれません。

このほか、写真では判らないスペックですが、重量はアルミケースのTS-D1018MCのほうがTS-D1022MGより3.5g重い23gになっています。
でもトルク、スピード共に新しいTS-D1018MCのほうが勝っています。

結論として、本体の縦長さが3mm違う事とコードの長さが異なる事に問題が無ければ、トルクやスピードは最近発売されたTS-D1018MCが勝っているので、代替はOKという事になります。


ヒンジスロッターって?

まず皆さんにお知らせです。
ただ今、トップモデルジャパンではビッグサマーセールを開催中ですが、セール期間中は随時セール商品の入れ替えを行っています
本日も商品を追加していますので、これまでセール会場では見つからなかった商品がお得にゲットできるかもしれません。ぜひ、セール会場をご訪問下さい。

さて、今日はちょっと聞きなれない名前の新製品「ヒンジスロッター」のご紹介です。
これがヒンジスロッターです。
と言ってもこれを見ただけでは何をするものかが今一つピンときませんよね。

そもそも、ヒンジスロッターって一体何なの?という事から始めますと、「ヒンジ」はラジコン機製作のシーンではごく普通に出てくるパーツで、エルロンやエレベーターなどの舵を取り付けるのに使われる蝶番の類だという事はわかりますよね。
で、問題はそのあとの「スロッター」の意味なんですよね。
聞きなれない言葉ですからいろいろと調べてみたんですが、どうやらスロッターとは、スロット=溝を彫る道具の事のようです。

早い話、ヒンジスロッターとは「ヒンジの溝を彫る道具」という事なんですよ。

さて、本題の商品紹介に入ります。
まず、パッケージの中にはこんなパーツが入っています。
直径約8mm、長さ110mmのアルミ製の柄、そして①~③の刃先、の4点です。
刃先と言っても先が尖っているだけで、カッターナイフのような鋭利な「刃」がついているわけではありません。ですから、溝を彫れるのはバルサのような比較的柔らかい素材に限られます。
その寸法ですが、①は幅16mm、厚み0.9mm、②は幅11mm、厚み0.6mmmmで、使用するヒンジの厚み、幅に合わせて使い分けます。③は後ほど説明しますが溝の中の屑を掻き出すためのツールです。

使い方は簡単で、まずヒンジの溝を彫りたい位置にヒンジスロッターの先端を押し当てて溝を彫る場所を決めます。

次に、先端を強く押し付けながら左右に振って溝を彫ってゆきます。ただし、写真の矢印の振り幅はオーバーで、こんなに左右に振る必要はありません。すこし左右に揺する感じでツールを先に押し込んでゆけば良いです。

ヒンジの長さに合わせて刃先を押し込んだら・・・・・

先端ツールを③の掻き出し刃に替えて・・・・・

溝の中から木屑を取り出します。

これで完成。
どうです。カッターナイフなどで彫るよりずっときれいにまっすぐな溝が彫れますよ。

あれば便利なツール「ヒンジスロッター」、皆さんの工具箱にぜひ一つお備え頂きたいと思います。