オリンピア 胴体を見る(2)

前回、グライダー大会観戦記でお休みしましたが、再びオリンピア箱開けシリーズに戻ります。

初めてバルサキットに挑戦するモデラーのための飛行機という事で、設計者の気遣いやこだわりをあちこちに見る事が出来るオリンピアですが、今回は胴体のプランク(板張り)について見てみましょう。

(その1)で見た通り、胴体はほぼ完成しているのですが、胴体の上面と下面にベニヤ板やバルサ板のプランク板を貼る作業が残っています。

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プランク作業で注意することは、胴 体に貼るバルサのプランク材は加わる力の向きの関係で木目を胴体の縦方向(進む方向)に対して横方向にしなければならないんです。一枚の長い板をべったりと貼るのでなく、一枚一枚を貼る場所の胴体の幅に合わせてカットしなければならないんですね。当然オリンピアのレーザーカット部品もそのように一枚づつ幅が変わっているんですが、ここから先に一工夫があります。

 

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こ れがレーザーカットされたオリンピアのプランク板です。当然のことながら、それぞれのパーツの幅が違っていますよね。そして、よく見ると、前後の端が直線でなくジグソーパズルのように異なった形に レーザーカットされているのがお判りでしょうか。この形を合わせながら板を貼ってゆくことで、貼る順番を間違わずしかも歪まずにきっちりと貼ること が出来るんですね。

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組立説明書はこんな具合です。ここで、よく見ると上面のジグソーパズルの線は直線の組み合わせで、下面の組み合わせは曲線の組み合わせになっていますよね。

 

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実物はこんな具合です。手前が直線で上面用、奥が曲線で下面用です。こうすることで、同じ幅の所でも上下を間違えたり上か下か考える必要が無くなるはずです。
ちょっとした気配りというか、設計者の遊び心が感じられるところですね。

胴体からは外れますが、同じプランクということで主翼中央部分はどうなっているかというと・・・

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一枚づつ合わせ目の切り欠きの形を変えてありますね。これなら前後を間違えることなく作業が出来ます。それと細かいことですが、左右のプランクの突合せ面、一見直線のように見えますが実はここは翼の上面のカーブと上反角の加減で微妙にカーブを描いた形になります。ここをピッタリと合うように削るのはベテランモデラーでも苦労するところなんですが、オリンピアの場合はそのような形に初めからレーザーカットされていますので、多分ほとんどの方は気づかずに作業を終わられると思います。なかなか奥が深いですね。

 

と いう事で、4回にわたって「半生地完成キット」というあまり聞きなれないパターンの機体「オリンピアの中身を見てきました。箱を開けてざっと見ただけで も、正確に組まなければならない箇所や組立が難しい部分、そして不慣れな方が間違えやすいところがすでに出来上がっており、残った部分もこれまでのキットになかった工夫がされていますので、初めてバルサキットに取 り組まれる方にはうってつけの機体が現れたとの印象を受けました。
また、メーカーからはこのオリンピア専用のフィルムセットも発売されましたので、そちらもどんなものか近いうちにレビューを掲載したいと思っています。

 

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さて、次回はトップモデルが販売を開始したマルチコプター「TOP MODEL F450」をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

 


オリンピア 胴体を見る(1)

半生地完成キット・オリンピアのキットレビュー、今回は胴体を見る、その1です。

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写真のように左右の側板の間に胴体の骨組みともいえる胴枠やサーボトレーなどが組み込んで接着されており、胴体としての基本的な形が出来上がっています。(写真に見える黄色いテープは後で接着する機首上面と下面のパーツを仮止めしてあるものです)
この胴体が歪んでいると、出来上がった飛行機がまともに飛ばないという事になりかねませんので正確に組み立てるのが肝心なんです。

また、一番前の胴枠(防火壁)には微妙に角度が付いていますので、そのあたりも間違わずに組み上げる必要がある、など結構気を遣う部分が多いんです。

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これは胴体を上から見たところですが、このようにたくさんの胴枠や板材を間に挟みながら、しかも単純な長方形の箱でなく前と後ろで絞り込んでありますので、センター(中心線)がまっすぐに鳴るように組み立てるのはベテランでもなかなか至難の業なんですよ。

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裏側を見るとこうなります。
このような形になるまでの工程が肝心なところで、工場でジグを使って正確に組み立て済みである半生地完成機の大きなメリットですね。

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機首部分のクローズアップです。
上面には取り外し式のハッチがつく大きな穴があいています。完成後はここからバッテリーの出し入れをするんですね。

 

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裏返して見みました。
第一胴枠にはメーカー指定のアポロモーターの取付ビス穴が開いているのが良く判ります。
そして断面は真四角、つまりブツ切りですよね。

せっかく直径38mmのスピンナーと一体になったアポロ―モーターを使うんですから、当然機首はそれに合わせて丸い断面にして絞り込んであると思っていたんですが・・・・
で、何で?という事でOK模型の担当さんに尋ねたところ、即座に「フィルムを貼り易くするため。オリンピアはバルサキットに初めて挑戦するかた、そしてフィルム貼りの経験が少ない人向けの飛行機ですから。理由はそれだけです」という単純明快な答えが返ってきました。

なるほどね。確かに丸くて先細になった部分のフィルム貼りって、結構難しいものです。機体を組み立てたあとのフィルム貼りの事まで考えてデザインされているとはね。なかなか奥が深いですね。

今回ははここまで、ということで次回は実際に胴体の工作をするつもりで、もう少し突っ込んでレポートしてみます。まだまだ奥深いうんちくが詰まっているようですから、お楽しみに。

話変わって、トップモデルジャパンでは今話題のマルチコプターの取り扱いを始めました。模型として組み立てからフライトまでを楽しめるキットという事で、あまり費用をかけずにマルチコプターの世界に入ってゆくことが出来ます。まだまだ充実させなければならないと思っていますが、マルチコプターのコーナーをぜひ一度覗いてみてください。


オリンピアの箱を開けてみました

みなさん明けましておめでとうございます。
TOPモデルの所在地、大阪では滅多に無い「雪の正月」を過ごしました。
皆さんはいかがお過ごしでしたか。

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さて、外出もままならない冬の間、春に向けてキットの製作を考えておられるかたも少なくないと思います。このタイミングに、OK模型からちょっとかわった「半生地(はんきじ)完成」と銘打った、キット?とも完成機(ARF)?どちらとも言えるような、言えないようなちょっと珍しいカテゴリーの飛行機オリンピアが新製品として入荷しました。パッケージの完成写真ではいかにも飛ばしやすそうな高翼練習機のようですが、問題はその中身にあるようです。そこで、入荷したての「半生地完成機」を今回から数回に分けてご紹介させて頂きたいと思います。

  これまで当店が取り扱ってきたほとんどの飛行機はフィルム貼りの終わった「ARF完成機」か、主翼や胴体などはリブや側板などのバラバラのパーツ状態で入っている「キット」、に分類されるものでした。
この「キット」をバラバラのパーツの状態から飛行機の形に組み立て、フィルムを貼る直前の状態まで作り上げたのが、いわゆる生地完成機、キジ完というものです。

で、OK模型の言う「半生地完成」オリンピアって何なの?と思っていたんですが、箱を開けてナルホドと納得しました。

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ザッと見たところ、キット初心者の方には致命的なミスなく出来上がる飛行機、慣れた方には手間をかけずに短時間で組みあがる機体だと店主は判断しました。

その訳ですが、ご覧のように主翼は翼の形になっていますが、前縁材(ぜんえんざい)は付いていません。でも肝心なところは組み上げて主翼の形にはなっていますので、キットの組立に不慣れなかたが歪んだ翼を作るというリスクは少なくなりそうです。また店主もその昔、経験しましたが同じ側の主翼を2枚作ってしまう(!)というとんでもないミスはおこりません。(そんな事あった、あったと納得しているあなた、モデラーしてますね!)

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また、胴体もパッと見ると出来上がっているように見えますが、よく見ると左右の側板(そくはん)に胴枠が付いているだけで上下のプランク(板貼り)が済んでいません。

  なるほど、これが「半生地完成」とメーカーが名付けた理由なんだな、これは面白い(ちょっと変わった)飛行機だなと店主は納得しましたが、キット未経験の皆さんにはイマイチその訳がお判りにならないと思います。

そこで、どういう理由でここまで組んであるのか、その理由やメリットを次回以降でこのキット、いや半生地完成機オリンピアの中身を細かく観察し、トップモデルなりに解剖して皆さんにご紹介していこうと思います。

ところで、トップモデル恒例の「選べるお年玉プレゼント」、お陰様で多くのお客様にご利用いただき誠に有難うございました。このキャンペーンも残すところ明日1月7日午前10時までとなっています。お買い物がまだ残っておられる方はお得なこの機会をお見逃しなく。


スーパーK (赤)の箱を、開けてみた。その2

今回は、V-pro スーパーK(赤)のご紹介その2になります。
主翼、その他のパーツを見ていきましょう。

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主翼の上面は赤色ベースに白のアローアクセント、下面は紺色がメインでスタント時の視認性を良くしています。ヒンジは接着されていません。 

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主翼の翼断面です。翼型はハイポイントから後ろにもカーブのある1970年代に多く見られた15%の厚翼、対称翼ですね。

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リンケージロッド、片ネジピアノ線、バッテリーや燃料タンク取付用のバンドやマジックテープ。
それとカンザシ、メインギヤ、ノーズギヤです。

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コントロールホーンです。エルロン、エレベーター、ラダーに計5組使用します。

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ノーズギヤ、メインギヤの取付部品やリンケージに使用するシュリンクチューブなど、こまごまとしたパーツも含まれています。紺色の半円形のものは、主翼固定用のベニヤ製ベースで、これにもフィルム張りがされています。

この他、日本語の組立説明書が入っています。

以上がキットの内容全てになります。
このV-pro スーパーK(赤)のテーマは、1970年代スタイル。
当時と比べると格段に進歩したメカやパワーユニットで、かつての懐かしいスタイルの機体を遊びつくそうという開発コンセプトです。

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そして何よりもお勧めなのが、電動化ユニットPILOT ePack45です。
スーパーKに必要な電動パーツが、マジックテープやプロペラまで全てセットになっています。
さらに、写真をご覧になって分かるように、コネクターははんだ付けが済んでいますし、動作チェックも済み。
箱を開けたら、バッテリーの容量をチェックして、機体にポンポンと積んで、モーターの回転や回転方向の再確認をして、おしまいです。凄く便利ですよね。これらのパーツを別々に揃えるより価格もお得になっています。電動化をお考えの方は、是非ともこのセットをご利用ください。

今回ご紹介したV-pro スーパーK(赤)も人気ですので、売り切れが予想されます。お早目にどうぞ。

 

 

 


スーパーK 赤の箱を、開けてみた。その1

今回から、新発売のV-pro スーパーK(赤)を2回に分けてご紹介しようと思います。

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これまで青やオレンジのタイプがあったのですが、今回新たに赤色が登場しました。

一言でこの機体を形容するなら、1970年代の「懐かしい」スタイルではないかと思います。

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今回はその1として、胴体、尾翼周りをご紹介します。
赤色のフィルムにシンプルな白、黒のアクセントがが映えていますね。

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尾翼はフィルム貼り仕上げがしてあります。ヒンジはミゾ切りだけされていて、シートヒンジは接着されていません。エレベーターは左右分割ですが二股プッシュロッドの両引きです。

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1970年代に流行した水滴型のキャノピーは、胴体上面のハッチ(テープで固定されている長方形のもの)に取り付ける仕様です。

Superk-5
胴体下面は紺色です。メカ室にはラダー、エレベーターサーボを積むサーボベッドが取り付け済みです。

Superk-8
カウリングはグラス製、塗装仕上げ済みです。

Superk-6
ラジアルマウント、ナイロンスピンナーが付属。エンジン仕様の場合は2Cで30~50クラスとなっていますが、RCモデルプレーンズ2014年9月のVol.06号で紹介されたようにガソリンエンジンの10ccクラスも搭載できるようです。次回改めてご紹介しますが、電動仕様の場合は、モーター ER-352077dBMやポストマウントが必要になりますが、それらがあらかじめセットになり、さらにはんだ付けやテストが済んでいる状態のPILOT ePack45がマッチしますし、かなりお得です。

Superk-7
燃料タンク、タンクパーツです。グロー燃料用のシリコンパイプなどが入っていますから、ガソリンエンジンを使用される場合はタンクパーツをガソリン用に変える必要があります。
燃料タンクはこちらからご覧ください。

では、次回は主翼やその他のリンケージパーツなどをご紹介します。