水上機の防水対策(2)

水上機の防水対策(2)ということで、先週にひきつづきアイランドブリーズ スプラッシュ ターコイズを例にとっての説明です。
写真の①と②は前回で解説済ですので、③の説明から再開です。

③は燃料給油口の一例です。
燃料給油口は、ほとんどの方が直径3㎜程度のチュープやパイプで作られています。ですから開口部はあまり大きな面積ではありませんが、離水直前のスピードに乗った時の水しぶきの水圧はかなりのものですから角度によってはタンクの中に水が入ってしまう事も考えられます。
そのため、この例では給油口(白いプラスチックパーツ)とエア抜きのブリーザーパイプ(青いニップル)を胴体側面やカウルではなく、ハッチの中に装着して水しぶきが直接当たらないようにしています。

こちらは④の電源スイッチです。
写真では防水ゴムキャップ付きのスイッチを使い、更に激しい水しぶきに直接さらされないようハッチの中に装着しています。

そしてハッチのつなぎ目や小さい穴、隙間などの防水に欠かせないのがPilot 防水テープです。
いろいろ事前に考えて防水対策をするのですが、実際に飛ばしてみるといろんなところから水が入ってくるものです。そんな時、手っ取り早く水漏れを防ぐ事が出来るこのテープは水上機のフライトに無くてはならないものの一つですね。

さて、気持ちよく水面を滑走する機体ですが、フロートで切り裂かれた水が勢いよく主翼の下面に当たっていますね。
一見涼しげな写真ですが、主翼に搭載された、水が嫌いなフラップサーボやエルロンサーボにとっては大迷惑な話なんですよね。

そこで、そのフラップサーボやエルロンサーボを飛沫から守るアイデアがアイランドブリーズ スプラッシュに盛り込まれているんです。
写真はエルロンホーン部分で、主翼の上面側からプッシュロッドを出すことで、下面に当たる強烈な飛沫がロッドの出口から主翼の中に入るのを避けています。

で、サーボはというと、主翼下面にハッチを設けてそこから搭載しているんですね。
でもプッシュロッドは主翼上面から出していますので、ハッチに開口部はありません。
勿論ハッチの周囲には防水テープをきっちりと貼ってあります。
主翼の下面には僅かの穴も開けたくないという設計者の気持ちの表れですね。

同じく主翼サーボの防水対策例として参考にご覧いただくこの写真は、PILOT ファイター25用フロートキットに付属している防水サーボカバーの取付例です。
あまりスマートではありませんが、露出したサーボやロッドをカバーで覆うこのスタイルは陸上機を水上機にコンバートする際によく使われる手法で、とりあえず手元の陸上機を改造して水上機を楽しみたいという場合に向いています。
PILOTファイター25は肩翼機でエルロンサーボは主翼の下面に出ており、フロートからの水しぶきはまともにサーボカバーを直撃しますので、ご覧のようにカーブした主翼の下面にカバーをきっちりと密着させて水の侵入を防ぐため、ここもやはり防水テープで周囲を囲っています。

このほか、受信機や受信機用バッテリーはビニール袋に入れて口をしっかりと封じ、サーボなどは出来るだけ床から浮かせて搭載して少しくらい胴体に水が入っても濡れないようにするなどの対策も併せて行う必要があります。
でも、慣れ親しんだ陸上機とは違ったところにあれこれと想像しながら気を遣うのも、見方を変えれば新鮮で、新たな模型の楽しみ方を発見できるのではないでしょうか。

まだ水上機を飛ばしたことの無いあなた、ぜひこの夏、フレッシュな気分で水上機デビューされては如何でしょうか。