RLカーボン折ペラブレード

今週、RLブランドのカーボン折ペラブレードの新サイズが2種入荷しました。
4年前に国内に初お目見えして以来のラインアップ追加ですので、早速ご紹介させて頂きます。

これまでは10インチから14インチまでの比較的大きなサイズを揃えていたのですが、今回発売になったのは9×6インチ9.5×5インチの2サイズで、これまで販売されていたものに比べるとやや小ぶりなサイズです。

メーカーからのテストデータがまだ出ていないのですが、2mクラスのグライダーなどで10×6ではちょっとキツイかな?と思う場合の選択肢の一つとして重宝するのではないでしょうか。

商品パッケージはこれまで通りで、尖った先端部分が折れないように、プラスチックケースの中に入っています。
14インチのブレードと同じケースに入っていますので、ちょっとすき間が大きくて寂しい気がしますが(笑

裏返してみました。
4年前に現行の9種類が新発売された時に驚かされたきれいな仕上がりは、一層磨きがかかっています。

先端は相変わらず鋭く、薄く仕上げられています。
ちょっとした不注意で何かに引っ掛けたりすると欠けてしまう恐れがありますので要注意ですよ。
万が一、片方のブレード先端が欠けてしまった場合、片方だけ新しいブレードに替えるのは禁物で、2枚セットで交換しなければなりません。
と言いますのは、RLカーボンブレードは1枚1枚手作業で作られていますので、出来上がりの重さが個々に微妙に違ってきます。そのため、メーカーでは一本づつ重さをはかり、バランスの取れた2枚をセットにして出荷しているそうです。
ですから、違うペアのブレードを組み合わせて使うと左右のブレードの重量バランスが狂って振動等の原因になる場合があるということなんです。

回転中に大きな負荷がかかる付け根部のクローズアップです。
きれいな曲線で、負荷が特定の個所に集中しないようデザインされています。

ブレード取付部の寸法は、幅が8㎜、ブレード取付ピンの入る穴は3mmに仕上げられています。これは業界の標準的な規格ですから、当社が取り扱っているTahmazoブランドをはじめ、多くのプロペラハブに合います。

そろそろ本格的な競技会シーズンが始まります。
グラスナイロン製ブレードとは一味違うRLカーボン折ペラシリーズをぜひ一度お試しください。


水上機の防水対策(2)

水上機の防水対策(2)ということで、先週にひきつづきアイランドブリーズ スプラッシュ ターコイズを例にとっての説明です。
写真の①と②は前回で解説済ですので、③の説明から再開です。

③は燃料給油口の一例です。
燃料給油口は、ほとんどの方が直径3㎜程度のチュープやパイプで作られています。ですから開口部はあまり大きな面積ではありませんが、離水直前のスピードに乗った時の水しぶきの水圧はかなりのものですから角度によってはタンクの中に水が入ってしまう事も考えられます。
そのため、この例では給油口(白いプラスチックパーツ)とエア抜きのブリーザーパイプ(青いニップル)を胴体側面やカウルではなく、ハッチの中に装着して水しぶきが直接当たらないようにしています。

こちらは④の電源スイッチです。
写真では防水ゴムキャップ付きのスイッチを使い、更に激しい水しぶきに直接さらされないようハッチの中に装着しています。

そしてハッチのつなぎ目や小さい穴、隙間などの防水に欠かせないのがPilot 防水テープです。
いろいろ事前に考えて防水対策をするのですが、実際に飛ばしてみるといろんなところから水が入ってくるものです。そんな時、手っ取り早く水漏れを防ぐ事が出来るこのテープは水上機のフライトに無くてはならないものの一つですね。

さて、気持ちよく水面を滑走する機体ですが、フロートで切り裂かれた水が勢いよく主翼の下面に当たっていますね。
一見涼しげな写真ですが、主翼に搭載された、水が嫌いなフラップサーボやエルロンサーボにとっては大迷惑な話なんですよね。

そこで、そのフラップサーボやエルロンサーボを飛沫から守るアイデアがアイランドブリーズ スプラッシュに盛り込まれているんです。
写真はエルロンホーン部分で、主翼の上面側からプッシュロッドを出すことで、下面に当たる強烈な飛沫がロッドの出口から主翼の中に入るのを避けています。

で、サーボはというと、主翼下面にハッチを設けてそこから搭載しているんですね。
でもプッシュロッドは主翼上面から出していますので、ハッチに開口部はありません。
勿論ハッチの周囲には防水テープをきっちりと貼ってあります。
主翼の下面には僅かの穴も開けたくないという設計者の気持ちの表れですね。

同じく主翼サーボの防水対策例として参考にご覧いただくこの写真は、PILOT ファイター25用フロートキットに付属している防水サーボカバーの取付例です。
あまりスマートではありませんが、露出したサーボやロッドをカバーで覆うこのスタイルは陸上機を水上機にコンバートする際によく使われる手法で、とりあえず手元の陸上機を改造して水上機を楽しみたいという場合に向いています。
PILOTファイター25は肩翼機でエルロンサーボは主翼の下面に出ており、フロートからの水しぶきはまともにサーボカバーを直撃しますので、ご覧のようにカーブした主翼の下面にカバーをきっちりと密着させて水の侵入を防ぐため、ここもやはり防水テープで周囲を囲っています。

このほか、受信機や受信機用バッテリーはビニール袋に入れて口をしっかりと封じ、サーボなどは出来るだけ床から浮かせて搭載して少しくらい胴体に水が入っても濡れないようにするなどの対策も併せて行う必要があります。
でも、慣れ親しんだ陸上機とは違ったところにあれこれと想像しながら気を遣うのも、見方を変えれば新鮮で、新たな模型の楽しみ方を発見できるのではないでしょうか。

まだ水上機を飛ばしたことの無いあなた、ぜひこの夏、フレッシュな気分で水上機デビューされては如何でしょうか。


水上機の防水対策(1)

「水ぬるむ春」などと春の訪れを告げる言葉を耳にしますと、フィールドに出かけてフライトを楽もうとテンションも上がるのですが、その言葉通り水辺で水上機を楽しみたい、と思っておられるかたもおられる事と思います。

その水上機、文字通り水の上を滑走して離水、着水をするという事で、陸上機には無い爽快感を味わえる一方で、フロートの取付角度やフロートのステップと重心位置の関係など、水上機ならではのフライトにかかわるノウハウがあります。

それと共に忘れてならないのは、機体の防水対策です。
上の写真のように、激しい水しぶきがかかるのは水上機の宿命なんですが、この水しぶきに全く無防備では受信機やサーボ、バッテリーなどが浸水してノーコンになる恐れがあります。

そこで今回は水上機にとって何より大切な防水対策のアイデアをいくつかご紹介させて頂きますので、これから水上機を作ろうという方はもちろん、すでにお持ちのかたもぜひご一読のうえ、参考にして頂けたらと思います。

早速、教材機として当店でも取り扱っていますアイランドブリーズスプラッシュ ターコイズを例にとって説明させて頂く事にします。

ご紹介します対策は写真の①から④までの4つのアイデアがあるのですが、全部を一度で、となると長くなりますので今回は①と②をご紹介させて頂きます。

まず、①なんですが、矢印の先は黒いフィルムがあるだけですから「何の事?意味わからん」とおっしゃるかたがほとんどでしょう。
実はこの矢印、この機体に貼られている黒い部分全体を指している訳で、胴体の開口部全体をシール状のフィルムで覆っているんです。

これは組み立て前の胴体です。
ご覧の様に大きなキャノピーがついたハッチを被せるようになっていますが、これだけ大きなハッチの周囲からは結構水が入り込むのではないかと心配になりますね。。
そこで、機体にリンケージやメカ積みを済ませた後で、この開口部全体をシールで覆ってしまう訳なんです。
「そんなことしたら電池の入れ替えやエルロンサーボコネクタなどの接続はどうするの?」と言われるでしょうが、その答えは次の写真にあります。

その答えが、写真で半透明に白く映っている部分です。
これは文具でクリアホルダーとして売られている薄いプラスチックシートをカットして作った内部ハッチです。
写真では判りにくいので黄色い枠で囲んでいますが、この部分にビニールテープを貼ってヒンジとし、黄色い点線部分を支点として開閉します。

こんな具合に開きます。
判りやすくするためフィルムを曲げていますが、実際はテープ部分を支点にパタンと開きます。
この内部ハッチは上からコックピットを載せるとすき間がなくなり、胴体内部への浸水を防ぎます。
それでも心配な方は飛行の際に周囲を防水テープなどで塞いでおかれると完璧でしょう。
なお、アイランドブリーズは主翼を胴体の左右からカンザシに差し込んだ後、主翼の抜け止めナットを胴体の内側から締め付けるのですが、その作業もこのハッチから行う事が出来ます。

残る③項と④項は次週という事にさせて頂きますが、ここでスクープニュースです。
今回題材に使っていますアイランドブリーズスプラッシュ ターコイズは陸上型のアイランドブリーズ ターコイズの水上機型という事はご存知の通りです。
ところで、アイランドブリーズには色違いのアイランドブリーズ オレンジ(陸上型)が先日発売されましたね。
という事はオレンジの水上機型も出て来るのでは?と思っていましたが、その通り、先日とある場所でテスト中のアイランドブリーズスプラッシュ オレンジを目撃しましたので、ご紹介します。

発売はいつ頃ですか?と尋ねましたところ、4月始めにはお店に並ぶでしょうとの事でした。
水辺に映えるオレンジの水上機、ご期待下さい。


驚異の超絶技巧!

今日のお題は、日本一高いビルとして知られるあべのハルカスにあるあべのハルカス美術館で開催中の「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」のご紹介です。

当店のお客様には、モデルの細かいディテールにこだわるスケール機マニアやミリ単位以下の精度で空力性能の向上を追求するグライダーマニア、パイロンレーサーなど、多彩で高度、かつ繊細な工作技術をお持ちのモデラーも数多くおられるかと思います。
店主も細かいディテール再現が命のスケールモデラーのはしくれですので、「超絶技巧」というフレーズに惹かれて行ってみることにしました。

観覧当日、幸運にも時間限定で写真撮影が許可されましたので、その際に撮らせていただいた多くの画像の中から、素人の目ですが、興味を持った作品のいくつかを皆さんにご紹介したいと思います。

まずは満田晴穂 自在蛇骨格です。
名前の通り蛇の骨格で、可動式なんですね。
我々の世界で言う「ヒンジ」とか「ボールリンク」に相当する部分の構造はどうなっているのか、大いに気になるところですね。

全体像です。
クネクネと自在に変形する様子が想像出来ますよね。
下の解説パネルにも書いてありますが、パーツ数は何と500!

素人が解説するのもなんですから、詳細は作品の解説プレートをご覧ください。

次は安藤緑山 パイナップル、バナナ
マーケットの果物コーナーでよく見る取り合わせですが、実はこれ象牙なんですよ!
パインのごつごつ感、バナナの皮の剥け具合?、などなど、質感、細部の表現、彩色など、実物と見まがうばかりです。
今回の展覧会のパンフレットにも使われている作品です。

解説はこちらです。
その中にもありますが、まるで3Dプリンターで作ったようですね。
でも違います、象牙です!

こちらのまばゆいばかりの作品は巧山 宝船図皿です。

船首の部分のクローズアップをご覧ください。
この緻密さ!

 

これは前原冬樹 一刻:皿に秋刀魚。
皿の上の食べかけのサンマ、もちろん本物ではありませんが、驚いたことに一本の木から彫り起こしたものです。

元々一本の木ですからサンマの頭と皿は一体です。
当然骨と皿の間はくりぬいてあるわけですよね。
何でそこまでして・・・と驚く我々の反応を作者の方は楽しみにしておられるのでしょうね、きっと。
それにしても上手に焼けていますね、このサンマの頭。

最後にご紹介するのは大竹亮峯 自在鹿の子海老

木彫りとは思えない殻や突起の表現、まさに海老そのものですね。
しかも「自在」との事ですから足や尾が可動。
木彫りの造形はもちろんの事、カラーリング(彩色)のすばらしさ、言葉が出ないですね。

 

どうでしたか。
今回ご紹介させて頂いたのはごく一部の作品ですが、展覧会の雰囲気がお判りいただけたのではないでしょうか。
でも、もっとたくさん実物をこの目で見て確かめたいと思われる方はぜひハルカス美術館で開催中の「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」に足をお運びください。

さてここでご案内です。
当ショップでは3月14日午前10時まで対象飛行機購入で送料無料キャンペーン」を実施中です。
待ちに待った春、フライトシーズンを新作飛行機でスタートされては如何でしょうか。
キャンペーン会場はこちらです。皆様のお越しを心からお待ちしております。

 


PILOT ステンレス製へら

今回取り上げますのは、最近当店でブーム?になっているPILOTステンレス製へです。

この商品、形からも思い浮かびますが、エポキシ接着剤の混合、スーパーモデルパテの塗布と仕上げ、塗料の混合などに無くてはならない工具です。

長さは185mmと、写真のようにボールペンより少し長く、ちょうど持ちやすい大きさで、握りの部分にはすべり止めのローレット加工が施してあります。

先端の「へら」の部分は、両端で形が変わっています。

片方は長方形に近い形で、長さ30mm、幅6.5mmです。厚みは先端で1mm、付け根で約1.3mmになっていました。

エポキシを練るのはもちろん、パテなどを平らに伸ばして拡げるのに適していますね。
この手の作業に木片や棒材を加工したヘラやつまようじなどを使っているあなた、このヘラを使えば驚くほどきれいに、簡単に作業が出来ますよ!

もう片方は先が尖った形になっています。
細かい部分の作業に使うのには便利な形で、店主は胴枠と側板のコーナーにエポキシ接着剤を埋める時などに重宝しています。
そこそこ長さがありますので、奥まったところでの作業にもうってつけです。

ところで、ここまでは「へら」のごく普通の使い方なんですが、全く違った使い方があるのをご存知ですか?

それは、コネクタハウジングの分解に便利、というより無くてはならないツールなんです。
写真の左側、PILOT延長コードの黒いコネクタをカラーのサーボコネクタハウジングを使ってカラー化する際に必要なツールで、あると無いとでは大違いという事なんです。

どういうことかと言いますと、コネクタハウジングのメス側は写真の左側のように、ピンの出たコネクタと四角いハウジングとで出来ており、コネクタがハウジングの中にぴったりとはめ込まれているんですね。
このハウジングは簡単に抜け無いような構造になっているんですが、このステンレス製へらを差し込むことでうまく、簡単に抜けるんですよ。
この作業については、過去の当店ブログで詳しく説明させて頂いていますので、興味のある方はそちらもご覧ください。

このPILOTステンレス製へら、シンナーやアルコール、アセトン等の溶剤に溶けたりしませんし、もちろん錆びませんので、ずっと永くお使いいただける一品です。
まだお持ちでない方はぜひ一本、お手許に置いておかれる事をお勧めします。