シラントロ2m こだわりの小技(1)

今年1月に発売されたOK模型のPILOT シラントロ2m、あちこちの飛行場で目にする機会が増えてきました。

そんなシラントロ2m、組み立ては難しいものの競技会レベルの高性能を持ったマニア向けのキットということで、こだわりのマニアは「エッ、そこまでやるの」というような細かいところまで、それこそコンマ1秒でも滞空時間を稼ぐための改造をしておらるようです。

そこで今回の題材は、某競技会で見かけた一機に注目、空気抵抗を少しでも減らしたいと思っておられる皆さんにそのアイデアをご紹介させていただきます。

まず最初は簡単かつ定番ともいうべき、ビスの頭の出っ張りを無くして空気抵抗を少なくする方法です。

まず、こちらはシラントロ2mの主翼を胴体に固定するボルトです。


キットには長さ30mmと25mmのトラスビスが入っていますが、この機体ではキャップスクリューに替えています。左がキットに入っているトラスビス、右がキャップスクリューです。

キャップスクリューは頭の部分を翼(中央リブ)の上面とツライチになるように埋め込む必要があります。そのための工作は、主翼取付ビスの穴を、キャップスクリューの頭が入るように直径6.1mmに拡げます。そして深さはキャップスクリューの頭と中央リブの上面がツライチになるまで彫ります。

主翼止めビス(後方)の様子です。ビスの頭の出っ張りは無く、すっきりしていますよね。

続いて、こちらはシラントロ2mの尾翼部分です。
こちらの水平尾翼取り付けビスを見てください。
赤く見える2本のビスです。

このようにキットに入っているトラスビスを皿ネジに変更してビスの頭を沈めることで表面の出っ張りを無くしています。

左がキットに入っている3x10mmのトラスビス、右が皿ビスです。

もちろん尾翼の穴はサラビスの頭に合わせて少し斜めに削っておく必要があります。また、使われているのは尾部の重さを少しでも軽くするためにラジコンカーに使われているジュラルミン製のビスだそうです。

今回は材料さえ揃えば簡単に出来る小ネタをご紹介しましたが、次回はもう少し手のかかる、そして空気抵抗の低減にはより効果があると思われるフラップホーンの改造をご紹介させて頂きます。

 


ファイター25 今日は陸上? それとも水上?

そろそろ梅雨入りのニュースが流れはじめるこの季節、皆さんいかがお過ごしですか。
本格的な梅雨に入り雨が続く時期こそ、梅雨明けに待っている水上機シーズンに向かって準備をする絶好の機会ではないでしょうか。

そこで、店主が考え付いたのがPILOT ファイター25(陸上型)にファイター25用フロートキットを取り付けて水上機にする事です。
フロートキットの内容や製作のポイントは以前、当店ブログで紹介済みですから、今回は実際にフィールド(水辺)で通常の車輪付きファイター25をどのようにして水上機に変えるのか、というテーマで解説してみます。

こちらが今回用意したPILOT ファイター25Mで、タイヤのついた陸上機仕様です。

水上機として飛行させるためにはタイヤを取り外してこちらのフロートを取り付ける訳ですね。
なお、ファイター25用フロートはARF完成ではなくキットですから、写真のように組み立てた後フィルムを貼って完成させないといけません。(フィルムについてはこの記事の最後に良いニュースがありますのでお楽しみに)
今回はフロートは組立、完成済みで、1度は機体に取り付け、取付角の調整や防水対策が済んだものを使うという前提で、単純に陸上型から水上型に換装する工程をご紹介させて頂きます。

それでは、スタートです。

ご覧の様にファイター25は尾輪式の脚を持っていますので、写真の様にメインギア(手前)とテールギア(水平尾翼の下)がついています。
25用フロートはこれらをうまく使って、簡単に水上機仕様に変える事が出来るようになっています。
さて、どのようにするのか、ご覧ください。

当たり前ですが、まずタイヤを外します。メインギア(ピアノ線)はそのままにしておきます。

胴体のメインギア後方にピアノ線のサポート支柱を取り付けます。この止めネジ、タッピングビスではなく3mmビスと胴体の中の「ゆるみ止めナイロンナット」で固定しますのでちょっとてこずりました。

上のように取り付けた2本のピアノ線脚柱にフロートを取り付けます。
取り付けは簡単で、フロートの溝の中にピアノ線をはめ込み、一か所につき2組のタッピングビスとワッシャで固定します。
片側4本、全部で8本ですから大して時間はかかりません。

左右のメインフロートをピアノ線の脚に取り付けた後、左右のフロートがブレるのを防ぐ張線を取り付けます。

これでメインフロート周りの作業は終りましたから、テールフロートの取り付けに移ります。

ご紹介しているファイター25用フロートの特徴の一つに「テールフロートを尾輪金具に取り付ける」という点があります。

こうする事でテールフロートはラダーの動きと連動し水上で機体の向きを変える事が出来ますので、水上機につきものの「水中舵」が不要となり、結構面倒な水中舵回りのリンケージも不要になるという、グッドアイデアです。

作業に戻って、テールフロートを取り付けるために、尾輪(タイヤとストッパー)を取り外します。

テールフロートもメインフロートと同じように、フロート上部の溝に尾輪金具のピアノ線をはめ込んで、タッピングビスとワッシャを使って固定するだけです。僅かビス3本ですから本当にアッという間に取り付け完了です。
繰り返しになりますが、水中舵関係のリンケージは全く必要ありません
ということで、陸上機を水上機にする作業はこれで終了です。

作業が終わった機体を裏返してみました。
フロートキットに付属しているエルロンサーボのカバーがよくわかりますね。

ところで、世の中、水上機も陸上機も飛ばせるフィールドで、一日のはじめは陸上機で、途中から水上機で飛ばす、という事が出来るかたはそう多くはないと思いますが、そんな贅沢は言わず今日は陸上機、次回は別の場所で水上機という風に使い分けをする場合でも、タイヤからフロートへ、あるいはその逆にフロートからタイヤにと短時間で換装出来ると言う事になりますと、夏のフライトを楽しむスタイルが随分広がるのではないでしょうか。
という事で、今回はファイター25を水上機に換装するのは如何に簡単かをお伝えしました。

さて、ここでお得なニュースです
このブログにちなんで当店ではPILOT ファイター25とファイター25用フロートキットにフィルムをセットした特別お買い得セット商品を数量限定で企画しました
何が特別かといいますと、PILOT ファイター25(各色)とファイター25用フロートキットのセットをお得に、そしてフロートに貼るシルバーのフィルム(約1m)を、実質フィルム代が無償となる特別価格で販売させて頂く、という事なのです。
なお、このフィルムはシワが入っている部分がありますので販売はできないのですが、実際に貼ってアイロンをかけるとシワはわからなくなるほど、通常使用には全く問題がありません。ですから、このセットは実質シルバーのフィルム約1mが無償で付いてくる、という事になります。

商品はこちらにございますので、この夏こそ水上機にチャレンジ!と思っておられるかたはぜひご検討ください。
ファイター25C、25用フロートキット、シルバーフィルムの特別3点セット
ファイター25M、25用フロートキット、シルバーフィルムの特別3点セット
ファイター25S、25用フロートキット、シルバーフィルムの特別3点セット

なお、この特別お買い得セットは当店予定数がなくなり次第、終了とさせていただきますので、予めご了承ください。


ファイター25用フロートキット(3) 製作のポイント

前回と順序が逆になってしまいましたが、今回はファイター25用フロートキット製作のポイントをお話しさせて頂きます。

写真はファイター25用フロートキットを取り付けたファイター25Mが水上を滑走、滑水状態(プレーニング状態)に入り今まさに飛び上がろうとする場面のフロート部分のアップです。
ここで注目していただきたいのは、写真の青い矢印のあたりです。
画像をクリックして拡大写真をご覧いただくと良くお分かりになると思いますが、水がきれいにフロートの横・後方にキレていますよね。
ここが肝心なところで、このようにきれいに水を切れるようにするにはどうすればよいのか、というのが今回の最初のポイントです。
まず結論から言いますと、組み立て説明書にも強調して書かれていますが「フロート滑水面のエッジ(角)を丸めてはいけない」という事です。

写真はフロートを上下ひっくり返したところで、写真の上面が実際には水の中に入る底面になります。
で、滑水面のエッジとは写真の青いラインで示した部分、言い換えればフロートの上面を除いた他のエッジ部分、になります。
この部分のエッジを丸めてしまうと、水面を走り出した時に水がフロート下面から丸いエッジ伝いに側面に回り込み、その結果フロートが水面に張り付いた様になって、滑水状態(プレーニング状態)に入りにくくなる、という事です。極端な場合、フルパワーで延々走り続けても、波などのきっかけがないと離水しないという事にもなりかねません。

そうならない為にも、フロートの滑水面のエッジは写真のようにきっちりとカドをつけて仕上げ、水切りを良くする事が大事なポイントなんですね。

次はフィルム貼りで仕上げるためのポイントです。
まず、生地完成になったところで全体にクリアラッカーを塗って防水とフィルムの貼りつきを良くします。
クリアラッカーは表面がツルツルになるまで何度も重ね塗りする必要はなく、1~2回吹き付けて、その都度軽くサンディングブロックを使って表面の毛羽立ち(ザラザラ)をとっておくだけで十分です。
ご承知のように、このフロートは単純な平面の組み合わせで構成されていますので、サンディングブロックを使う事で表面をきれいに平らに仕上げる事が出来ますし、何よりもエッジをシャキッと立てることが出来ます。

表面を軽くクリア仕上げした後はフィルムを貼って仕上げるのが手軽で良いと思います。
まずフィルムを貼る部分の形にあわせてカットするために型取りしますが、このフロートの単純な平面構成のおかげで、生地完成したフロートそのものをフィルムの裏紙に押し当てサインペンなどで周囲をなぞる事で簡単に出来ます。
当たり前のことですが、型取りの際は出来るだけフィルムの無駄が出ないように配置を良く考えて行ってくださいね。
で、実際のフィルムの使用寸法ですが、店主は幅60cmのAフィルム・シルバーを使って、長さ60cmほどで済みました。
と言っても究極まで切り詰めたうえでの寸法ですから、おおまかに60cm幅のフィルムで長さ70~80cmほどが必要と思っていただいて結構ですね。

さて、今回まで3回にわたってご紹介してきましたPILOTファイター25用フロートキット陸上機を簡単に水上機に、また水上機から陸上機に簡単に戻せる優れものです。
これまで水上機を飛ばしたことの無いかたもぜひこのPILOTファイター25用フロートキットで陸上機とは違った水上機の世界をのぞいてみては如何でしょうか。きっと新しい楽しみが発見出来ると思いますよ。

ところで、ここで皆さんにお得な情報です。
ただいま当ショップでは税込6480円以上お買い上げで500円値引クーポンを配布中です。ご注文時にクーポンID欄に 2018top03 と忘れずに入力してください。その場で500円値引きされます。
なお、このクーポンは3月15日までの期間中、お一人様1回までとなっております。
ぜひご利用ください。


ファイター25用フロートキット(2) 取付のポイント

今回はファイター25ファイター25用フロートキットを使って水上機に変更する場合の大切な事をご紹介させて頂きます。

まず、一番大事なポイントは「重心位置をきっちりと合わせる」という事ですね。
重心位置がずれていると上空での飛行性能はもちろん、離着水にも支障が出てきます。
ですから、何よりも優先して重心位置はきちんと合わせてください
これ、大切ですから絶対に守ってくださいね。

まず水上機にするファイター25は、陸上機としてちゃんと調整して飛行させておられることを前提にしてお話しします。当然のことながら重心位置は正確に合わせてあるはずですよね。

でも、これにフロートをつけるとどうなるでしょうか。
このフロートは、上の写真でもお判りになる通り、フロートのステップから後を切り取った形をしています。この大きなメインフロートを重心より前に二個も取り付ける訳ですから重心位置は陸上機の時より前寄りになってしまいます。

それを陸上機の時と同じ重心位置にしないといけませんので、テールフロートに鉛のバランスウェイトを取り付けて重心位置を調整します。
外観が気になる方はバランスウェイトをテールフロートの中に仕込んでも良いでしょう。但し、胴体後端に付けると陸上機に戻したときに重心位置が後になってしまいますので、陸上、水上の両方で飛行させようと考えておられる方は水上バージョンの時の重りはフロートに取り付けて合わせるようにした方が良いと思います。

次に重要なポイントは防水対策です。
メーカーによりますと、ファイター25シリーズは、ラダー、エレベーターのプッシュロッドが胴体から出る部分にはプッシュロッドサポートというパイプを取り付けるようになっているほか(前回のブログで触れています)、電動機とした場合の冷却空気出口は水しぶきのかかりにくい後部胴体上面に設置するなど、水上機モデルとする場合の事も考えて基本設計がされているそうです。
それでもなお追加で行わなければならない重要な防水対策を、このフロートキットの説明書に書かれている点を中心に説明させて頂きます。

水上機にとってスイッチの防水対策は重要です。そのためのパーツが、フロートキットに入っているピアノ線とプラスチックパイプです。
このパーツをどのように使うかは説明書にもイラストで書かれていますが、それに従って組み立てた状態がこの写真です。水しぶきがかかっても大丈夫なようにピアノはパイプから後方に出します。
念のためピアノ線がパイプから出ている付け根にはグリスなどを塗って防水を完全にしてください。
で、スイッチのオン、オフは機体の外からピアノ線を写真のオレンジ色の矢印の方向に押したり引いたりして行う訳です。なお、このスイッチは陸上機に戻してもそのまま使えます。

蛇足ですが、陸上型で胴体側面に取り付けていたスイッチの穴はフィルムや防水テープを貼って塞いでおいてくださいね。

続いて、最も水の入りやすい、主翼と胴体の合わせ目の防水対策です。
写真の機体は青い矢印の部分、胴体と主翼の合う面に透明(クリヤー)のシリコン充填剤を塗って水が入る隙間が無いようにしています。
その方法ですが、青い矢印の部分にシリコン充填剤を塗ります。
主翼の裏側、胴体と合わさる部分には、ポリ袋のようなものを前もって少し広めにマスキングテープで貼っておきます。
シリコン充填剤が固まる前に主翼を胴体に取り付け、主翼取付ビスを締めてきちんと主翼を固定し、シリコン充填剤の切れ目がないかを確認した後、シリコンが固まるのを待ちます。約12時間かかります。
シリコン充填剤が固まれば主翼を胴体から取り外し、主翼に貼ったポリ袋を取り去ります。ポリ袋はシリコン充填剤に接着されません。
はみ出したシリコン充填剤は、完全硬化した後にカッターナイフなどで切りそろえると良いでしょう。

最後に、これも前回のブログで触れましたが、キットにはエルロンサーボの防水カバーが入っていますす。
真空成型されたバーツをシートから切り離し、エルロンプッシュロッドの出口穴を必要最小限の大きさに切り取ります。
カバーは防水テープを使って主翼に取り付けるのが良いでしょう。

なお、重心位置は陸上型、水上型でも同じ位置にしないといけませんが、各舵の舵角なども基本的に同じで良いとの事です。
ただ、フロートが前方、下に付くために、飛行中に下向きの力がかかりダウン気味になりますので、トリムを少しアップに修正する必要があるそうです。

どうですか。
各部に水上機に対するOK模型のノウハウと細かい気配りが盛り込まれたPILOT ファイター25用フロートキット、今ファイター25を陸上でお楽しみの方はもちろん、夏に向けて気軽に水上機を楽しむ機体を用意したいとお考えの方も、ぜひファイター25とこのフロートキットの組み合わせをご検討ください


ファイター25用フロートキット(1)

手頃な価格と楽しく「遊べる」飛行性能で人気のPILOTファイター25シリーズ、当店でも品薄状態が続いていますが、そんな中、以前から雑誌などでアナウンスされていたPILOTファイター25用フロートキットが発売になりました。

まだまだ寒い日が続きますが、来るべき水のシーズンに向けて早めに準備にかかってくださいね、というメーカーのメッセージでしょうかね(笑

さて、上写真はOK模型からお借りした試作機のフライト写真です。シンプルなボックス構造の3点フロート、PILOTファイター25用フロートキットを装着しています。
このフロートは木製キットですので、組み立てた後フィルムを貼ったりして仕上げる事になります。写真の機体はシルバーのフィルムで仕上げていますね。

入荷したばかりのPILOTファイター25用フロートキット、小ぶりな箱からはキットの大部分を占めるバルサとベニヤのパーツが出てきました。
べニアパーツは精密にレーザー加工されており、飛行機のキットに比べるとパーツ数が少ないので、早速組み立てたところ、あっという間に生地完成状態になりました。

完成後のフロートです。
左のメインフロートには支柱を取り付ける2本の溝が見えます。
一方、右に見えるテールフロートにはファイター25の尾輪金具がはまり込む溝が見えます。ということは、ラダーを操作するとテールギア金具に取り付けられたテールフロートも連動して動きますので、水中舵なしで水上での方向転換が出来るようになっているんですね。

フロートの上面、下面をご覧ください。
底面はフラットボトムで、強度が必要な上面、側面、接水面はベニヤになっています。

こちらはキットに入っている金具類です。
①はメインフロートを支えるピアノ線のサポート支柱です。フロートはファイター25についているメインギアからタイヤを外して前部を支え、後ろをこの3mmピアノ線のサポート支柱で支える訳です。②についてはあとで説明します。
なお、③のパーツは、左右のメインフロートを連結してブレ止めとする張線ワイヤーです。

一方、テールフロートはファイター25のテールギアからタイヤを外し、テールギアのピアノ線を写真のように溝の中にはめ込んでビス3本で止めるというアイデアです(写真提供OK模型)
水上での方向転換は、上で説明しましたように、ラダーに連動したこのテールフロートで行います。

フロートを取り付けた機体を陸上機に戻す時はメインフロートとテールフロートを外してタイヤに替えるだけで、リンケージなどをさわる必要が全くありません。
いろいろとアイデアの詰まったこのファイター25用フロートキット、本当に簡単に陸上から水上に、また水上から陸上にすることが出来そうですね。

また、このフロートキットは水上機に欠かせない防水対策にも細かい気配りがあります。
その一つがこの透明プラスチック製のエルロンサーボカバーです。

ファイター25シリーズのエルロンサーボは上のように主翼の下面に露出していますので、そのままでは水しぶきにまみれて使えなくなっていしまいます。そのためにこのカバーが用意されているんですね。(写真提供OK模型)

防水対策には、このほかスイッチやプッシュロッド出口、主翼の取付部などへの対策などが必要ですが、そちらについては次回説明させて頂く予定ですので、ぜひ次回の記事も合わせてご覧くださいね。