スクリューを削る

AquaCNCアルミスクリューは加工せずそのままでも十分使えますが、少しでも効率よくする方法を今回ご紹介します。
右が加工前、左が加工済みです。
加工前は船体後方側が内から外に向かって厚みが一定ですが外周に向かって尖らせたほうが効率がいいので薄くしていきます。

右が加工前、左が加工済みです。
プロペラ最外周部分が多少厚いので薄くします。
今回は船体前方の面のみ削っています。

棒やすりやダイヤモンドやすりで削り、特別な仕上げはしていません。

期間限定8月30日まで今回ご紹介したスクリューを特別値引きで販売しております。
カートへ入れると自動的にお値引きされます。


水上機の防水対策(2)

水上機の防水対策(2)ということで、先週にひきつづきアイランドブリーズ スプラッシュ ターコイズを例にとっての説明です。
写真の①と②は前回で解説済ですので、③の説明から再開です。

③は燃料給油口の一例です。
燃料給油口は、ほとんどの方が直径3㎜程度のチュープやパイプで作られています。ですから開口部はあまり大きな面積ではありませんが、離水直前のスピードに乗った時の水しぶきの水圧はかなりのものですから角度によってはタンクの中に水が入ってしまう事も考えられます。
そのため、この例では給油口(白いプラスチックパーツ)とエア抜きのブリーザーパイプ(青いニップル)を胴体側面やカウルではなく、ハッチの中に装着して水しぶきが直接当たらないようにしています。

こちらは④の電源スイッチです。
写真では防水ゴムキャップ付きのスイッチを使い、更に激しい水しぶきに直接さらされないようハッチの中に装着しています。

そしてハッチのつなぎ目や小さい穴、隙間などの防水に欠かせないのがPilot 防水テープです。
いろいろ事前に考えて防水対策をするのですが、実際に飛ばしてみるといろんなところから水が入ってくるものです。そんな時、手っ取り早く水漏れを防ぐ事が出来るこのテープは水上機のフライトに無くてはならないものの一つですね。

さて、気持ちよく水面を滑走する機体ですが、フロートで切り裂かれた水が勢いよく主翼の下面に当たっていますね。
一見涼しげな写真ですが、主翼に搭載された、水が嫌いなフラップサーボやエルロンサーボにとっては大迷惑な話なんですよね。

そこで、そのフラップサーボやエルロンサーボを飛沫から守るアイデアがアイランドブリーズ スプラッシュに盛り込まれているんです。
写真はエルロンホーン部分で、主翼の上面側からプッシュロッドを出すことで、下面に当たる強烈な飛沫がロッドの出口から主翼の中に入るのを避けています。

で、サーボはというと、主翼下面にハッチを設けてそこから搭載しているんですね。
でもプッシュロッドは主翼上面から出していますので、ハッチに開口部はありません。
勿論ハッチの周囲には防水テープをきっちりと貼ってあります。
主翼の下面には僅かの穴も開けたくないという設計者の気持ちの表れですね。

同じく主翼サーボの防水対策例として参考にご覧いただくこの写真は、PILOT ファイター25用フロートキットに付属している防水サーボカバーの取付例です。
あまりスマートではありませんが、露出したサーボやロッドをカバーで覆うこのスタイルは陸上機を水上機にコンバートする際によく使われる手法で、とりあえず手元の陸上機を改造して水上機を楽しみたいという場合に向いています。
PILOTファイター25は肩翼機でエルロンサーボは主翼の下面に出ており、フロートからの水しぶきはまともにサーボカバーを直撃しますので、ご覧のようにカーブした主翼の下面にカバーをきっちりと密着させて水の侵入を防ぐため、ここもやはり防水テープで周囲を囲っています。

このほか、受信機や受信機用バッテリーはビニール袋に入れて口をしっかりと封じ、サーボなどは出来るだけ床から浮かせて搭載して少しくらい胴体に水が入っても濡れないようにするなどの対策も併せて行う必要があります。
でも、慣れ親しんだ陸上機とは違ったところにあれこれと想像しながら気を遣うのも、見方を変えれば新鮮で、新たな模型の楽しみ方を発見できるのではないでしょうか。

まだ水上機を飛ばしたことの無いあなた、ぜひこの夏、フレッシュな気分で水上機デビューされては如何でしょうか。


PILOT ステンレス製へら

今回取り上げますのは、最近当店でブーム?になっているPILOTステンレス製へです。

この商品、形からも思い浮かびますが、エポキシ接着剤の混合、スーパーモデルパテの塗布と仕上げ、塗料の混合などに無くてはならない工具です。

長さは185mmと、写真のようにボールペンより少し長く、ちょうど持ちやすい大きさで、握りの部分にはすべり止めのローレット加工が施してあります。

先端の「へら」の部分は、両端で形が変わっています。

片方は長方形に近い形で、長さ30mm、幅6.5mmです。厚みは先端で1mm、付け根で約1.3mmになっていました。

エポキシを練るのはもちろん、パテなどを平らに伸ばして拡げるのに適していますね。
この手の作業に木片や棒材を加工したヘラやつまようじなどを使っているあなた、このヘラを使えば驚くほどきれいに、簡単に作業が出来ますよ!

もう片方は先が尖った形になっています。
細かい部分の作業に使うのには便利な形で、店主は胴枠と側板のコーナーにエポキシ接着剤を埋める時などに重宝しています。
そこそこ長さがありますので、奥まったところでの作業にもうってつけです。

ところで、ここまでは「へら」のごく普通の使い方なんですが、全く違った使い方があるのをご存知ですか?

それは、コネクタハウジングの分解に便利、というより無くてはならないツールなんです。
写真の左側、PILOT延長コードの黒いコネクタをカラーのサーボコネクタハウジングを使ってカラー化する際に必要なツールで、あると無いとでは大違いという事なんです。

どういうことかと言いますと、コネクタハウジングのメス側は写真の左側のように、ピンの出たコネクタと四角いハウジングとで出来ており、コネクタがハウジングの中にぴったりとはめ込まれているんですね。
このハウジングは簡単に抜け無いような構造になっているんですが、このステンレス製へらを差し込むことでうまく、簡単に抜けるんですよ。
この作業については、過去の当店ブログで詳しく説明させて頂いていますので、興味のある方はそちらもご覧ください。

このPILOTステンレス製へら、シンナーやアルコール、アセトン等の溶剤に溶けたりしませんし、もちろん錆びませんので、ずっと永くお使いいただける一品です。
まだお持ちでない方はぜひ一本、お手許に置いておかれる事をお勧めします。


テールパイプの取付ノウハウ

最近のOK模型のグライダーの胴体は、スケールモデルを除くと、FRPの胴体ポッドにテーパーカーボンパイプを組み合わせたタイプが多くなっています。
これはグライダーの性能アップに欠かせない軽量化と、サーマルを探すのに欠かせない良好な操縦性を得るのに最適な構造なんですね。

ところで、この胴体ポッドには主翼が付き、カーボンパイプの後端には尾翼が付きます。

このポッドとパイプが工場で接合済みの機体は良いのですが、中にはユーザーが接合しなければならない機体があります。
PILOT シラントロ2mアンジェリカオレガノ2などがあります。
これらの機体の場合、ポッドとテールパイプの取付が正確に指定通りに出来ていないと、結果として主翼と尾翼の取付角度が狂ってしまい、それが原因で空気抵抗の増加を招き、グライダーとしては致命的なマイナスとなってしまいます。
もちろん、設計者が意図した性能が出ないばかりか、操縦性にも悪い影響が出てくることは間違いないでしょう。

今回はその胴体ポッドとテーパーカーボンパイプの取り付けについて、PILOTアンジェリカを例にとってポイントを説明させて頂く事にします。

こちらがセットに入っている状態の胴体ポッドとテールパイプです。
オレンジ色のポッドの後端にカーボンパイプを被せて差し込むわけです。

ところが、ポッドは手作業で製作されていますので1個ずつ微妙に形というか太さなどが違っており、差し込んだ時にそのままでは正しい角度にうまく嵌まらないことがあります。
そんな場合は、とりあえず仮組をして各部のアラインメント(取付角度)を確認、修正する必要があります。

こちらは、アンジェリカの組立説明書中の説明図です。
最初にも触れましたが、この工程、ポッドとテールパイプの接合は主翼と尾翼の取付角度を決める大切な部分になります。出来上がった機体の性能を左右すると言っても過言ではない部分です。

まず、仮組をして組み立て説明書に書いてあるとおり、セットに入っている治具を使って側面から見た時の角度を合わせます。
合わせると言っても、平らな定盤のうえにパーツと治具をおいて、上図の上向き黒矢印の3点が定盤にぴったりと付いているか確認します。

この時、写真のように治具や胴体の後端が定盤から浮く様な場合は修正が必要です。

そんな時は、サンドペーパーなどでポッドを少しづつ削っては仮組をする作業を繰り返します。

最終的に、治具、胴体ポッド下面、テールパイプ後端の3点が定盤に無理なくぴったりとくっつくようになればOKです。

OKとなればポッドとパイプをエポキシ接着剤で接着、硬化するまで正しい位置をキープしておきます。
なお、エポキシ接着剤にはスーパーマイクロバルーンを混ぜておくと、軽量化と強度の増加をする事が出来ます。

以上が胴体ポッドとテールパイプの組み立て上の注意と修正方法です。
最初に説明しましたが、この部分の工作はグライダーの性能を左右する大切なポイントですので、じっくり時間をかけて作業して下さい


アルミパイプを曲げる

本日のお題は、当店でよくあるお問い合わせの一つです。

それは、燃料タンクについてくるアルミパイプ、材質が硬いものや柔らかいものいろいろとありますが、それを曲げようとしたものの、ちょっと力加減を誤ると写真のようにパイプが凹んで潰れてしまったという経験を皆さんお持ちではないでしょうか。

特に材質が硬い場合は指先だけで思うようなカーブに曲げる事が大変で、特に比較的小さな直径でパイプをきれいに曲げるのはなかなか難しいものです。

そこで、今回は材質が比較的硬い方に属する、PILOT製燃料タンクに使われているアルミパイプを例にとって、店主流の曲げ方の説明をさせて頂きます。

上写真はPILOT ガソリン用タンクキャップセットですが、PILOT製の各種燃料タンクに付属しているタンクキャップも同様のパーツ構成になっています。

それでは作業に取り掛かりましょう。
まず、硬い材質で、角が立っている台を用意して下さい。
パイプと台の硬さの加減ですが、パイプの硬さに負けるような柔らかい木の台では小さなカーブに曲げることは難しいですね。
写真は(年季が入っていますが)鉄製の小型バイスで、黄色い点線で示した部分のカドを使います。

次に、このカドにパイプを押し当て、少しだけ曲げます。
このように硬いカドを利用する事で、パイプをつぶさないようにする微妙な力加減が出来るんです。

うまく曲げるコツですが、一回の動作で少しだけ曲げ、次に位置をほんの少し移動して(気持ち的には0.5mm以下で)その位置で少し曲げます。それを何度も繰り返して、カーブに曲げてゆくのです。

曲げている途中でカーブの内側を見たところです。
パイプに、台のカドに当てた部分の傷が見えますね。
こんな感じで少しづつ位置をズラしながら望みの角度まで曲げてゆきます。

90度まで曲げて見ました。
台に当てた部分の小さい傷が出来ていますが、全体にきれいなカーブで曲がっています。
ちなみに、カーブ(アール)を小さくしたい時はパイプをズラす間隔(ピッチ)を狭く、大きなカーブにしたい時は間隔を広くすれば良いです。

曲げ終わったパイプを別の角度から見たところです。くぼみもなくきれいに曲がりました。

なお、この方法でもパイプの硬さによって加える力加減が違ってきますので、ある程度の慣れが必要です。

どうでしょう、指先では小さくきれいに曲がらない硬いパイプを曲げる場合のひとつの方法として参考にして頂ければと思います。