パプリカ3 箱開け(2)

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OK模型の2mクラスモーターグライダー「パプリカ3」の箱開けキットレビュー、2回目はグライダーの命ともいうべき主翼と、尾翼をご紹介します。

 

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3段上反角の主翼を構成するパネルは5枚です。右前の白い大きなパネルが中央翼、左の赤いパネルが外翼、楕円形の小さなパーツは翼端板で外翼に接着します。
組み立て後は中央翼と外翼が外れて3分割出来ます。先代パプリカ2が中央で2分割式だったのと比べると、運搬時は非常にコンパクトになった感じがします。

カラーリングは上面、下面(裏、表)ともに中央翼が白、外翼が赤になっています。

 

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まず中央翼をご覧いただきます。

左右一体になっていますので胴体には2本のネジで取り付けます。

 

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薄型翼を採用した中央翼にはフラップが取付済みです。写真のようにテープヒンジで下面を止めてありますので、フラップを下に大きく下げることが出来ます。

写真では判りませんがフラップリンケージは主翼上面を貫通してホーンに連結する方法です。これだと着陸時に地面にホーンが当たるなどして壊れる事が少なくなりますね。

 

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外翼は前縁が曲線を描いた独特の形です。白い翼端版は外翼に接着します。

飛行時はカーボンカンザシで中央翼と外翼をつなぐ方式です。

 

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外翼はOK模型製の軽量Eライトフィルムで被覆されています。
少し判りづらいですがエルロンのヒンジは翼上面側のテープヒンジです。
写真は下面側で、エルロンサーボを取り付けるハッチ穴が透けて見えます。
この部分のフィルムを切り取ってウイングサーボを取り付けます。

 

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尾翼は開き角度98度のVテールです。
写真の上が裏面、下が上面で両面赤色です。
上面側の中央補強材を接着する部分のフィルムは前もってカットしてありますから、工作時の手間も省けますし、翼の裏表を間違える事もないでしょう。

 

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尾翼のヒンジは上面側のテープヒンジです。写真は裏面を見たところです。
主翼の外翼同様、E-ライトフィルムで仕上げてありますので軽量化のための丸穴やコントロールホーン取付用の横長の溝が透けて見えますね。

 

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セットには胴体、主尾翼関係の主要パーツの他、日本語組立説明書、リンケージパーツ一式、ベニヤ製サーボベッド、ステッカーなどが含まれています。ですから、これまでご覧いただいたように本機は部品点数も少なく、当然工作個所も少ないので組立は簡単な部類に入ります。
これで競技会クラスの高性能機が出来上がるのですから嬉しい限りです。

前モデルであるパプリカ2に比べて主翼面積が同じで重量が1150gから880gに軽量化されたパプリカ3をぜひ飛ばされては如何でしょうか。

 

パプリカ3 箱開け(1)

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桜の開花宣言もちらほらと聞かれるようになり、春本番、まさにフライトシーズンに突入というこの頃です。
こちらの桜は当店の近く(大阪府東大阪市)の桜並木で今日2輪だけ咲いていた貴重な?桜です。

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さて、こんな時期こそ暖かい風に乗って大空を静かに滑空するグライダーを楽しんでみたいと思うのは私だけではないと思います。
そこで、今回はOK模型から最近発売されたパプリカ3の箱を開けてキットの中身をご紹介させていただきます。

機体の概略ですが、2mクラスグライダーの定番ともいうべきパプリカシリーズ3代目「パプリカ3」ですが、今回の「3」の最大の特徴は軽量化だそうです。
前モデルのパプリカ2と翼幅、主翼面積はそのままで、全備重量が1150gから880gと300g近く軽量化が図られています。
これは機体の軽量化→モーターの小型化、省電力→リポの小型化→全体の更なる軽量化、という良い循環のなせる業で、車でいえば今ハヤリのダウンサイジングという事になりますね。
もちろん主翼翼型や平面型の見直しで空力面の向上も見逃せ無いポイントです。
そのあたりを順を追って見てゆきましょう。

 

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全体は、いつものOK模型標準とでもいうべきもので、フィルム貼り完成済みの主尾翼、グラスファイバーのポッドとカーボンテーパーパイプを組み合わせた胴体、それにリンケージパーツ一式と日本語組立説明書、カラーステッカーと、シンプルな構成です。

上の写真はパワーユニットが同梱されていない「パプリカ3 ベーシック」ですが、これに推奨モーターと折ペラのセットが付属した「パプリカ3 DX」も発売中です。

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胴体はこのようになっています。
グラスファイバー製の胴体ポッドにカーボンテールパイプの組み合わせはOK模型の最近のグライダーの標準パターンですが、先代パプリカ2と大きく異なるのは、テールパイプがポッドに工場で接着済みという事です。
空力が命のグライダーにとって、主尾翼の取付角度を設計通りにする事が高性能を発揮するポイントであるのは皆さんご承知のとおりです。
ところが、パプリカのように胴体が前後2つに分かれている形式ではパイプの取付(接着)角度が狂っていると尾翼の取付角がかわってしまうので、性能が充分に発揮できないという事になります。

もちろん、ポッドとパイプが別パーツになっていた先代パプリカ2には組立治具が入っていましたので正確に工作が出来たのですが、「3」ではその部分の工作がまったく不要になったのが、大変嬉しいところです。

 

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キャノピーを取り外すと、メカ室が大きく口を開けます。後方の主翼下のスペースと併せると結構広いので、重心位置さえ合えばかなりメカの搭載の自由度は巾広いようです。

 

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こちらはカーボン製テールパイプの後端付近です。
Vテールのリンケージパイプ用の穴がきれいに開けられています。
ここも、ドリルやヤスリで開けるとなると、割れやすく気を遣うところですので、ここまで仕上げてあると大いに助かりますよね。

 

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こちらは推奨パワーユニットで、パプリカ3 DXに同梱されているものです。
モーターは新しいTahmazo ER-221912dで直径38mmのアルミターボスピンナー10×6折ペラの組み合わせです。
この組み合わせ、メーカーさんのデータではリポ3セルで 1,350g の静止推力を発揮するそうですから、880gのこの機体には十分すぎるパワーがあるという事ですね。

次回はグライダーの命ともいうべき主尾翼を中心に見てゆくことにします。

最後にお知らせです。
今回ご紹介しています「パプリカ3 DX」のメカ搭載済み完全完成機をトップモデルオリジナルとして発売中です。パプリカ3を飛ばして見たいが、組み立てる時間が無くて・・・・とおっしゃるかたは是非一度ご検討下さい。

アイランドブリーズ箱開け(番外編)

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これまで3回にわたってセットの中身を見てきたOK模型のアイランドブリーズ
すらりと伸びた楕円形の主翼にフラップを装備したマイルドな飛行性能で、どちらかというと低翼入門者やのんびりフライトがお好みの中級フライヤーがターゲットかと思われます。

ところが、その優しい飛行性能が組立にもそのまま通用するかというとどうもそうではないんですね。
数多く機体を作った方ならともかく、初めてガソリンエンジンを使われるかたや初めてフラップ付の機体を組み立てる、というようなかたには戸惑われる部分もあるかと思います。

そのような方のお役に立てばということで、今回はいくつかのポイントを説明させていただく事にします。

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まずはエンジンまわりです。

これはガソリンエンジンに限った事ではないのですが、写真のようにエンジンのスロットルアームと防火壁(第一胴枠)が近い場合、スロットル(エンコン)プッシュロッドをUターンさせないとロッドの動きがしぶくなってしまいます。
この部分の工作ですが、ループプライヤーを使うときれいにU字型に曲げることが出来ます。ちょっとしたことですが、きっちりと仕上げたリンケージはいつ見ても気持ちがいいものです。

また、FG11のスロットルのストロークですが、アイドルはかなり開いていないと安定してアイドルしません。
それにFG-11の下半分の反応は良くないのでエキスポをかける必要もあるみたいです。

なお、FG-11の排気管は、少し曲がっているのでこれは後ろ向けずに外へ向くように固定します。
こうすれば、カウリングを被せた後、マフラーが取り付け可能になります。

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ところで、ガソリンエンジンにはグローエンジンにない装置が必要になります。

その一番手がエンジンのプラグに火花を飛ばすイグニッションユニットで、これは写真のようにタンクの前、第一胴枠の後側に写真の様に取り付けます。

燃料タンクは、薄いスポンジを敷いてベルクロで固定、その時にオンボードタコメーター用のコネクタ(イグニッションユニットから出ています)も止めておきます。
このタコメーター、機体に取り付けたままにするのでなく、エンジンを調整する時だけキャノピーを開けてこのコネクタに挿してエンジンの回転数をチェック、飛行時には取り外しておくという使い方を店主はしています。

次にリモートキルスイッチ、これもガソリンエンジン特有のもので、送信機の操作でイグニッションユニットの電源をON/OFFするものです。機体に手動のスイッチを取り付ける方もおられますが、飛行終了時や緊急時に送信機の操作一つで即座にエンジンを止めることが出来るスグレモノです。
安全のためにもぜひ装備したいもののひとつだと思います。

また、タンクの配管は3本配管で給油用のチューブは写真のような位置に配置します。
こうすることで、ガソリンの給油はキャノピーを開けて行い、飛行時には給油パイプを胴体の中にしまっておくことが出来るので、外に余分なパイプが露出せずスマートですね。

 

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受信機バッテリーとイグニッションバッテリーは共用にしています。店主は2.4GHz帯のプロポ装置を使っていますが、これで問題なく使えています。

使用するバッテリーはリポ3セル(11.1V)、1000mAhのタマゾー受信機用リポバッテリーLP-3S1000RIG。これをカンザシとタンクの間に立てて搭載しています。こうすると場所を取らずに良いですよ。

更に、リポバッテリーはレギュレーターSVR3-6Vを使って出力電圧を6Vにしています。
この写真では見にくいですが燃料タンクの横の側板にとりつけてあります。

イグニッションユニットは受信機の空きチャンネルからリモートキルスイッチを介して電源を取ります。

受信機はサーボの前に斜めにマウントを作って縛っています。こうすることで、受信機から延長コードを出さずにエルロン、フラップのサーボコードを直接受信機に挿す事が出来ます。

使用する受信機ですが、フル装備だと最低8チャンネルの受信機が必要になります。
内訳はエルロンx2、フラップx2、ラダー、エレベーター、スロットル、リモートキルスイッチです。

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アイランドブリーズの組立の中で、戸惑う人が多いのはエルロンとフラップのリンケージではないかと思います。
写真は主翼裏面(下面)のサーボ搭載部分を見たところです。
ピアノ線のプッシュロッドが主翼の上面を貫通してコントロールと繋がることになります。

前々回、2月1日の当ブログで図面を使って説明しましたように、下から上に主翼を貫通するリンケージ方式になっています。
ここで使うサーボはタマゾーTS-D1022MGが指定されており、それ用のマウントがキットに付属しています。

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最後にこの写真ですが、プッシュロッドガイドホルダーはこんな感じでサーボベッドに接着します。
セットに付属している組立説明書の図では少し判りずらいと思いますので掲載してみました。

また、オンボードリポメーターは、受信機/イグニッション用電源リポバッテリーの残容量を見るためのものです。
リポバッテリーとレギュレーターを使用した電源システムの場合、受信機/イグニッションにはレギュレーターで調節した6Vの電源が常に供給されます。
ですから今まで通り受信機側で電圧を測定しても変動がほとんど無く、肝心のバッテリーの残容量のチェックが出来ないのです。
そのため電源となるリポバッテリーの電圧を見るオンボードリポメーターが必要になるという訳ですね。

初めてガソリンエンジンに挑戦されるかたもターゲットにしている機体という事で、ガソリンエンジン関係パーツの説明が多くなってしまいましたので、大変そうに思われたかも知れません。
確かに最初は戸惑いがあるかもしれませんが、それでも燃費の良さ、燃料の安さなどガソリンエンジンを使うメリットは大変大きいのではないでしょうか。

間もなく、待ちに待った春のフライトシーズンに入ります。
アイランドブリーズとSAITO FG-11ガソリンエンジンの組み合わせで、静かに、ゆったりと、しかも燃料代を気にすることなく思い存分フライトを楽しんで頂きたいと思います。

アイランドブリーズ箱開け(3)

OK模型「アイランドブリーズ」の箱開け3回目、付属パーツを見ていくことにします。

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まずはメインギア関係ですね。
高価なカーボン製のメインギヤを奢っています。
そしてクラシカルな雰囲気を出すためにホイルスパッツ(タイヤカバー)を装備しています。

 

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カーボンメインギアを拡大してみました。
写真の上が裏面、下が上面です。
アームが直線ではなく、軽く湾曲しているのがお判りになるかと思います。
このメインギアを機体に取り付けると、胴体からまっすぐ生える(?)のではなく、タイヤが少し後方に付く感じになります。
また、写真でわかる通り、軽く下に湾曲し、着陸時の衝撃を緩和する形になっています。

 

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メインギアもさることながら、テールギアも贅沢な作りになっています。
尾輪式のスケール機、それもパイパーカブなどの軽飛行機に多用されているタイプで、右のT字金具をラダーに取り付け、そこからスプリングで尾輪のコントロールホーンに連結して尾輪の向きを左右に動かすタイプです。
このあたりにも、のんびりゆったりとフライトを楽しむ本機のコンセプトが現れていますね。

 

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燃料タンクはガソリン用が同梱されています。基本がSAITO FG-11ガソリンエンジンとなっていますので180ccと小ぶりになっています。燃費の良いガソリンエンジンですからこれでも20分以上のフライトが可能です。
但し、グローエンジンの搭載を考えておられる方はもっと大きなタンクを別にご用意いただく必要がありますね。

スピンナーはOK模型で市販されているABスピンナー63mm白が入っています。これも国産完成機ならではの贅沢ですね。

 

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以上が主な付属パーツです。
あとは写真のようなリンケージパーツ、レーザー加工されたベニヤ製のサーボベッドなどのパーツ、プラスチック成型品のコントロールホーンカバー、そしてカラフルで大きなステッカーが入っています。

随所に国産ならではのこだわりと贅沢なパーツを使用した優雅なスタイルの「アイランドブリーズ」
穏やかな春の一日、ゆったりとした気分でフライトを楽しまれては如何でしょうか。

さて、次回はこのアイランドブリーズの箱開け・番外編として、メカ積みのちょっとしたコツなどをご紹介することにします。
組み立てる場所がほとんど無いARFとはいえ、ちょっとしたことがメカのスムースな動きや見栄えに大きく差が出るものです。
ぜひ目を通していただけたらと思います。

アイランドブリーズ箱開け(2)

 1Wingpanels

 OK模型の10ccクラスガソリン機「アイランドブリーズ」の箱開け2回目は主翼、尾翼周りを見てゆく事にします。

この機体の最大の特徴は、何といっても楕円形ですらりと伸びた美しい主翼にあります。
この楕円翼は美しい反面、曲線、曲面が多いため組み立てやフィルム貼りは難しく頭が痛いところですがは、キットはフィルム貼り完成機ですから、そんな心配はいりません。
主翼の構造は一般的なリブ組にオールバルサプランクになっています。
写真では上が裏面、下がオモテ面です。

 

2R-wing
この機体は見た目のとおり、のんびり、ゆったりとフライトを楽しむ事をイメージして設計されているとのことで、翼幅(スパン)が大きい主翼にはエルロンのほかにフラップも装備されています。

 

3Flap
このフラップは大きく下にさがるのですが、下側(翼裏面)にテープヒンジで取り付けることで大きく無理なく動かせると共に、翼下面に隙間が出来ず、フラップを上げた通常の飛行状態では翼上面との間にも隙間が出来ずスムースに空気が流れるようになっています。
フラップの奧(翼端側)についているエルロンもテープヒンジで同じように取り付けられています。

翼型はスポーツ機という味付けから、半対象になっています。

 

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主翼のヒンジが下面側でテープ止めという事ですが、エルロンとフラップのリンケージも珍しい方式になっています。
組立説明書の一部を借用して説明させていただきますが、図のようにサーボは一般的なエルロン(フラップ)サーボ同様に翼の下面から搭載します。
でもプッシュロッドが主翼上面から出ていますね。初めて見たときにはその構造に少し戸惑いますが、完成機ですから主翼にはこのようなリンケージが出来るように各部の穴が開いていますので(フィルムは切り取る必要がありますが)説明書通りに工作すれば大丈夫だと思います。

5spar
主翼は左右分割式で、カーボンパイプのカンザシを使って胴体の左右に取り付ける方式を採用しています。
もちろん、胴体から取り外すことが出来ますので運搬時などにはコンパクトになります。
ちなみにカーボンカンザシの直径は16mmです。

 

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水平尾翼は左右分割で作られています。
左右をカーボンカンザシで連結するのですが、こちらは胴体に接着してしまいますので、組み上げた後は分解、取り外しできません。
エレベーターはヒンジで取り付ける一般的なスタイルで、写真でおわかりのとおりイージーヒンジが使用されています。

 

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こちらは垂直尾翼です。
ラダーにはチェッカー模様がすでに入っています。反面、垂直安定部分は無地で寂しいように見えますが、セットに入っているハイビスカスの花のステッカーを貼るとずいぶん華やかになるはずです。

 

次回はカーボン製メインギアなどのその他のパーツを見てゆきます。