バニラの箱開けレビュー(1)

バニラ と言えば私はソフトクリームが頭に浮かんでくるんですが、そんな甘く柔らかい雰囲気を感じるARFモーターグライダー「バニラ」をご紹介します。
ご覧のように楕円を基調にしたデザインの外観、グライダーとしてはやや小ぶりでかわいい1580mmの翼が、バニラのイメージを演出するんでしょうかね。

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箱の中身を一堂に集めた写真などはバニラの商品ページをご覧いただくとして、ここでは違った視点で箱の中身をのぞいてゆくことにしましょう。

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まずは箱を開けて一番最初に目に飛び込んでくる特徴的な主翼と尾翼を拝見といきましょう。
シンプルな一段上反角ですらりと伸びた主翼、柔らかく丸みを帯びた平面型に好感が持てます。

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主翼と尾翼を並べてみました。
楕円基調のデザインで優しい雰囲気が出ていますね。
写真の一番上が主翼上面、中段が下面(裏面)になります。

 

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主翼を手にとって見て驚くのが、軽さもさることながらその薄さです。
最大厚みは14.7mmmm、この部分の翼弦は180mmですから、計算すると翼厚は8%になります。
比較に置いた一円玉と比べて見てください。
翼の薄さはもちろん、鋭く尖った後縁にも注目です。ここはグライダーの敵、空気抵抗にかかわる肝心なところで、出来るだけ薄く仕上げないといけないところです。高価なシャーレ翼ならともかく、フィルム貼り仕上げで後縁の厚さをここまで薄くするこだわりに拍手です。

 

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主翼の平面形は空力的に有利な楕円が基調で、外翼の前縁から翼端にかけては直線部分がありません。
尾翼はもっと徹底していて外周すべてがカーブしています。
この薄くてカーブの多い主翼の骨組みを正確に作ってプランク、そしてフィルムを貼って・・・・・・と考えると私にはとても出来そうもありません"(-""-)"
これだけでもARFのバニラを買う価値があるのではないかと考えずにはいられませんでした。

さて、次回は胴体を中心としたパーツをご紹介する予定です。

 

TOPMODELマルチコプター レビュー その(1)

皆さんすでにご存じかと思いますが、先日から当店ではTOPMODELオリジナルマルチコプターの取り扱いを開始しています。

最初の製品は向かい合うアームの端から端までの寸法が450mmのクワッドコプターです。

4本アームのFourと450mmを組み合わせてF450という名前にしてあります。

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セットに入っている主なパーツはこれからご覧いただくように僅かな点数ですから、ハンダ付けも含めて数時間あれば形は出来上がってしまいます。

まずはメインとなるフレームのパーツです。2枚のプリント基板と4本のアーム、そして取付ネジ、これだけで構成されています。

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別売のカメラジンバルなどを取り付ける際に必要となる外付けの脚も入っています。

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モーター、アンプ、カーボンペラなどの動力関連パーツ。4組入っています。

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マルチコプターの心臓ともいえるコントローラー。基本機能に絞り込んだ分、パソコンを使わずシンプルに設定出来ます。大きさは横43mm、縦30mmです。

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どうです?ヘリや飛行機のキットと比べると格段にパーツ数が少ないですよね。

 このモデルは、とにかくシンプルに、かつ導入コストを低く押えてに、手っ取り早くマルチコプターのフライトを経験してみたいというかた、特にラジコンヘリや飛行機の経験があるモデラー向けの製品です。

動画撮影などを前提にした高価で高度な機能を持ったモデルとは異なり、GPSや高度センサーも装備していませんので、操縦はマニュアルで行います。ですからワンタッチで離陸地点に帰投するゴーホーム機能などはありませんが、その分設定はシンプルで、パソコン等を使う必要はありません。

とにかく自分の体でマルチコプターの基本的な操縦技術や理屈をマスターしたい、という方にぴったりのモデルです。

当店ではスペアパーツはもちろん、カメラを搭載するジンバルも取り揃えていますので練習を重ねて動画撮影なども行っていただけます。また、機体や動力はそのままで、コントローラーだけをGPSなど高度な機能がついたものに取り替えることも可能です。

個々のパーツについては、次回以降もう少し詳しくご紹介していきますのでお付き合いくださいね。

オリンピア 胴体を見る(2)

前回、グライダー大会観戦記でお休みしましたが、再びオリンピア箱開けシリーズに戻ります。

初めてバルサキットに挑戦するモデラーのための飛行機という事で、設計者の気遣いやこだわりをあちこちに見る事が出来るオリンピアですが、今回は胴体のプランク(板張り)について見てみましょう。

(その1)で見た通り、胴体はほぼ完成しているのですが、胴体の上面と下面にベニヤ板やバルサ板のプランク板を貼る作業が残っています。

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プランク作業で注意することは、胴 体に貼るバルサのプランク材は加わる力の向きの関係で木目を胴体の縦方向(進む方向)に対して横方向にしなければならないんです。一枚の長い板をべったりと貼るのでなく、一枚一枚を貼る場所の胴体の幅に合わせてカットしなければならないんですね。当然オリンピアのレーザーカット部品もそのように一枚づつ幅が変わっているんですが、ここから先に一工夫があります。

 

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こ れがレーザーカットされたオリンピアのプランク板です。当然のことながら、それぞれのパーツの幅が違っていますよね。そして、よく見ると、前後の端が直線でなくジグソーパズルのように異なった形に レーザーカットされているのがお判りでしょうか。この形を合わせながら板を貼ってゆくことで、貼る順番を間違わずしかも歪まずにきっちりと貼ること が出来るんですね。

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組立説明書はこんな具合です。ここで、よく見ると上面のジグソーパズルの線は直線の組み合わせで、下面の組み合わせは曲線の組み合わせになっていますよね。

 

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実物はこんな具合です。手前が直線で上面用、奥が曲線で下面用です。こうすることで、同じ幅の所でも上下を間違えたり上か下か考える必要が無くなるはずです。
ちょっとした気配りというか、設計者の遊び心が感じられるところですね。

胴体からは外れますが、同じプランクということで主翼中央部分はどうなっているかというと・・・

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一枚づつ合わせ目の切り欠きの形を変えてありますね。これなら前後を間違えることなく作業が出来ます。それと細かいことですが、左右のプランクの突合せ面、一見直線のように見えますが実はここは翼の上面のカーブと上反角の加減で微妙にカーブを描いた形になります。ここをピッタリと合うように削るのはベテランモデラーでも苦労するところなんですが、オリンピアの場合はそのような形に初めからレーザーカットされていますので、多分ほとんどの方は気づかずに作業を終わられると思います。なかなか奥が深いですね。

 

と いう事で、4回にわたって「半生地完成キット」というあまり聞きなれないパターンの機体「オリンピアの中身を見てきました。箱を開けてざっと見ただけで も、正確に組まなければならない箇所や組立が難しい部分、そして不慣れな方が間違えやすいところがすでに出来上がっており、残った部分もこれまでのキットになかった工夫がされていますので、初めてバルサキットに取 り組まれる方にはうってつけの機体が現れたとの印象を受けました。
また、メーカーからはこのオリンピア専用のフィルムセットも発売されましたので、そちらもどんなものか近いうちにレビューを掲載したいと思っています。

 

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さて、次回はトップモデルが販売を開始したマルチコプター「TOP MODEL F450」をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

 

オリンピア 胴体を見る(1)

半生地完成キット・オリンピアのキットレビュー、今回は胴体を見る、その1です。

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写真のように左右の側板の間に胴体の骨組みともいえる胴枠やサーボトレーなどが組み込んで接着されており、胴体としての基本的な形が出来上がっています。(写真に見える黄色いテープは後で接着する機首上面と下面のパーツを仮止めしてあるものです)
この胴体が歪んでいると、出来上がった飛行機がまともに飛ばないという事になりかねませんので正確に組み立てるのが肝心なんです。

また、一番前の胴枠(防火壁)には微妙に角度が付いていますので、そのあたりも間違わずに組み上げる必要がある、など結構気を遣う部分が多いんです。

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これは胴体を上から見たところですが、このようにたくさんの胴枠や板材を間に挟みながら、しかも単純な長方形の箱でなく前と後ろで絞り込んでありますので、センター(中心線)がまっすぐに鳴るように組み立てるのはベテランでもなかなか至難の業なんですよ。

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裏側を見るとこうなります。
このような形になるまでの工程が肝心なところで、工場でジグを使って正確に組み立て済みである半生地完成機の大きなメリットですね。

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機首部分のクローズアップです。
上面には取り外し式のハッチがつく大きな穴があいています。完成後はここからバッテリーの出し入れをするんですね。

 

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裏返して見みました。
第一胴枠にはメーカー指定のアポロモーターの取付ビス穴が開いているのが良く判ります。
そして断面は真四角、つまりブツ切りですよね。

せっかく直径38mmのスピンナーと一体になったアポロ―モーターを使うんですから、当然機首はそれに合わせて丸い断面にして絞り込んであると思っていたんですが・・・・
で、何で?という事でOK模型の担当さんに尋ねたところ、即座に「フィルムを貼り易くするため。オリンピアはバルサキットに初めて挑戦するかた、そしてフィルム貼りの経験が少ない人向けの飛行機ですから。理由はそれだけです」という単純明快な答えが返ってきました。

なるほどね。確かに丸くて先細になった部分のフィルム貼りって、結構難しいものです。機体を組み立てたあとのフィルム貼りの事まで考えてデザインされているとはね。なかなか奥が深いですね。

今回ははここまで、ということで次回は実際に胴体の工作をするつもりで、もう少し突っ込んでレポートしてみます。まだまだ奥深いうんちくが詰まっているようですから、お楽しみに。

話変わって、トップモデルジャパンでは今話題のマルチコプターの取り扱いを始めました。模型として組み立てからフライトまでを楽しめるキットという事で、あまり費用をかけずにマルチコプターの世界に入ってゆくことが出来ます。まだまだ充実させなければならないと思っていますが、マルチコプターのコーナーをぜひ一度覗いてみてください。

オリンピアの箱を開けてみました

みなさん明けましておめでとうございます。
TOPモデルの所在地、大阪では滅多に無い「雪の正月」を過ごしました。
皆さんはいかがお過ごしでしたか。

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さて、外出もままならない冬の間、春に向けてキットの製作を考えておられるかたも少なくないと思います。このタイミングに、OK模型からちょっとかわった「半生地(はんきじ)完成」と銘打った、キット?とも完成機(ARF)?どちらとも言えるような、言えないようなちょっと珍しいカテゴリーの飛行機オリンピアが新製品として入荷しました。パッケージの完成写真ではいかにも飛ばしやすそうな高翼練習機のようですが、問題はその中身にあるようです。そこで、入荷したての「半生地完成機」を今回から数回に分けてご紹介させて頂きたいと思います。

  これまで当店が取り扱ってきたほとんどの飛行機はフィルム貼りの終わった「ARF完成機」か、主翼や胴体などはリブや側板などのバラバラのパーツ状態で入っている「キット」、に分類されるものでした。
この「キット」をバラバラのパーツの状態から飛行機の形に組み立て、フィルムを貼る直前の状態まで作り上げたのが、いわゆる生地完成機、キジ完というものです。

で、OK模型の言う「半生地完成」オリンピアって何なの?と思っていたんですが、箱を開けてナルホドと納得しました。

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ザッと見たところ、キット初心者の方には致命的なミスなく出来上がる飛行機、慣れた方には手間をかけずに短時間で組みあがる機体だと店主は判断しました。

その訳ですが、ご覧のように主翼は翼の形になっていますが、前縁材(ぜんえんざい)は付いていません。でも肝心なところは組み上げて主翼の形にはなっていますので、キットの組立に不慣れなかたが歪んだ翼を作るというリスクは少なくなりそうです。また店主もその昔、経験しましたが同じ側の主翼を2枚作ってしまう(!)というとんでもないミスはおこりません。(そんな事あった、あったと納得しているあなた、モデラーしてますね!)

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また、胴体もパッと見ると出来上がっているように見えますが、よく見ると左右の側板(そくはん)に胴枠が付いているだけで上下のプランク(板貼り)が済んでいません。

  なるほど、これが「半生地完成」とメーカーが名付けた理由なんだな、これは面白い(ちょっと変わった)飛行機だなと店主は納得しましたが、キット未経験の皆さんにはイマイチその訳がお判りにならないと思います。

そこで、どういう理由でここまで組んであるのか、その理由やメリットを次回以降でこのキット、いや半生地完成機オリンピアの中身を細かく観察し、トップモデルなりに解剖して皆さんにご紹介していこうと思います。

ところで、トップモデル恒例の「選べるお年玉プレゼント」、お陰様で多くのお客様にご利用いただき誠に有難うございました。このキャンペーンも残すところ明日1月7日午前10時までとなっています。お買い物がまだ残っておられる方はお得なこの機会をお見逃しなく。