トップモデルオリジナル ニッカド電池 4.8V 500mAH

皆さんご承知のように、プロポの受信機用電池といえば最近はリフェやリポの2セル直結、すなわち電圧6.6Vから8.4Vで使用するいわゆるハイボルテージの時代になっています。

ここで困るのが従来のニッカド仕様のサーボや受信機をそのままハイボルテージのバッテリーで使用すると壊れてしまうものがあるという事です。以前は「受信機用充電池」とお店で注文すれば黙っていても電圧4.8Vのニッカド4セルパックが手に入ったので何の問題もなかったのですが、ニッカドはプロポメーカーのカタログからも消えてしまっていますし、ニッカド電池に代わるニッケル水素電池も自己放電が多いものが多いという事でお困りの方もたくさんおられると思われます。

今回ご紹介する商品は日本ではほとんど見る事の出来なくなったニッカド電池、それもMADE in JAPANのSANYO製セルを使って(C国ではない)海外のメーカーがパッキングしたトップモデルオリジナル4.8V 500mAHの受信機用電池です。

パッケージのオモテ面?です。今は懐かしいSANYO CADNICAと記載されています。セル全体は透明のシュリンクチューブで覆われており、前後はプラスチック成型のキャップできちんとカバーされています。受信機に接続するコネクタはJRタイプです。もちろんFUTABA製品にも使用できますが、接続の際には極性に注意する必要があります。
N500-800
ご承知の通り、日本国内でSANYO製のニッカドセルはとっくに生産中止になっています。ですから今後同じものが現れる事はまずないと思いますので、大変貴重なものです。
とは言っても使う側になってみれば、かなり前に生産中止となったセルを使ったこの電池パック(もちろん未使用品です)は本当に性能を発揮できるか気になるところですよね。
そこで、当社では輸入前にサンプルを取り寄せて充放電特性をチェック、既定通りの性能を発揮できていることを確認して取扱いを決定したのですが、今回このブログを書くにあたって、再度実際の輸入品の中からサンプルを抜き出して充放電能力のチェックを行いました。

ちょっとパッケージの裏面を見てみますと、品名や規格などが記載されています。
N500-back-800
規格の部分をアップにして見ました。
電圧1.2V、容量500mAh、急速充電は0.75Aで1時間から1.5時間となっていますね。
大きさや重さなどの諸元は商品頁をご覧ください。
Single-800
まず充電テストの結果です。充電器はニッカド全盛期の名器、コンピューター制御のDEL PASO-3000です。リチウムイオン全盛の昨今、久しぶりの出番です。

一旦完全放電したものを0.8Aで急速充電した結果です。

Del-Paso3-800

文字が小さくて判りにくいので拡大してご覧ください。
画像処理で付け加えた黄色の線の部分、出力容量(電池から見れば入力容量)が545mAhとあり、500mAh以上充電出来ていることが判ります。

次はこの電池の放電テストをした画面です。
機材はこちらもコンピューター制御のOPTIM ENGINEERING CBA3というバッテリーアナライザー(解析器)で、こちらはリポバッテリーの容量や放電能力のチェックなどに活躍している信頼性のあるものです。
1C放電という事で放電電流は0.5Aに設定しました。

SANYO-N-500AR-4.8V@0.5A

その結果はご覧の通りです。こちらも文字が小さいので拡大してご覧ください。黄色でアンダーラインを引いたところが出力容量で488mAhとなりました。
容量は500mAhでは?との声が出そうですが、回路の抵抗や発熱などもありますので、2%あまりのマイナスはほぼ公称容量どおりという事になるかと思います。

ハイボルテージも良いけれど今までの機器を一斉に入れ替えるのはどうも・・・という方や、レギュレーターのお世話にならずに4.8V機器を使い続けたいという皆さん、ぜひ一度お試しください。1個での販売と併せ、お得な4個入りのセットも販売しています。

 

 


バニラの箱開けレビュー(2)

前回の主尾翼に続いて、今回は胴体周りを中心に見てゆくことにしましょう。

4

5

ご覧のように最近のOK模型製グライダーの標準的な構造、グラスファイバー(FRP)のポッドにカーボンパイプを組み合わせたもので、軽さと、操縦性にも大きく影響する機体剛性を両立させるのに最良の組み合わせです。

ゆっくりと飛ぶイメージのグライダーにはスティックの動きにリニアに反応する操縦性は不要と思われがちですが決してそうではありません。僅かな上昇風の兆しを察知し、素早く捉えて高度を稼ぐ醍醐味を味わうには滑空性能と共に機体を素早くイメージ通りに操れる操縦性も大きな要素になるのです。

7
リンケージ用のサーボベッド、サーボカバー、コントロールホーンなどももちろん同梱されています。

 

6
バニラのDX(デラックス)タイプにはER-221210dブラシレスモーターとアルミ削り出しターボスピンナーのついた10x6折ペラセットが付属しています。

8
このほか、大きなロゴのカラーステッカーも入っていますので、パッケージやカタログに載っているとおりの機体に仕上げることが出来ます。

春の気配も日々強く感じられるようになり、飛行シーズンの到来を告げています。
皆さんもぜひこのバニラを持ってフィールドやスロープに出かけ、静かで気持ちの良いフライトを堪能してください。
Vanilla-Slope

さて、来週は受信機用バッテリーに最適なニッカドバッテリーを取り上げる予定です。


バニラの箱開けレビュー(1)

バニラ と言えば私はソフトクリームが頭に浮かんでくるんですが、そんな甘く柔らかい雰囲気を感じるARFモーターグライダー「バニラ」をご紹介します。
ご覧のように楕円を基調にしたデザインの外観、グライダーとしてはやや小ぶりでかわいい1580mmの翼が、バニラのイメージを演出するんでしょうかね。

Vanilla-flight

 

箱の中身を一堂に集めた写真などはバニラの商品ページをご覧いただくとして、ここでは違った視点で箱の中身をのぞいてゆくことにしましょう。

00

まずは箱を開けて一番最初に目に飛び込んでくる特徴的な主翼と尾翼を拝見といきましょう。
シンプルな一段上反角ですらりと伸びた主翼、柔らかく丸みを帯びた平面型に好感が持てます。

1
主翼と尾翼を並べてみました。
楕円基調のデザインで優しい雰囲気が出ていますね。
写真の一番上が主翼上面、中段が下面(裏面)になります。

 

3
主翼を手にとって見て驚くのが、軽さもさることながらその薄さです。
最大厚みは14.7mmmm、この部分の翼弦は180mmですから、計算すると翼厚は8%になります。
比較に置いた一円玉と比べて見てください。
翼の薄さはもちろん、鋭く尖った後縁にも注目です。ここはグライダーの敵、空気抵抗にかかわる肝心なところで、出来るだけ薄く仕上げないといけないところです。高価なシャーレ翼ならともかく、フィルム貼り仕上げで後縁の厚さをここまで薄くするこだわりに拍手です。

 

2
主翼の平面形は空力的に有利な楕円が基調で、外翼の前縁から翼端にかけては直線部分がありません。
尾翼はもっと徹底していて外周すべてがカーブしています。
この薄くてカーブの多い主翼の骨組みを正確に作ってプランク、そしてフィルムを貼って・・・・・・と考えると私にはとても出来そうもありません"(-""-)"
これだけでもARFのバニラを買う価値があるのではないかと考えずにはいられませんでした。

さて、次回は胴体を中心としたパーツをご紹介する予定です。

 


TOPMODELマルチコプター レビュー その(4)

トップモデルマルチコプターレビューシリーズ、始める前はサラッとキットのご紹介で終わるつもりでしたが、セットの内容をご紹介がてら組立を始めたところあまりに簡単に組み上がってしまったので、とうとうフライトまでご紹介することになってしまいました。

前回は狭い場所で軽くホバリングをして消費電流やフライトコントローラーの動作確認などを行いましたので、いつも飛行機を飛ばしているフィールドに出かけてフライトさせることにしました。
基本的なセッティングは出来ていますので特に問題なくフライト出来ました・・・・・・

03-02-3

 

と、言いたいところですが、そうはいきませんでした。
当日は背景の竹のなびき具合でお判りになるようにかなりの風が吹く、初飛行にはツライ天候になってしまいました。

0302-2

 

同時に飛行させたGPSと高度センサーのついた機体は自分で位置を修正してくれるので比較的落ち着いて飛んでいましたがこちらはそうはいきません。風に流されない様に風上方向に傾けてないと定位置に静止しません。それでも比較的落ち着いた舵の効き具合でしたので何とか姿勢をコントロールし、ラダー、エルロン、エレベーター、それにスロットルの感覚を確認し、短時間ですが無事初飛行は終了しました。

  

 

その後数フライトをこなし、最後にヘリは飛ばした経験があるがマルチコプターは初めて、という方に飛ばしていただきました。最初はスロットルの扱いに少し戸惑われていたようですがすぐに慣れて、強風の中、飛行というかマルチコプター独特の感覚を楽しんでいただきました。

この機体は、何度も繰り返すようですが、手軽にマルチコプターにチャレンジしていただくことを第一にしていますので、複雑なシステムやセンサーは付いていません。ですから機体の製作やセッティングは超簡単ですが、そのかわりパイロットにある程度の飛行技術が要求されます。ですから不慣れな方の初飛行は出来るだけ無風の日を選ぶとか、先輩に助手をしていただく必要があるかと思います。

順序が逆さまになりましたが最後に、飛行前に行うキャリブレーション(誤差の補正)の方法とモーターの運転、停止の様子をご紹介しておきます。

まず、キャリブレーションには2つあります。1つは使用するプロポのニュートラル位置(スロットルは最スロー)を正確に認識させるための「送信機のキャリブレーション」で、その様子を動画でご紹介します。

 

 

もう一つは機体に正しい水平位置を認識させる「センサーキャリブレーション」です。

 

 

次は、飛行させるためにモーターの運転を開始する「アンロック」操作の方法です。

  

 

以上、トップモデルのクワッドコプターF450のご紹介をしてきました。
当社では補修パーツも充分取り揃えてマルチコプター入門者の皆様のお手伝いをさせていただいています。
また、F450はベーシックな「素材」という一面をもっていますので、今後改造をしたりグレードアップを図ったりする様子を後日ご紹介させていただく予定ですので、ご期待ください。

長らくお付き合いいただいたマルチコプターシリーズは一旦おしまいにし、次回はモーターグライダー「バニラ」のキット紹介をさせていただきます。


TOPMODELマルチコプター レビュー その(3)

新しくTOPMODELオリジナル商品の仲間入りをしたマルチコプターF450、セットの概要と特徴などを前2回でレポートしましたので、今回はモーターやプロペラ、スピードコントローラーなどを総合したパワーユニットについて、少し突っ込んでご紹介することにしますね。

0224-0

上はアームに取り付けたパワーユニットの様子です。
左奥が付属のアンプ、手前はモーターで、これに10×4.5のカーボンプロペラが付きます。モーターのスペックは外径28mm、ステーターは直径22mmで長さ12mm、KV値は1200です。このモーターとプロペラの組み合わせでどれくらいのパワーが出るのか皆さんにも興味のあるところでしょう。

 

0224-2-1

実際にフライトさせるテスト機のバッテリーやコントローラー、受信機などはこんな配置にしてみました。
ここで、黄色の矢印の先に注目です。これはJRプロポから発売されている電流計測のテレメトリーセンサーです。今回はこれを使って飛行中の動力系統の電流を計測してみる事にしました。電流値が判ればアンプやバッテリー、モーターなどへの負荷の度合いが判りますし、飛行時間を推定する元データも得ることが出来ます。

 

0224-3

当店テスト機を屋外に持ち出しました。セット付属のコントローラーは、送信機でモーターのロック解除操作をするとアイドリング状態でモーターが回転するようになっています。

 

0224-4-1

この時の電流は1.40Aという事が送信機のディスプレイに表示されました。
もちろん運転状況に応じてこの数値は刻々と変化するのですが、このシステムによってリアルタイムに上空の機体の状態を把握することが出来るできる訳です。
いやー、今更ですが便利な時代になったものですね。
ところでアイドリング時の1.40Aという表示ですが、コントローラーや受信機に流れる電流も含めてシステム全体に流れる電流値です。モーターを回す前は0.5Aと出ていましたので、アイドリング回転時にモーター4基に流れる電流は合計0.9A、1個当たりは約02Aになります。当たり前ですが全く問題ない数値です。

 

13A-1

 さて、スロットルを上げて目の前で停止(ホバリング)させてみました。少し苦労しましたが何とか機体をじっと停止、ホバリング時の電流値は?という事でディスプレイを見ますと13.10Aと表示されていました。モーター1個当たり3.25Aです。1150gの機体が空中で停止しているわけですから、重量に見あう推力が出ていることは間違いありません。それでは、フルパワーにしたときにはどれだけの推力が出るのかって?それはこのシステムでは判りません。
で、次の装置の出番になるわけです。

 

0224-1

これは当店でも取り扱っているTahmazoのスラストメーター、つまり推力計です。
これにF450のモーター、プロペラ、バッテリー、アンプを装着して運転すると、前に進む力、すなわち推力が測定できます。これに電流計とTahmazoレーザータコメーター(回転計)を別に準備してテストをしてみました。

まず、屋外で測定したホバリングの状態、モーター1基あたりの電流3.25Aの時の推力と回転数をチェックします。3.25Aに電流を合わせて運転するのはなかなか至難の業で、結局測定できた値は電流3.0Aで推力275gと出ました。モーター4基換算で12A、推力1100gになる勘定です。何と、ほぼ屋外での実飛行とぴったりの数値が出ました!ちなみにその時のプロペラ回転数は4600回転/分でした。

次に、このユニットをフルパワーで回せばいったいどうなるのか、ということでスロットルをフルハイにしてみました。
室内で回すと結構な風量と音にちょっと腰が引けます。結果は13.3Aで推力780g、4基合わせると53.2A、推力3120gになります。理論上は自分の重量を差し引いた2kgのものを持ちあげることが出来るという値です。当ショップで販売しているカメラジンバルは210g、これにカメラ約80gを搭載しても全く問題ないことは実証されたかたちです。この時の回転数は7720回転/分でした。

今日はずいぶん長くなって申し訳ありませんでした。
次回はコントローラーの調整方法やフライトの様子をお伝えする予定です(空模様と風次第ですが・・・・)。
ぜひお付き合いください。