コネクタ、コード付SVR3-5V2と6V2

受信機用電源を安定して供給することができるTahmazoスイッチングレギュレーターのSVRシリーズは、軽量で信頼性も高いので店主も愛用しているものですが、今回新製品というかマイナーチェンジされたものが2種類登場しました。

0-SVR3&5-800
それが上写真の2製品で、左の赤いシュリンクで包まれているのが3A出力で電圧が6VのSVR3-6V2、右の黒いシュリンクで包まれているのが3A出力で電圧が5VのSVR3-5V2で、品名の最後に「」がついています。

では、最後に「」のついていないこれまでのSVR3-5Vや6Vとはどこが違うのでしょうか。

 

1-SVR3-5V-800
こちらが、品名の最後に「2」がついていない、これまでのSVR3-5Vです。
青い矢印の先が電源用バッテリーを接続する端子です。
ご覧のようにサーボコネクタを直接挿すことが出来る3ピンになっています。
でもコネクタをきちんとSVR本体に固定しないと振動による接触不良などが心配だということで、念のために接続部分にテープを巻いたりシュリンクチューブを被せたりしていたものです。中にはわざわざこのピンにコネクタ付のリード線をハンダ付けしていた方もおられたと聞いています。

 

2-SVR3-5V2-800-2

そこで、これが今回新発売されたSVR3-5V2SVR3-6V2です。
シリコンコードが直接本体に付き、その先にBECコネクタがついています。
BECコネクタは抜けにくく、振動にも強いので、BECコネクタのオスが付いている電源バッテリー(またはスイッチハーネス)があれば、コネクタを繋ぐだけで安心してしっかりとSVRに接続できることになります。
また、BECコネクタをつけることで、極性を間違って接続してSVRを一瞬で壊してしまうという恐れもなくなりますよね。

 

3-SVR3接続図2
ところで、既に発売されているTahmazo の受信機用リポバッテリーRIGシリーズやスイッチハーネス、そしてオンボードリポメーターにはすべてBECコネクタが付いています。
それらを上の図のようにセットで使用すれば、コネクタを繋ぐだけでスイッチング電源システムが簡単に出来上がります。

値段もお手頃で、一番使用頻度の多い3AタイプのSVR3-5V2SVR3-6V2はリード線とコネクタがついたことで随分使い勝手が良くなったと感じました。

さて、ここで当店の夏季休業日に関するお知らせをさせていただきます。
まず、8月11日(山の日)は通常営業を致します。
そして8月13日(土)から17日(水)は休業とさせていただきます。
もちろんこの間もご注文はいつでもお受け致しますが、注文確認メールならびに商品の発送は8月18日からとなります。皆様方にはご不便をお掛け致しますが、どうかよろしくお願い申し上げます。

アイランドブリーズスプラッシュの箱開け(2)

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きれいに水をかき分けて中速でタキシングするアイランドブリーズスプラッシュ(以後スプラッシュと呼ばせていただきます)。
尾部が下がり、水中舵がしっかりと水の中に入っています。
左右にきれいに上がった水しぶきは水上機の爽やかさを演出する最大の要素ですが、フロートの設計を誤るとむやみに水しぶきがあがったりきれいに離着水できなくなってしまう場合もあります。

 

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一方こちらはプレーニング状態のスプラッシュ。
完全にステップだけで高速滑走、水中舵も水から離れ今すぐにでも上空に駆け上がりそうな一瞬です。

OK模型はこれまで数多くの水上機、飛行艇を世に出しており、フロートの大きさ(容積)、底面の形状、ステップの位置と形などに多くののノウハウを持っており、スプラッシュにはそれらがいっぱい詰まっているはずです。

それでは、メーカーホームページでもあまり見ることが出来ないスプラッシュのフロートの詳細を以下の画像でご紹介してゆきましょう。

 

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まずは全体の形を見たところです。
一世を風靡したEZフロートを思わせるスタイルですが、EZ以降に発売した数多くの水上機、飛行艇で得られた多くのノウハウを反映した完全新設計ということです。

ご覧のようにステップの前後の長さの比率が同じでなく、後部がかなり短くなっています。したがってステップより後の容積も少なくなっていまので、水面に静止しているときは後が下がった姿勢です。でもこれは人が乗る実機ではないので水平である必要はなく、それよりもエンジンをふかして加速する時に機首が下を向いてプロペラが水面を叩いてしまうしまうのを防ぐという、模型ならではの工夫だそうです。

 

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裏返したところです。ステップより前の部分は荒い着水に耐える強度(割れにくさ)が要求される部分ですので、底全面に成形プラスチックを貼ってあります。
底は単純な平面でないのが良く判りますね。

 

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先端部のクローズアップ。底面は3次元曲面で滑らかにカーブを描き、いかにもきれいに水をかき分けそうな形状です。
センターライン部はさらに補強板が重ねられています。いくら内部に発泡スチロールが詰まっていて沈没の恐れが無いとはいえ、壊れてしまうのは嫌ですものね。

 

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方向を変えて、フロートの前半部を後ろから見たところです。
先端部の底面がカーブを描いており、後方のステップ部分ではカーブが無くなっているのが良く判りますね。
この曲面から平面につながる滑らかな曲線が一番の特徴で、いかにも水をきれいに切りそうな感じがしますね。
また、この写真では左右のエッジにつけられた「波押え」も良く判ります。

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一方、こちらはプレーニング状態のステップ部分のクローズアップです。このステップの位置、形が離水のしやすさの鍵なんですね。
そのステップは下のようになっています。

 

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ステップは(進行方向に対して)横一直線のブツ切りではなく、前(写真では左方向)に向かって少しV形になっています。
このVは離水時よりも着水時に有効で、接水した瞬間にいきなりペタンと水面に張り付くのではな、くスムースに着水出来るのだそうです。
同時に底面もまっ平らではなく、左右が少し上に上がっています。このV型の底面はステップから後にも続いています。

ここまでの写真でご紹介した複雑な形状のフロート前半部にメーカーのノウハウが詰まっていると思いますね。

 

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最後にこちらは前傾した形が特徴のフロート後端部です。

さて、ご紹介させていただきましたアイランドブリーズスプラッシュ、申し訳ありませんが8月2日現在、当店では品切れ中です。
メーカーに問い合わせたましたところ、あと一週間ほどで次のロットが出るという事です。
入荷次第、当社ホームページトップの「入荷・再入荷情報」欄でご案内させていただきますので、今しばらくお待ち下さいます様、よろしくお願い致します。

 

 

アイランドブリーズスプラッシュの箱開け(1)

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発売が待たれていたOK模型の「アイランドブリーズ スプラッシュ」ですが、先日やっとメーカーから出荷されました。
ところが当店への入荷数(割当数)がごく少数でしたので、ショップに掲載するや、あっという間に売り切れてしまいました。
お待ち頂いていながら手に入らなかったお客様にはお詫びを申し上げます。
メーカーでは増産に励んでいるという事ですので、おいおい入荷してくると思います。申し訳ございませんが今しばらくお待ちください。

さて、今回はそのアイランドブリーズ スプラッシュ(以後「スプラッシュ」と省略)の箱開け紹介をさせていただきます。
今後購入を考えておられる皆さん、ぜひ参考になさってください。

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上写真は以前当ブログでご紹介させていただいた陸上型の「アイランドブリーズ」の構成パーツです。
水上機型のスプラッシュはベースとなるアイランドブリーズのメインギアの代わりにフロートがつく、と考えてよいみたいですので、写真で黄色いバツ印をつけたパーツがスプラッシュでは入っていなくて、かわりに、この後ご紹介するフロートのパーツが入るわけです。

細かいことですが、尾輪にバツ印が入っていないのに気が付かれたかたもおられると思います。でもこれは間違いではありません。さすがに尾輪のタイヤは使いませんが、ラダーと連動して尾輪を動かす仕組み(パーツ)をそのまま水中舵を動かすのに使うようになっているのでそのままなんです。

主翼、胴体などの共通部分については、以前のブログ
アイランドブリーズ箱開け(1)
アイランドブリーズ箱開け(2)
アイランドブリーズ箱開け(3)
アイランドブリーズ箱開け 番外編を見ていただくとして、今回はスプラッシュ独自のパーツを見てゆくことにさせていただきます。

 

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まずフロート本体です。
写真のように完全に出来上がっています。
外皮は少し固めの薄いプラスチックシート?のようで、先端や支柱取付部、ステップなど要所はABSプラスチックの成形品で補強されています。

でも、内部構造が気になりますよね?乱暴な着水でフロートが壊れた時などに浸水して沈んでしまう事は無いんでしょうか。
そこでOK模型さんに尋ねたところ、「内部はほぼフロートと同じ形の発泡スチロールのコアが詰まっています。ですから水の入る空間がほとんど無く、沈没する恐れは無いですよ」とのお返事をいただきました。

 

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こちらはフロート支柱です。支柱と言ってもピアノ線ではなく、捩れや曲げに強いジュラルミン製の板で、胴体とフロートにはタッピングビスで固定します。

 

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このほか、後部胴体に取り付けるフィンがあります。陸上機にフロートを付けて水上機にするとどうしても直進性が悪くなりますので、その対策としてほとんどの水上機(実機でも)はフィンをつけたり垂直尾翼を大きくしています。本機のフィンも同様の目的で、後部胴体の下面にタッピングビスで取り付けるようになっています。

その右のカーボン支柱は、左右のフロートを繋ぐもので滑走中や飛行中にフロートがバタつくのを防ぎます。

水中舵は最初に少し触れましたが、尾輪を動かすリンケージを利用してラダーと連動する様になっています。

 

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これは機体に貼るステッカーです。陸上型と同じものに「Splash」のロゴが追加されています。
どこに張っても良いですが、メーカーデモ機はフィンに貼っていますね。

 

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ここまでスプラッシュのフロート関係パーツをザッと紹介させていただきました。

次回は水上機の命とも言えるフロート本体について、気になるポイントである接水面やステップの形状などをご紹介させていただきます。

 

ヒンジテープの使い方(2)

前回のおさらいですが、固定翼と動翼の継ぎ目を「ヒンジライン」と言います。

写真はラベンダーの尾翼部分で、黄色の点線で強調したラインがヒンジラインになります。
ラダーやエレベーターはこのラインを支点にして動くわけでが、今回はどのようにして「PILOTヒンジテープ」でこの部分を作るのかを説明させていただきます。

HingeLine2

2hinge1-800
上図はエルロンを装備した主翼(右翼)で、動翼はエルロン、ヒンジラインはテープAとして赤で示した部分になります。
ここにヒンジテープを使ってヒンジを作るわけです。

まず、固定翼(主翼本体)に動翼(エルロン)をマスキングテープなどを使って仮止めします。
仮止めと言っても適当に止めるのでなく、きちっと正規のニュートラル位置に止めるのは言うまでもありません。
この時、ヒンジライン沿いのエルロンと固定翼の間には、上の断面図のように少し隙間を開けておきます。
ここが重要なポイントです。
「少し隙間を」ってどれくらい?とお思いでしょうが、中小型グライダーなら0.7mmから1mm以下というところですね。

動翼を仮に固定したなら、、動翼と固定翼の継ぎ目、平面図の赤線部分(上面ヒンジライン)の端から端までテープAを貼ります。
テープAはきっちり端まで貼らないとフラッターの原因になりますので気をつけて下さい。

3hinge2-800
次に翼下面にテープB(青色で表示)を貼ります。テープBはヒンジライン全体に貼るのではなく、長さ20~30mmに切ったものを使います。
貼る枚数は動翼の巾(ヒンジラインの長さ)によって決めてください。

テープBの貼り方ですが、まず動翼を断面図のように固定翼の上に折り返します。
折り返した時、図のように浮かせるのではなく、ペタンと固定翼の上に重ねてください。

次に 折り返した面の上から(図では右側から)長さ20~30mmに切ったテープBを貼ります。
テープBは最初に動翼の両端2カ所を貼り、その後で間に数カ所貼ります。
動翼と固定翼のヒンジライン部分には隙間を開けていますので、この隙間部分でテープAとBがくっつき、ヒンジになる訳です。

テープBを貼る間隔、枚数は動翼の大きさにより変わりますが、ピンヒンジイージーヒンジなどの通常タイプのヒンジを取り付ける個数と同じぐらいで良いと思いますので、7~10cm間隔というところでしょうかね。

4hinge3-800
テープBを貼り終ったらこんな感じになります。
これで作業は終わりです。

 

5hinge4-800
最後に動翼をくるりと元に戻せば完成です。

文章で表すと結構難しそうですが、案外うまく行くものです。
中小型グライダーの製作に欠かす事の出来ないこのテクニック、ぜひ身につけて下さい。

ヒンジテープの使い方(1)

Lavender800
いきなりタイトルと関係がないようなOK模型の小型グライダーバルサキット「ラベンダー」が登場しましたが、今回のタイトルにおおいに関係があるんです。

 

Tail800
そのラベンダーの尾翼周り、水平尾翼と垂直尾翼です。
垂直尾翼にラダーが、水平尾翼にエレベーターがついているのはごく普通のレイアウトですが、この方向から見ると固定翼と動翼の間に隙間が無いのがお判りになりますか。
ラダーと垂直尾翼の間は少し判りづらいですが、水平尾翼とエレベーターとの境界(ヒンジライン)はのっぺりと平らになっているのが判りますね。
それでは、一体どうしてこんな風になるんでしょうか?

 

Tail2-800
方向を変えて垂直尾翼とラダー部分の境界を斜め上から見たところです。
黄色い丸で囲んだ部分を良く見てください。写真の上側(機体の右舷側)には隙間が無く、手前側(機体の左舷側)には隙間が空いているのがお判りになるかと思います。

V-fin800
上写真の黄色い丸で囲った部分を真上から見た断面図はこのようになります。
垂直尾翼とラダーを繋ぐヒンジに「テープ」を使用しています。
この、ヒンジにテープを使っているのが、ヒンジラインの片面がのっぺりと平らになっている理由なんです。

前置きがずいぶん長くなりましたが、ここでやっと題名のヒンジとテープという言葉が出てきましたね。

上の写真や図にあるように、垂直尾翼とラダーの間は片面に隙間が無く、反対側(画面では下側)には切り欠きが出来ます。
ラダーはこの分だけ(図の)下に動くことが出来ます。反対方向の上には当たるものがありませんので問題なく可動出来ます。
これで舵として機能できる訳ですね。

図のように固定翼(垂直尾翼や水平尾翼)と可動翼(ラダーやエレベーター)をテープで繋ぐ仕組みを「テープヒンジ」と言います。
「ヒンジテープ」を使って「テープヒンジ」を作る・・・・・ややこしいですね。
でもこれは中小型グライダーによく使われる手法で、特にラベンダーのように厚さ3mmという薄い尾翼の機体には最適の方法なんですよ。

 

Tape1
で、これが「テープヒンジ」の材料となるOK模型製の「ヒンジテープ」、もちろん当店で取り扱っています。

 

Tape2
一見すると身近にあるセロハンテープやビニールテープのようですが、実は全く違うものです。

ヒンジとして使うには、簡単に裂けない、特にヒンジライン方向(テープの長さ方向)に裂けない事が大事です。ヒンジライン方向に裂けてしまうという事は、固定翼と動翼が分裂してしまうという事で、あってはならない事ですよね。
次に接着力が強い事。理由は言わなくてもお判りですね。
その上に、厚さはできるだけ薄く、でも強度があること。それでもって伸縮しない事。僅かな伸びは必要ですが、ビニールテープのように力がかかった時に伸びてしまうようでは困ります。
更に水に強い事。セロファンテープのように水がかかるとふやけたり剥がれたりするのでは安心して飛行機を飛ばすことが出来ませんからね。

このようにたくさんの条件をクリアーした特殊なテープがヒンジテープとして使えるものなんです。

次回はヒンジテープを使ってヒンジ部分を工作する方法を説明させていただくことにします。