超簡単!ピアノ線のZ曲げ

本日のお題はピアノ線の先端をクランク状に曲げる、いわゆるZ曲げの方法です。
ピアノ線を使ったリンケージは、当店でもおなじみのOK模型製グライダーにもよく使われていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

写真はTahmazo製の小型サーボTS-1014とホーンに取り付けたZ曲げを施したピアノ線です。

ピアノ線をホーンから取り外し、この後の説明のためにピアノ線の先端をA,最初の曲り部分をB、次の曲り部分をCと名付けておきます。

ここで先程のTS-1014サーボのホーン部分を真横からクローズアップして見ました。
計測したところ、このサーボのホーンは厚みが1.8mmですからB点とC点の距離は2mm程度に仕上げなければなりません。B点とC点の距離が空きすぎるとリンケージのアソビが多くなって小さな舵が効きにくくなり、思うようにコントロールが出来ないという事にもなります。

ところで、Z曲げといえば専用の工具もあるのですが、今回はそのような工具を使わず、ペンチだけでB-C間の距離が短いZ曲げが簡単、正確に出来る方法を説明します。

まずピアノ線の先端を直角に曲げます。A-B間の距離は3-4mmくらい(適当に)で良いでしょう。
ここまでは普通です。

さて、これからが今日のメインとなるところです。
普通なら次はC点でピアノ線をエイッとA点と逆の方向に曲げるのですが、B-C間の距離が僅か2㎜しかありませんから、この寸法では先細のラジオペンチを使ってもなかなかうまく直角に曲げることは困難です。

そこでアイデアです。
まずペンチの先でA、B、C点を挟みます。
特にB点からC点の距離は、サーボホーンの厚みに極力近づけてください。この位置(B-C間の距離)次第でホーンのアソビ、言い換えるとガタの大小が決まってしまいます。

ペンチでA、B、C点をしっかり挟んだならピアノ線の長い方を、C点を中心に青矢印の方向に(写真では手前に)90度曲げます。

ここがポイントです。
C点でピアノ線を横向きに90度曲げるのです!

そうすると、こんな形になります。
このままではちょっとZ曲げには見えないですが・・・・・

A-B部分をペンチで挟んで(必要に応じてもう一つのペンチでC点と手前のピアノ線を挟んで)A-B部分を青矢印の方向に倒せば(曲げれば)・・・・・

ご覧の通りZ曲げが完成です。

一連の作業をまとめて見ました。

写真を使った説明では今一つ判りにくいかもしれませんが、半端に残った細めのピアノ線か針金で練習してみてください。
要領が呑み込めれば案外簡単ですよ。

この方法を使えば、サーボホーンの厚みにぴったりと合ったZ曲げが出来ますので、ぜひマスターしておいてください。


テールパイプの取付ノウハウ

最近のOK模型のグライダーの胴体は、スケールモデルを除くと、FRPの胴体ポッドにテーパーカーボンパイプを組み合わせたタイプが多くなっています。
これはグライダーの性能アップに欠かせない軽量化と、サーマルを探すのに欠かせない良好な操縦性を得るのに最適な構造なんですね。

ところで、この胴体ポッドには主翼が付き、カーボンパイプの後端には尾翼が付きます。

このポッドとパイプが工場で接合済みの機体は良いのですが、中にはユーザーが接合しなければならない機体があります。
PILOT シラントロ2mアンジェリカオレガノ2などがあります。
これらの機体の場合、ポッドとテールパイプの取付が正確に指定通りに出来ていないと、結果として主翼と尾翼の取付角度が狂ってしまい、それが原因で空気抵抗の増加を招き、グライダーとしては致命的なマイナスとなってしまいます。
もちろん、設計者が意図した性能が出ないばかりか、操縦性にも悪い影響が出てくることは間違いないでしょう。

今回はその胴体ポッドとテーパーカーボンパイプの取り付けについて、PILOTアンジェリカを例にとってポイントを説明させて頂く事にします。

こちらがセットに入っている状態の胴体ポッドとテールパイプです。
オレンジ色のポッドの後端にカーボンパイプを被せて差し込むわけです。

ところが、ポッドは手作業で製作されていますので1個ずつ微妙に形というか太さなどが違っており、差し込んだ時にそのままでは正しい角度にうまく嵌まらないことがあります。
そんな場合は、とりあえず仮組をして各部のアラインメント(取付角度)を確認、修正する必要があります。

こちらは、アンジェリカの組立説明書中の説明図です。
最初にも触れましたが、この工程、ポッドとテールパイプの接合は主翼と尾翼の取付角度を決める大切な部分になります。出来上がった機体の性能を左右すると言っても過言ではない部分です。

まず、仮組をして組み立て説明書に書いてあるとおり、セットに入っている治具を使って側面から見た時の角度を合わせます。
合わせると言っても、平らな定盤のうえにパーツと治具をおいて、上図の上向き黒矢印の3点が定盤にぴったりと付いているか確認します。

この時、写真のように治具や胴体の後端が定盤から浮く様な場合は修正が必要です。

そんな時は、サンドペーパーなどでポッドを少しづつ削っては仮組をする作業を繰り返します。

最終的に、治具、胴体ポッド下面、テールパイプ後端の3点が定盤に無理なくぴったりとくっつくようになればOKです。

OKとなればポッドとパイプをエポキシ接着剤で接着、硬化するまで正しい位置をキープしておきます。
なお、エポキシ接着剤にはスーパーマイクロバルーンを混ぜておくと、軽量化と強度の増加をする事が出来ます。

以上が胴体ポッドとテールパイプの組み立て上の注意と修正方法です。
最初に説明しましたが、この部分の工作はグライダーの性能を左右する大切なポイントですので、じっくり時間をかけて作業して下さい


アルミパイプを曲げる

本日のお題は、当店でよくあるお問い合わせの一つです。

それは、燃料タンクについてくるアルミパイプ、材質が硬いものや柔らかいものいろいろとありますが、それを曲げようとしたものの、ちょっと力加減を誤ると写真のようにパイプが凹んで潰れてしまったという経験を皆さんお持ちではないでしょうか。

特に材質が硬い場合は指先だけで思うようなカーブに曲げる事が大変で、特に比較的小さな直径でパイプをきれいに曲げるのはなかなか難しいものです。

そこで、今回は材質が比較的硬い方に属する、PILOT製燃料タンクに使われているアルミパイプを例にとって、店主流の曲げ方の説明をさせて頂きます。

上写真はPILOT ガソリン用タンクキャップセットですが、PILOT製の各種燃料タンクに付属しているタンクキャップも同様のパーツ構成になっています。

それでは作業に取り掛かりましょう。
まず、硬い材質で、角が立っている台を用意して下さい。
パイプと台の硬さの加減ですが、パイプの硬さに負けるような柔らかい木の台では小さなカーブに曲げることは難しいですね。
写真は(年季が入っていますが)鉄製の小型バイスで、黄色い点線で示した部分のカドを使います。

次に、このカドにパイプを押し当て、少しだけ曲げます。
このように硬いカドを利用する事で、パイプをつぶさないようにする微妙な力加減が出来るんです。

うまく曲げるコツですが、一回の動作で少しだけ曲げ、次に位置をほんの少し移動して(気持ち的には0.5mm以下で)その位置で少し曲げます。それを何度も繰り返して、カーブに曲げてゆくのです。

曲げている途中でカーブの内側を見たところです。
パイプに、台のカドに当てた部分の傷が見えますね。
こんな感じで少しづつ位置をズラしながら望みの角度まで曲げてゆきます。

90度まで曲げて見ました。
台に当てた部分の小さい傷が出来ていますが、全体にきれいなカーブで曲がっています。
ちなみに、カーブ(アール)を小さくしたい時はパイプをズラす間隔(ピッチ)を狭く、大きなカーブにしたい時は間隔を広くすれば良いです。

曲げ終わったパイプを別の角度から見たところです。くぼみもなくきれいに曲がりました。

なお、この方法でもパイプの硬さによって加える力加減が違ってきますので、ある程度の慣れが必要です。

どうでしょう、指先では小さくきれいに曲がらない硬いパイプを曲げる場合のひとつの方法として参考にして頂ければと思います。


延長コードコネクターのカラー化

当店の商品ラインアップをご覧になって気づかれたかたも居られる事と思いますが、PILOT製サーボ延長コードにはカラーコネクターを使ったものがあったのですが、今は商品ラインアップが整理されて黒いコネクターのついたものだけになっています。
そのかわりに延長コードの黒いコネクターをカラー化するためのカラーのサーボコネクターハウジングが発売されています。

そこで、今回はPILOT延長コードの黒いコネクターをカラー化する方法をご紹介させて頂きます。

まず、必要なものを並べて見ました。
上からカッターナイフ、これは物を切るのに使うのではなく、コネクターの爪を起こすのに使います。
次はステンレスヘラです。今回はコネクターハウジングをスリーブから取り外すのに使いますが、エポキシ接着剤を混ぜ合わせたり、狭い隙間をこじ開けたりするなど、いろいろ他にも使える便利なものです。
3段目が標準のPILOT延長コード(写真は100mmST)で、4段目がこれから入れ替えるカラーのサーボコネクターハウジング(写真はピンク)です。

参考までに、上が標準のサーボ延長コードで、下がコネクターハウジングをカラー化した延長コードです。

このカラーのコネクターハウジングですが4種類の色のハウジングを組み合わせた緑、赤、クリア、スモークのMACSピンク、オレンジ、ブルー、イエローのPOBYセットのほか、単色セットも8種類ありますので、お好みの色をお選び下さい。

さて、交換の方法ですが、まずサーボコードのオス側コネクターから金属製のコネクターピンを外してみましょう。
その前に、ハウジングには写真のオレンジ枠の中に見えるH.S.の文字が刻印してある面があるという事と、そのマークとコードの色の関係を覚えておいてくださいね。
ハウジングを交換した後で、再組立をする時にコードの位置を間違って組み立ててしまうと受信機やサーボが壊れてしまう事もありますので、ここは要注意です。

コネクターピンの外し方ですが、これは簡単で、ピンが抜けるのを防いでいるストッパーとピンの間にカッターナイフの先端を滑り込ませて爪を少し起こし、その状態でコードを引き抜きます
爪は起こし過ぎると折れてしまったりしますので気を付けてください。また、作業中はカッターの刃で指先を傷つけないよう充分注意して下さいね。

今度はサーボコードのメス側コネクターです。
こちらはコネクターハウジングにスリーブが被さっていますので少々手間がかかります。
と言いますのは、ハウジングは簡単に外れないようにしてあります、というか取れないようにしてあるのです。これを(無理やり?)取り外すのですから道具とコツが必要になるという訳です。

まず、ハウジングの抜けない仕組みはどうなっているのか、上写真の透明ピンクのカラーコネクターハウジングで確認してください。
スリーブの裏(中)に出ている小さなロック用のツメ(突起)がハウジングのミゾ(くぼみ)にはまり込む事で、抜け止めになっています。
ですから、ハウジングをスリーブから抜くには、この突起をハウジングのミゾから出してやれば良いわけですね。

で、実際にどうやるかですが、ハウジングの抜け止めの構造を頭の中でイメージしながら、写真のようにステンレス製ヘラをハウジングとスリーブの間(H.S.の文字が見える側)に差し込みながら、ハウジングとスリーブを引き離すように引っ張ることで外すことが出来ます。
隙間のないところにヘラを差し込むので少し力が必要になりますが、様子を見ながら力加減を調節して行って下さい。

スリーブから外したハウジングは、組み合わさっている金属コネクターの形が違うだけでモノはオス側コネクターと同じものですから、先に外したオス側と同じ要領でピンを抜いてください。
こちらもハウジングにH.S.の文字が刻印してある面とコードの色の関係を覚えておいてくださいね。

両端のコネクタハウジングを抜き去った延長コードです。
左の長いピンのついている方がサーボ延長コードのメス側(ハウジングがついている方)で、右がサーボ延長コードのオス側になります。

ハウジングのH.S.の刻印を目印に、表・裏とコードの色に気を付けてコネクターピンを元通りに差し込んでください。
ピンがハウジングから出ているほうにはスリーブをかぶせます。こちらはサーボ延長コードのメス側になります。

以上で延長コードのコネクターカラー化は完了です。
コネクタの色でチャンネルの識別がしやすくなり、接続間違いも少なくなるカラー化、ぜひ一度トライして下さい。

なお、このサーボコネクターですが、コネクタピンの形がメーカーによって異なりますので、サーボについているコネクタなど、PILOT延長コード以外のものに使用する際は、前もってきちんと入ることは勿論、差し込んだ後で引っ張ってみて抜けない事を確認して使うようにしてくださいね。

ところで、先週もお知らせしましたが当店ブログ「ラジコン飛行機を飛ばしたい!」と連動した、ブログ連動「シークアーサー」キャンペーンですが、終了となる9月4日午前10時まで残すところ4日となってきました。
セール会場では「PILOT シークアーサー」をはじめとして、その製作から飛行に必要なパーツ、送受信機セットからアンプやサーボ、接着剤、工具まで、たくさんの関連商品を特価で提供させて頂いております。
また、10,800円以上お買い上げで送料無料キャンペーンも同時に行っています。
とにかく暑かった今年の夏もようやく収まる気配を見せてきました。
この後に来る澄み切った秋空の下でのソアリングシーズンに備えて必要なものを取り揃えられては如何でしょうか。


ポケットブースターの話題あれこれ(3) 充電方法-part2

厳しかった冬がようやく去ったと思ったらあっという間に桜が満開になった関西地方ですが、皆さんのお住まいの地域は如何でしょうか。
暖かさが増すにつれ、フライトへのテンションがどんどん上がって来ているのではないでしょうか。

さてトップモデルブログ、今回はエンジン始動の必需品ポケットブースター(ポケブー)の充電方法パート2になります。

前回はどちらかというと緊急時にポケブーを充電する方法についての説明でしたが、今回は当店取扱いのiSDT Q6 Plusを使った完全充電方法と、ニッケル水素バッテリーでつぎ足し充電を繰り返すとメモリ効果で電圧が下がるのを回復するのに有効な、放電方法も解説します。

まず、こちらはiSDT Q6 Plusを使ってポケブーの充電をしているところです。
本体の左側のケーブルは充電用の直流電源または充電用親バッテリーに繋ぎます。
右側のケーブルは充電するポケブーに接続していますが、普通のクリップではポケブーに繋ぐことが出来ません。そのために特殊なプラグ形のアダプターが必要になりますが、それについては最後に説明します。

まずは充電方法からです。
充電器に電源および充電するポケブーを繋ぐと「タスク設定」画面になります。
モードを「充電」、バッテリーはOK模型のポケブーに使用されている充電池、容量1900mAHのニッケル水素バッテリーに合わせて「NiMH/Cd」にします。
満充電を検知するΔ(デルタ)ピーク検出電圧は初期設定のまま8mVで良いです。
それと、リポバッテリーの充電では大切な「バッテリーセル数」ですが、この充電器でニッケル水素バッテリーを充電する場合は「自動」でセル数を検出してくれますので設定は不要です。
電流は2Aに設定しています。
スタート位置で下の丸いジョグダイヤルを押すと充電が始まります。

充電がスタートすると画面はオレンジ色にかわり、左に充電電流、右に充電容量(どれだけ入ったか)が大きく表示されます。
この表示、カラフルで大きく見やすいので店主お気に入りです!
ところで、写真では2Aで充電中と表示されていますが、ポケブーのオレンジ色の矢印の先にあるメーターの白い針の位置に注目してください。
針は赤い部分の左端、つまりまったく動いていない時の位置にあります。
前回、前々回で振れましたが「ポケブーのメーターは充電中でも全く振れない」という事がこれで良くわかりますね。

充電が完了した時の画面です。
画面はブルーにかわり、左上の電流表示はゼロで充電がストップしている事がわかります。
その右、オレンジの線で囲んだ部分が充電容量で、今回の充電では1.79Ah、すなわち1790mAh入ったという事を示しています。ポケブー内蔵電池の容量1900mAhに近い値ですから、充電前のバッテリーはほぼカラに近い状態だったという事が判ります。
なお、バッテリーの充電で、「実際にどれだけの容量が入ったかを数値で確認する」という事がバッテリーの寿命を知るうえで大切なポイントですから、常に気を配っておいてくださいね。

こちらは放電モードの画面で、きれいなピンクになります。
上で説明しました「メモリ効果」のせいで充電容量が大幅に減ってきた場合は、この「放電機能」を使ってバッテリーを完全放電させてから充電をすると、容量が回復する場合があります。
ニッケル水素バッテリーの場合は、時々完全放電をしてから再充電してメモリ効果をリセットすると良いでしょう。
なお、放電モードの時は「スタート」画面でセル数を「1」セルに指定しておく必要があります。

さてここで、今回ポケブーを接続する為に使用したアダプターについて説明します。
写真はトップモデルオリジナルの「プラグ形端子」です。
普通のグロープラグの中芯の部分を延ばしてリード線をハンダ付け出来るようになっています。
中芯はポケブー内蔵バッテリーの「プラス」極に繋がります。
プラグの外側はポケブーの「マイナス」極とつながります。

店主が作ったプラグアダプターです。
リード線の取り付け部分は、シュリンクしてしまっているので見えませんが赤いコードはプラグ形端子の中芯に、黒いコードは附属のナットにハンダ付けしています。リード線には16ゲージシリコンケーブルを使用しています。
充電器付属の出力コネクタはXT60タイプですので、普通はそちらにコードを直接ハンダ付けすれば良いのですが、店主は他の充電器でも使えるように4mmゴールドコネクを付け、途中で変換するというヤヤコシイ事をしています。
なお、プラグ側は狭い場所にプラス線とマイナス線を付けますので、あとでショートしないよう、絶縁は直径の事なるシュリンクチューブを使い分けたり、接着剤を隙間に詰めたりして念入りにしておいてください

今回使用しましたiSDT Q6 Plus充・放電器、コンパクトで使いやすいうえに、電動機のリポだけでなく、プロポのリフェバッテリー、そして今回のニッケル水素やニッカドバッテリー、さらには鉛バッテリーなど多種類の充電池に対応している優れものです。
一台備えておくと大変便利に使えますので、どんな充電器が良いかお考え中のかたは、ぜひご検討ください。