アイランドブリーズ箱開け(3)

OK模型「アイランドブリーズ」の箱開け3回目、付属パーツを見ていくことにします。

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まずはメインギア関係ですね。
高価なカーボン製のメインギヤを奢っています。
そしてクラシカルな雰囲気を出すためにホイルスパッツ(タイヤカバー)を装備しています。

 

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カーボンメインギアを拡大してみました。
写真の上が裏面、下が上面です。
アームが直線ではなく、軽く湾曲しているのがお判りになるかと思います。
このメインギアを機体に取り付けると、胴体からまっすぐ生える(?)のではなく、タイヤが少し後方に付く感じになります。
また、写真でわかる通り、軽く下に湾曲し、着陸時の衝撃を緩和する形になっています。

 

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メインギアもさることながら、テールギアも贅沢な作りになっています。
尾輪式のスケール機、それもパイパーカブなどの軽飛行機に多用されているタイプで、右のT字金具をラダーに取り付け、そこからスプリングで尾輪のコントロールホーンに連結して尾輪の向きを左右に動かすタイプです。
このあたりにも、のんびりゆったりとフライトを楽しむ本機のコンセプトが現れていますね。

 

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燃料タンクはガソリン用が同梱されています。基本がSAITO FG-11ガソリンエンジンとなっていますので180ccと小ぶりになっています。燃費の良いガソリンエンジンですからこれでも20分以上のフライトが可能です。
但し、グローエンジンの搭載を考えておられる方はもっと大きなタンクを別にご用意いただく必要がありますね。

スピンナーはOK模型で市販されているABスピンナー63mm白が入っています。これも国産完成機ならではの贅沢ですね。

 

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以上が主な付属パーツです。
あとは写真のようなリンケージパーツ、レーザー加工されたベニヤ製のサーボベッドなどのパーツ、プラスチック成型品のコントロールホーンカバー、そしてカラフルで大きなステッカーが入っています。

随所に国産ならではのこだわりと贅沢なパーツを使用した優雅なスタイルの「アイランドブリーズ」
穏やかな春の一日、ゆったりとした気分でフライトを楽しまれては如何でしょうか。

さて、次回はこのアイランドブリーズの箱開け・番外編として、メカ積みのちょっとしたコツなどをご紹介することにします。
組み立てる場所がほとんど無いARFとはいえ、ちょっとしたことがメカのスムースな動きや見栄えに大きく差が出るものです。
ぜひ目を通していただけたらと思います。


アイランドブリーズ箱開け(2)

 1Wingpanels

 OK模型の10ccクラスガソリン機「アイランドブリーズ」の箱開け2回目は主翼、尾翼周りを見てゆく事にします。

この機体の最大の特徴は、何といっても楕円形ですらりと伸びた美しい主翼にあります。
この楕円翼は美しい反面、曲線、曲面が多いため組み立てやフィルム貼りは難しく頭が痛いところですがは、キットはフィルム貼り完成機ですから、そんな心配はいりません。
主翼の構造は一般的なリブ組にオールバルサプランクになっています。
写真では上が裏面、下がオモテ面です。

 

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この機体は見た目のとおり、のんびり、ゆったりとフライトを楽しむ事をイメージして設計されているとのことで、翼幅(スパン)が大きい主翼にはエルロンのほかにフラップも装備されています。

 

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このフラップは大きく下にさがるのですが、下側(翼裏面)にテープヒンジで取り付けることで大きく無理なく動かせると共に、翼下面に隙間が出来ず、フラップを上げた通常の飛行状態では翼上面との間にも隙間が出来ずスムースに空気が流れるようになっています。
フラップの奧(翼端側)についているエルロンもテープヒンジで同じように取り付けられています。

翼型はスポーツ機という味付けから、半対象になっています。

 

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主翼のヒンジが下面側でテープ止めという事ですが、エルロンとフラップのリンケージも珍しい方式になっています。
組立説明書の一部を借用して説明させていただきますが、図のようにサーボは一般的なエルロン(フラップ)サーボ同様に翼の下面から搭載します。
でもプッシュロッドが主翼上面から出ていますね。初めて見たときにはその構造に少し戸惑いますが、完成機ですから主翼にはこのようなリンケージが出来るように各部の穴が開いていますので(フィルムは切り取る必要がありますが)説明書通りに工作すれば大丈夫だと思います。

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主翼は左右分割式で、カーボンパイプのカンザシを使って胴体の左右に取り付ける方式を採用しています。
もちろん、胴体から取り外すことが出来ますので運搬時などにはコンパクトになります。
ちなみにカーボンカンザシの直径は16mmです。

 

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水平尾翼は左右分割で作られています。
左右をカーボンカンザシで連結するのですが、こちらは胴体に接着してしまいますので、組み上げた後は分解、取り外しできません。
エレベーターはヒンジで取り付ける一般的なスタイルで、写真でおわかりのとおりイージーヒンジが使用されています。

 

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こちらは垂直尾翼です。
ラダーにはチェッカー模様がすでに入っています。反面、垂直安定部分は無地で寂しいように見えますが、セットに入っているハイビスカスの花のステッカーを貼るとずいぶん華やかになるはずです。

 

次回はカーボン製メインギアなどのその他のパーツを見てゆきます。


アイランドブリーズ箱開け(1)

  Flight

柔らかい曲線で包まれた楕円翼が新鮮なガソリンエンジン10ccクラススポーツ機「アイランドブリーズ」。入荷しても即完売という状態がようやく一段落し、当店でもやっと在庫を持てるようになりましたので、あらためてキットレビューをさせていただきます。

10ccクラスのガソリンエンジン機(従来のグローエンジンで言えば60クラス)として開発されたとのことですが、特にSAITO FG-11を搭載すればマウント周りやカウルの工作をほとんどしなくても良い仕上がりになっている、というのがメーカーであるOK模型の売り言葉になっています。

そのあたりも含めて、キットの中身をチェックしながらご紹介を進めさせていきます。

 

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全パーツを並べてみたところです。
ご覧のようにフィルム貼りの完成機で、楕円形の平面を持った主翼をはじめとして全体に丸みを帯びたデザインの機体に、ターコイズとオレンジを基調に曲線を生かしたデザインのカラーリングになっています。

それでは早速中身をチェックして行きましょう。

 

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今回は胴体まわりです。
主要部分の構造は、肉抜きしたベニヤの側板と胴枠、そして後部胴体背面はバルサプランクになっています。
カウルは塗装済みのグラスファイバー製です。

 

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前部胴体の上半分はハッチになっていて、コックピット部分も含めて大きく取り外しができます。
エンジン仕様にした時の燃料タンクや電動仕様の場合のバッテリーへのアクセスがしやすくなっています。
第一胴枠は当然ながら耐燃料塗装がしっかりと施されています。黒く塗られている部分が塗装部分ですね。

 

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ハッチの取付方法ですが、前が2本のピン(ダウエル)、後がキャノピーラッチになっており、ワンタッチで取り外しができる様になっています。
ハッチ部分の中央に黒く見えるのは、主翼カンザシが通るカーボンパイプです。主翼を左右分割式にすることで主翼取付部に切り欠きができない分、胴体の剛性がアップする訳ですね。

 

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ここで、ハッチ(キャノピー)をチェックしているときに細かい事に気が付きました。
矢印の先の部分、ここに薄いベニヤ板でプラスチックキャノピーのカドを裏打ちして補強がしてあります。
キャノピーのプラスチックは弾力性が乏しく、特に角の部分は物にぶつけると割れやすいのでこのようなひと手間をかけてある様です。

 

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カウルを仮に胴体に取り付けてみました。
水平対向エンジンを搭載した実機、パイパーカブのようにカウルが左右に張り出したデザインになっています。
この機体のキャッチフレーズに、SAITO FG-11エンジンを使用すればマフラー以外にはエンジンが一切外に出ない、というのがあります。
このカウルの張り出し部分によって、指定エンジンを横積み(サイドマウント)するとエンジン本体がすっぽりと中に収まるようになっている訳ですね。

もちろん、他のエンジンも搭載出来ますが、エンジンの種類によってはいろいろと穴を開る必要があるかもしれません。

 

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実際のサイズは上写真のようになります。
カウルには冷却空気取り入れ口が向かって左側に前もって開けられています。

写真では黒く映ってしまって見えませんが、第一胴枠にはガソリンエンジン機のイグニッションキャップが通せるような長穴がちゃんとあけられています。
また、エンジンマウント(SAITO FG-11に付属の純正マウント)に合わせて第一胴枠にはブラインドナットが取付済みになっているなど、細かい点に気を配ってあります。

ちなみに、第一胴枠からエンジンのドライブワッシャーまで(スピンナーのバックプレートまで)の距離は118mmと説明書に記載されています。
指定以外のエンジンやモーターを搭載される場合は参考にしてください。

さて、次回は独特の平面型を持った主翼を見てゆくことにします。
エルロンやフラップのリンケージに工夫がされています。
お楽しみにお待ちください。


キットレビュー OK模型「ラベンダー」

ラジコン専門誌でも紹介されているOK模型の新作バルサキット・モーターグライダーのラベンダー、品薄という事で希望数が入荷せず、お店に出してもすぐに売り切れてしまう状態が続いていたのですが、ようやく十分な量が入荷しました。

そこで、今回はこのラベンダーのキットを簡単にご紹介させていただく事にしました

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OK模型が最近力を入れている、バルサキット組み立て入門者にも取り組みやすい飛行機のシリーズという事で、本当に初めてバルサキットの組み立てに挑戦される方向けの「オリンピア」の次に位置するレベルの機体です。

 

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キットの中身はというと、バルサ板やベニヤ板にレーザー加工を施した翼や胴体のパーツがメインで、あとは前縁材やスパー材などの棒材が入っています。
そのほかはピアノ線のリンケージパーツが入っていますが、機体が比較的小型ですので、こじんまりとシンプルにパッケージされています。
もちろん、日本語の組立説明付き原寸大の印刷図面も入っています。最後にご説明しますが、この図面こそがキットの大きな特徴になっているんです。

 

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キットの中身ですが、バルサ板やベニヤ板には写真のように精密なレーザー加工がされています。
写真はベニヤパーツですが、ご覧のようにパーツがびっしりと並んでいます。取り外すときに細い部分が折れないように細心の注意を払うのはもちろんですが、その前に部品の記号と番号を正確に書き込んでおくことが大切です。
先にバラバラにしてしまうと、よく似た部品が多いのであとで部品名が判らなくなるという羽目になってしまうので要注意です。

 

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その部品名を記入する時に使うのがこの図面(設計図)です。
ご覧のように、原寸大(実物大)の機体の図面とともに、レーザーカット部品のレイアウト図、そして写真入りの組み立て説明書がびっしりと書き込まれています。

この図面、特に組立説明書の部分は文字が小さくて見るのがツライと思っていたのですが、OK模型が新しい試みとして、組立説明書をホームページからダウンロードできるようにしているのを知りました。

これは画期的な事ですよね。

その場所がこちらです。
PDFファイルになっていますので、ダウンロードしてタブレット端末に表示することが出来ます。ですから、画像や文字を拡大表示することが出来、置き場所を選ばないタブレット端末で説明書を見ながら作業を進めることが出来ます。特によく似た形が多いレーザーカット部品のレイアウト図を拡大してみることが出来るのは助かりますね。

ぜひ一度覗いて見てください。

 

 

 


メイス2 箱開けレビュー(その2)

OK模型の2.6mクラスモーターグライダー メイス2の箱開け、(その2)は主、尾翼と動力関係のパーツを見ていきましょう。

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まず、主翼ですね。赤、白、紺のすっきりしたデザインで、左がオモテ面、右がウラ面です。
ウモテ面は主翼をスマートに見せるフラッシュ模様です。一方、裏面は上空に上がると色というよりはコントラスト(色の濃淡)で見分ける事になりますので、それを考慮して、白を中心として大きなブロックの色分けになっています。

 

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こちらは主翼の付け根になります。翼型はAG24とのことですが写真撮影で手抜きをしてしまい、フラップが少し垂れ下がってしまいました。実際は後縁がもう少し上がります。
ご覧になってお判りになる通り、前、後縁近くのアラインメント(位置決め)ピンは取付済み、カーボンカンザシ用のパイプももちろん装着済みです。写真で白い糸が見えますが、この糸には中に入っているエルロンサーボの延長コードがくくり付けられています。

 

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フラップ部分を拡大してみました。写真でお判りになる通り、動作角を大きくとる為に下面ヒンジになっています。(通常の上げ位置では写真のように大きなギャップはありません)
という事で、主翼の残った工作工程は、エルロンとフラップのサーボの取り付け、それに関連するコントロールホーンとハッチの取り付け、そしてリンケージという事になります。

 

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こちらは水平尾翼ですね。尾翼全体が動くフライングテールで、低速時もエレベーターがしっかりと効きます。

写真左がオモテ面、右がウラ面になります。

水平安定板とエレベーターが分かれていないので、当たり前ですがエレベーターのヒンジ付けは無く、これで完成ですから水平尾翼に関しては追加の工作は不要です。

 

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水平尾翼の付け根部分です。
フライングテール方式ですから、胴体に組み込み済みのL字型ベルクランクに2本のピアノ線で取り付けるようになっています。そのピアノ線用の真鍮パイプはもちろん埋め込み済みです。

 

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続いて動力関係のパーツに移ります。
OK模型の完成機には動力用パーツが同梱されたデラックス(DX)タイプというのがあり、今回取り上げたのはメイス2 DXで、モーター、折ペラが同梱されています。
まずモーターですが、タマゾー製のカバード・ローター式ブラシレスモーターCR352010dというかわったタイプのモーターが入っています。
何がカバーされているのかは写真をご覧ください。通常のアウターローター式モーターは、この写真で白いTahmazoの文字が刻まれている外側の黒い部分が回転するのですが、このモーターは黒い外側のケースは単なるカバーであって回転しません。
シャフトと一緒に回転するのは矢印の先に見える銀色のパーツです。写真で見えているのは内部を冷却するファン部分で、ファンと一体のローターの大部分は後の黒いケースの中にあり、外からは見えません。また、コイルを巻いてあるステーターは、銀色のローターのさらに内側にあります。
こうすることで、アウターローターでありながら、外にはシャフト以外動くものが無く、細いグライダーの中に搭載する時に気になったコードや他の部品との接触を気にせずに済むモーターが出来上がったという事です。
文字でいうとなかなか説明しづらいのですが、アウターローターモーターの取り回しの悪さを解決する面白い方法だと感じました。

 

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このモーターと組み合わせる折ペラブレードは、高価なカーボン製RL製12×8が入っています。
写真は撮影用に透明のケースから取り出した状態です。
このブレードと、Tahmazo CR352010dとの組み合わせでのパワーは、リポ3セルで駆動して推力2100g(回転数9600rpm、電流44A)というデータが参考値として公表されています。メイス2の全備重量は1600g前後ですから充分と言えるでしょう。

パワーユニットとしては、このほかアルミターボスピンナー付ハブセット AT41/8C5.0ZMが付属しています。

今回は箱開けの趣向を少し変えて、店主が特に気になったパーツにスポットを当ててレビューしてみましたが如何だったでしょうか。

お客様の中には先代メイスのファンもたくさんおられると思いますが、翼型や上反角、パワーユニットなどに一層のチューニングをほどこし、大きさはかわりないように見えても性能的には大きな飛躍を遂げたメイス2もぜひお楽しみいただけたらと思います。

 

さて、先週もお知らせさせていただきましたが、当店は明日8月13日(木)から8月17日(月)までの期間、お休みをいただきます。
もちろんショップでのお買い物は平常通り受け付けておりますし、ご注文後の自動返信メールは通常通りお送り致しますが、ご注文確定メールは8月17日(月)以降となります。

なお、この間のご注文商品は8月18日(火)より順次発送の予定でございます。

誠に勝手を申しますが、どうかよろしくお願いいたします。