ジャスミン箱開け 2(胴体編)

秋空を舞うPILOTジャスミン、赤、オレンジ、黄色の主翼が映えます!

当店ではARFキットのほか、ジャスミンDXメカ搭載済み完全完成機もご好評をいただいており、スタッフもうれしい悲鳴を上げております。

さて、ジャスミンの箱開け、先週の主翼編に続き、今週は胴体をメインにご覧いただきましょう。

ご覧の様に、白いグラスファイバー製の胴体ポッドにテーパーカーボンパイプの後部胴体という構成です。
このカーボンパイプは工場で接着済みですから取り付け角度もきちんと出ていますので、安心です。
ブルーのキャノピーはプラスチック製です。
リンケージはピアノ線とプラスチックパイプで行います。

胴体ポッドのアップです。
先端の直径は38mmと大きめになっています。
お陰で胴体内スペースには余裕が出来、メカの搭載等も楽になっています。
黒く見える部分はカーボンの補強です。これによってモーターから主翼取付部にかけての胴体剛性がぐんと上がっているのを感じます。

胴体ポッドを後方から見たところです。

黄色矢印の先は、フラッププッシュロッドの出口穴で、穴あけ済みになっています。
ジャスミンのフラップは前回ご説明しました通り、左右一体のワンピース型で、胴体内に搭載した一個のサーボで動かします。
そのサーボからのプッシュロッドがここから外に出る訳です。
ところが、この部分、お客様に開けて頂くようになってるいものが多く、この位置決めが結構難しかったのですが、工場で前もって開けてあることでフラップのリンケージが随分楽になると思います。

ポッドの先端に見える茶色い部分はモーターマウントで、もちろん取り付け済みです。

このように、後部胴体ポッドやモーターマウントなど取付角度が狂うと性能に悪影響がでる部分をきちんと工場で組んであるという事がARF機では大切な事なんですよ。

水平尾翼と垂直尾翼です。
他に比較するものが無いので大きさが判りにくいのですが、ジャスミンの尾翼はかなり小さいです。
その理由を設計した方に聞きましたところ、大きな尾翼は抵抗が大きく滑空性能に大きなマイナスとなります。反面、小さすぎると安定性、操縦性が悪くなります。安定性を求めて安易に尾翼を大きくするのではなく、飛行性能と安定性のバランスを考えながら面積を最小限に突き詰めたデザインの現れという事だそうです。

主尾翼、胴体以外のパーツ類です。
OK模型標準の、組立説明書、コントロールホーンカバー、リンケージ用小物、ステッカーなどが入っています。

以上で、OK模型の最新作、ジャスミンのご紹介を終りますが、ここで皆さんにお得なお知らせです。

ただ今当店では11月27日まで感謝祭開催中です。
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ジャスミン箱開け 1(主翼編)

当店前の歩道の木々の葉がきれいに色づくとともに、爽やかな日々が続くようになって来ました。

こんな時こそ、澄み切った青空にグライダー!という事で、本日から2回にわたってOK模型の新製品「ジャスミン」を、ご紹介させて頂きます。

「ジャスミン」は翼幅1910mmのモーターグライダーです。

この翼幅2m前後のグライダーは性能も良く、そのうえ持ち運びにも便利で手軽、という事で人気が高く、多くの機種がひしめく激戦区?なんです。

そんな中で、「ジャスミン」のウリは、メーカーの宣伝文句にもありますが、「ハイアスペクトで前縁に直線部分が全く無い完全な楕円翼」だと言う事です。

楕円翼は空力的に優れていることはよく知られていますが製作が難しく、特に量産するARF機では手間がかかって大変なので、あまり見かけないのだと思います。

そこで、今回はまずその主翼を見てゆくことにします。

まず、これが主翼を構成するパネルです。
ご覧の様に中央翼、左右の外翼、左右の翼端と、全部で5枚のパネルに分かれています。
白い中央翼にはフラップが、オレンジと黄色の外翼パネルには白いエルロンがついています。
また、赤い翼端パネルにも白い部分がありますが、これは単なる色分けだけで動翼ではありません。

中央翼、外翼、翼端を並べてみました。
こうして見ると、この主翼の最大の特徴である、ハイアスペクトで前縁に直線部分が全く無い、完全な楕円翼というのが良くお判りになるでしょう。
この翼は、組立て時に外翼と翼端は接着してしまうのですが、白い中央翼と外翼は接着せず取り外し式になっていますので、完成後の主翼は3つに分割する事が出来ます

中央翼を見てください。
前縁部分が端から端まで全体にカーブしているのがお判りでしょうか。
これは決してカメラのレンズの歪みではありません!(^^)!
このカーブが外翼、翼端へと滑らかに続いて完全な楕円翼になるという、なかなか手間のかかる凝った造りになっています。

フラップはOK模型のグライダーに多く採用されているワンピースタイプです。
こうする事でフラップサーボが一個で済む=6チャンネルプロポが使えるというのと、面倒で難しい左右フラップのミキシングが不要なのでフラップ付きグライダーの入門に最適、と言う事になる訳ですね。

最後に主翼の断面、翼型を見たところです。メーカーの言葉を借りますと、これまで世に出した多くのOK模型製グライダーから得たノウハウの詰まったこの薄い翼型こそが浮きと進入性のカギという事だそうです。もちろん、国産ならではの、ピンと薄く仕上がった後縁も健在です。

次回はジャスミンの胴体を見て頂きますが、ここでお知らせです。

当ショップでは現在ジャスミンDX、ベーシック共に品切れが続いています。
皆様には大変ご迷惑をお掛けしていますが、来週末には追加入荷の見込みです。
お待ちのお客様は今しばらくご辛抱いただきますよう、お願い致します。

もう一つのお知らせは、受注生産品のジャスミン メカ搭載済完全完成機を新しくラインアップに加え、本日よりお申し込み受付を開始したことです。受注生産品かつ、品薄商品ですのでお早めにご予約いただければと思います。


レインジャー137 箱開け(3)

当初2回で完結する予定のPILOT レインジャー137の箱開け、予定を変更して今回は延長戦?の3回目となります。

今回メインでご紹介させていただきますのは、レインジャー137のウリの一つ、というか特徴の一つである「翼端スラット」です。
スラットの効用などは前回説明させて頂いていますので、今回はスラットの構造を中心に少し詳しく説明させて頂きます。

まずおさらいですが、黄色の矢印で示した赤いパーツがスラットです。
大きさは、主翼のスパン1370mm、片翼685mmに対して325mmと約半分の長さがあります。
前にも述べましたが、スラットはあらかじめ工場で取り付けされています。
その理由ですが、取付位置と取付角度が結構シビアで、それらが狂うと本来の性能を発揮できないばかりか大きなクセが出る原因にもなるので、工場で治具を使って正確に取り付けておく事にしたそうです。

翼端側から見たところです。
スラットの前縁は主翼下面には回り込まず、上面は前縁に約30mmかぶさっています。

真横から見たところです。
取り付け部材があるので主翼表面との隙間が判りにくいですが、黄色の線が空気の流れになります(手書きの見苦しいラインですみません(-_-;)実際の空気はもっとスムースに流れるはずです)
主翼の迎え角が増した時、主翼前縁から主翼の上面に流れる空気の一部をスラット内部を通して後部から出すことで主翼上面から空気が剥がれるのを軽減し、失速に入るのを遅らせるという仕組みなんです。

スラットの前縁部を下から見たところです。
ここのスラットと主翼とのすき間が空気の入り口となります。

後ろから見るとこんな感じです。
前縁から入った空気がここから出るのですが、スラットと主翼上面の間を通り抜ける時、空気は高速で流れるため内部が負圧となり、プラスチック製のスラットが主翼に張り付いてしまって機能を果たせなくなる場合があるそうです。
これを防ぐために、写真で黒く見えているカーボン材を貼ってスラットの剛性を増していると言う事です。
いろいろと苦労があるものですね。

これでレインジャー137の注目アイテム、スラットの解説は以上です。

引きつづき、まだご紹介していない尾翼を見ていただきましょう。

まず、垂直尾翼と尾輪パーツです。
ラダーは3本のピンヒンジで取り付けられています。
尾輪はラダーに連動して左右に動きます。

水平安定板とエレベーターです。
エレベーターはコの字のピアノ線で連結する形式です。
レインジャー137のエレベーターはフラッペロンの動きとミキシングして、フラップ下げ時の頭上げを防ぐ必要がありますが、そのあたりのミキシング量などは抜かりなく説明書に書かれていますので安心して下さい。

レインジャー137の大きなロゴが入ったステッカーシートも付属しています。下の黒い四角いステッカーは主翼中央、キャビン部分の天窓です。

 

ここでお知らせです。
これまで、3回にわたって解説してきましたレインジャー137、当店では長らく品切れ状態となっていましたが、本日少数入荷しました。

お待ちのお客様はこちらからご注文下さい。(申し訳ありませんが、今回も在庫限り、先着順となっております)


レインジャー137 箱開け(2)

前回の胴体に続き、今回はレインジャー137の主翼を見て見ましょう。

ここで一番特徴的なのが主翼前縁に設置されたスラットです。
上の飛行写真で、主翼の前縁に赤く見えるパーツ、これがそのスラットになります。
スラットは主翼の迎え角が大きくなった時に前縁から空気が剥離する、すなわち失速するのを遅らせるためのものです。
最近の旅客機にも装備されていますが、こちらは着陸時に前縁からせり出してくる可動式スラットです。
一方、レインジャー137に装備されているのは固定式という事になります。

左主翼の上面を見ていただきます。

ここに見える赤いパーツがプラスチック製の前縁スラットで、工場で取り付け済みになっています。
このスラットについては、連載回数を一回増やして次回、もう少し詳しく見てゆきます。

一方、後縁はといいますと、写真のようにフルエルロンになっています。と言ってもこの機体ではフラップとしても作動させますので、正確には「フラッペロンというものですね。
フラップとして使うからでしょうか、翼弦方向(リブ方向)の幅は一般的なスポーツ機のエルロンに比べると広めになっています。
ただ、このように翼端まで達するフルスパンのフラッペロンをベロンと下げると主翼の迎え角が大きくなり、その事で翼端失速が心配されます。
そうならないようにという事で、レインジャー137では写真のようにフラッペロンを翼端に行くにしたがって細くする事でフラッペロンを下げた時にネジリ下げと同じ効果を得て、翼端失速を遅らせる対策の一つとしています。

なかなか奥が深い設計ですよ。

こちらは主翼の裏側です。
赤い前縁スラットが見えますが、上面と違って翼面にはほとんどかぶさっていない点に注目して下さい。

翼の付け根部分の断面を見たところです。後縁のフラッペロンは付いていませんが、翼型は半対称であることが判ります。
前縁部の切り欠きは胴体のフロントウインドウ部分がはまるところです。
でも、この写真では後縁にフラッペロンがついていませんので、翼型が今一つはっきりと判りませんよね。

そこでレインジャー137の組立説明書の図をお借りして掲載させていただきました。(オレンジと紫のラインは、説明のためにこちらで書き加えたものです)

ここで面白い、というか注目していただきたいのがフラッペロンのニュートラル位置です。
図のように、「主翼上面で直線になる」位置がニュートラル位置だそうです。
という事は翼下面がかなり下に湾曲した、アンダーカンバーのついた翼型になり揚力重視という事が読み取れます。

レインジャー137は、このような翼型を持った主翼に前縁スラットとフルスパンのフラッペロンという高揚力装置を組み合わせて短距離離着陸、STOLを楽める機体になっているのですが、次回は最大の特徴でもある、前縁スラットに絞ってもう少し詳しくご覧いただく事にします。

なお、ご紹介していますレンジャー137、当店では初回入荷分が即日完売となり、現在品切れ状態が続いております。製造元のOK模型に問い合わせましたところ、次回予定は10月末とのことでした。
皆様には大変ご迷惑をお掛け致しますが、今しばらく当店の「入荷・再入荷情報」をチェックしてお待ちくださいますよう、お願いいたします。


レインジャー137 箱開け(1)

大きなタイヤと強力な高揚力装置を装備し、未開地や荒れ地での短距離離着陸を得意とする「ブッシュプレーン」。
その飛びとスタイルを再現したいとの思いで模型化された機体が「PILOT レインジャー137」です。
今回から2回に分けて、これまでの機体とはちょっと色合いの違ったレインジャー137のキットを覗いてみる事にします。

まず、キットの内容はこのようになっています。

OK模型製ARF完成機の標準ともいえる構成で、フィルム貼り完成胴体、主翼、尾翼のメインパーツに、プラスチックカウル、ジュラルミン製メインギア、軽量スポンジタイヤ、エンジンマウント、グロー用燃料タンク、スピンナー、リンケージパーツ、透明ウインドウ、ステッカー、そして日本語組立説明書が入っています。

ちなみにこの製品はOK模型の国内工場で作られたものだそうです。

(お断り)上の写真はこのブログへの掲載用に主要パーツを並べたもので、リンケージパーツをはじめとする小物パーツやステッカー、組立説明書などは写っていません。

さて、第一回目は胴体周りのご紹介です。
ご覧の様に、フィルム貼完成胴体のほか、カウリング、スピンナー、透明プラスチックのサイドウインドウで構成されています。

胴体の一番前にセットするカウリングはプラスチック製で、実物のブッシュプレーンに多い水平対向エンジンを搭載した機体をイメージした、横に扁平なデザインです。
仮に組み合わせて見るとこんな感じで、何となくスケール機っぽい雰囲気があふれいています。

胴体キャビンのウィンドウは前面、側面共にスケール感の漂うクリアパーツです。
フロントウィンドウは胴体ハッチと一体構造で、写真のように取り外すことが出来ます。電動にした場合のバッテリーの搭載、取り出しはここから行います。
セットにはここまで出来上がった形で入っています。
なお、キャビンのサイドウィンドウは成型されたクリアパーツを切り取って胴体の内側から窓の部分にはめ込んで接着します。

胴体の中を見てみましょう。
サーボや電動にした場合のリポバッテリーなどを積み込むメカルームは広々と余裕があります。

こちらはブッシュプレーンのスタイルを特徴づけている、機体の大きさからするとアンバランスともいえる大きなタイヤです。
キットに入っているのは、前回のブログでご紹介させて頂きました「PILOT軽量タイヤ89mm」です。
主脚は丈夫なジュラルミン製が採用されています

次回は、ARF完成機には珍しい、主翼前縁スラット付の主翼を中心にご覧いただきます。