TOPMOPDEL 焼結燃料フィルターって?

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先日、トップモデルオリジナル商品として「焼結燃料フィルター(グロー用)」を新発売しました。

この燃料フィルターの特徴はというと、名前にもあるとおり「焼結(金属)フィルター」を使っていることなんです。
「焼結」って、あまり聞きなれない言葉ですが、細かい金属の粒を融点前後の高温で焼き固めたもののことです。
価格が高くなりますが、工業用としても使われている優れたフィルターの素材です。

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これが「焼結フィルター」で直径5.5mm、長さ5mmです。
ちなみに当社製品は材料に微小な銅粒をつかっています。
金属粒の細かさがお分かりになると思います。
この粒は適当な形、大きさのものを混ぜたものではなく、大きさが揃った球体になっているのにも注目してください。
写真のように、丸い形は残りつつ、金属粒同士が溶けてくっついていますので強度があり、しかも粒と粒の間には隙間が残っています。
この小さな隙間がフィルターの役目をするんですね。

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焼結フィルターには小さなO(オー)リングをつけて使用します。
掃除をしたあとの再組立て時は小さなリングの取り付け位置(写真では左寄り)と焼結フィルターの挿入方向を間違えないようにする必要があります。

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説明がアトサキになりましたが、ブルーのアルマイト加工を施したアルミ製の本体はねじ式で2分割されており、中央部にフィルターが入っているのはよくある模型用のフィルターと同じです。

で、この本体にはちょっとしたアイデアを盛り込んでいるんです。
それが写真に見える白い矢印の刻印で、これは燃料の流れる方向を示しています。
フィルターを取り外して元に戻す時に、向きを逆につけてしまってフィルターのごみが全部キャブレターに・・・・(泣) っていう間違いが無くなりますよね。

写真では右に燃料タンク、左側をエンジンのキャブレターに配管することになります。

繊維質のフィルターや金属の網を使ったフィルターが多い中、細かいゴミも逃さずキャッチし、しかも耐久性に優れたトップモデルオリジナル「焼結燃料フィルター(グロー用)」をぜひ一度お使いください。

ABスピンナー・クロームの秘密

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本日、当ショップで取り扱いを始めましたABスピンナーのクロームという商品、メーカーさんの触れ込みでは「本当のクロームメッキ」を施したABスピンナーということです。

どこが「本当のクロームメッキ」なのかということを聞いたところ、以前OK模型取り扱いのABスピンナーにも「クローム」というカラーは存在したのですが、これは厳密にいうと「クロームメッキ」ではなく、プラスチックにアルミ蒸着メッキを施したものだそうなんです。

ちょっと目には変わりがないように見えますが、実はメッキの強度にかなりの差があるそうです。
私の経験でも、以前の(アルミ蒸着の)クロームカラースピンナーにスターターをかけた時にスリップさせると、スピンナー表面に輪が入ったように傷がついたり、ひどい時にはメッキの下のプラスチックが出てきたりしたものです。

じゃ今回発売されたABスピンナーのクロームは?というと、クロームメッキはアルミ蒸着に比べると被膜が非常に硬くて傷がつきにくいのが特徴だそうです。
ところが、メッキを施すにはプラスチックに、まず下地として銅メッキを施してからその上にクロームメッキを施すという、高度な技術と手間がかかるそうなんです。

で、今回のテストは本当に銅メッキをしてクロームメッキをしてるの?という、メーカーさんを疑うような内容なんですよ。
その方法ですが、ストレートにサンドペーパーでメッキ部分を削ってみるだけというものなんですけでどね。
(テスト後の製品は、見てくれは悪くなりますが店主用に大切に使わせていただきます)

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とりあえずサンドペーパーで恐る恐る削ってみました。
何かつるつると手ごたえがない感じで、被膜の硬さを感じます。

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少し力を入れて削った後です。
クローム部分に傷がつきましたが、銀色のままです。
問題の?銅メッキはまだ見えません。
(クローム部分にカメラが映り込んでいますがご容赦くださいね)

 

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更にペーパーをかけ続けると、見えてきましたよ、銅色の部分が。
確かにクロームメッキの下には銅メッキが施されています。

 

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さらにペーパーをかけ続けると、本体のプラスチックが顔を出しました。
銅色の中の黒い小さな傷のように見える部分ですね。

 

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腹をくくって(大袈裟ですけどね)削り続けた結果がこれです。
銀色のクローム部分、赤みがかった銅の部分、そしてプラスチック部分というのがよくお分かりになると思います。

ちょっと手荒いレポートになりましたが、同じ銀色でもアルミ蒸着メッキとクロームメッキがあるということと、クロームメッキは強度を得るために手間がかかっているということをおわかりいただけたでしょうか。

これまでのアルミ蒸着のクロームカラーに今一つ満足できなかったあなた、ぜひ一度このPILOT ABスピンナー・クロームをお試しください。
45mm、51mm、57mm、61mmの4種類を発売中です。

 

 

コネクタ、コード付SVR3-5V2と6V2

受信機用電源を安定して供給することができるTahmazoスイッチングレギュレーターのSVRシリーズは、軽量で信頼性も高いので店主も愛用しているものですが、今回新製品というかマイナーチェンジされたものが2種類登場しました。

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それが上写真の2製品で、左の赤いシュリンクで包まれているのが3A出力で電圧が6VのSVR3-6V2、右の黒いシュリンクで包まれているのが3A出力で電圧が5VのSVR3-5V2で、品名の最後に「」がついています。

では、最後に「」のついていないこれまでのSVR3-5Vや6Vとはどこが違うのでしょうか。

 

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こちらが、品名の最後に「2」がついていない、これまでのSVR3-5Vです。
青い矢印の先が電源用バッテリーを接続する端子です。
ご覧のようにサーボコネクタを直接挿すことが出来る3ピンになっています。
でもコネクタをきちんとSVR本体に固定しないと振動による接触不良などが心配だということで、念のために接続部分にテープを巻いたりシュリンクチューブを被せたりしていたものです。中にはわざわざこのピンにコネクタ付のリード線をハンダ付けしていた方もおられたと聞いています。

 

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そこで、これが今回新発売されたSVR3-5V2SVR3-6V2です。
シリコンコードが直接本体に付き、その先にBECコネクタがついています。
BECコネクタは抜けにくく、振動にも強いので、BECコネクタのオスが付いている電源バッテリー(またはスイッチハーネス)があれば、コネクタを繋ぐだけで安心してしっかりとSVRに接続できることになります。
また、BECコネクタをつけることで、極性を間違って接続してSVRを一瞬で壊してしまうという恐れもなくなりますよね。

 

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ところで、既に発売されているTahmazo の受信機用リポバッテリーRIGシリーズやスイッチハーネス、そしてオンボードリポメーターにはすべてBECコネクタが付いています。
それらを上の図のようにセットで使用すれば、コネクタを繋ぐだけでスイッチング電源システムが簡単に出来上がります。

値段もお手頃で、一番使用頻度の多い3AタイプのSVR3-5V2SVR3-6V2はリード線とコネクタがついたことで随分使い勝手が良くなったと感じました。

さて、ここで当店の夏季休業日に関するお知らせをさせていただきます。
まず、8月11日(山の日)は通常営業を致します。
そして8月13日(土)から17日(水)は休業とさせていただきます。
もちろんこの間もご注文はいつでもお受け致しますが、注文確認メールならびに商品の発送は8月18日からとなります。皆様方にはご不便をお掛け致しますが、どうかよろしくお願い申し上げます。

ヒンジテープの使い方(2)

前回のおさらいですが、固定翼と動翼の継ぎ目を「ヒンジライン」と言います。

写真はラベンダーの尾翼部分で、黄色の点線で強調したラインがヒンジラインになります。
ラダーやエレベーターはこのラインを支点にして動くわけでが、今回はどのようにして「PILOTヒンジテープ」でこの部分を作るのかを説明させていただきます。

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上図はエルロンを装備した主翼(右翼)で、動翼はエルロン、ヒンジラインはテープAとして赤で示した部分になります。
ここにヒンジテープを使ってヒンジを作るわけです。

まず、固定翼(主翼本体)に動翼(エルロン)をマスキングテープなどを使って仮止めします。
仮止めと言っても適当に止めるのでなく、きちっと正規のニュートラル位置に止めるのは言うまでもありません。
この時、ヒンジライン沿いのエルロンと固定翼の間には、上の断面図のように少し隙間を開けておきます。
ここが重要なポイントです。
「少し隙間を」ってどれくらい?とお思いでしょうが、中小型グライダーなら0.7mmから1mm以下というところですね。

動翼を仮に固定したなら、、動翼と固定翼の継ぎ目、平面図の赤線部分(上面ヒンジライン)の端から端までテープAを貼ります。
テープAはきっちり端まで貼らないとフラッターの原因になりますので気をつけて下さい。

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次に翼下面にテープB(青色で表示)を貼ります。テープBはヒンジライン全体に貼るのではなく、長さ20~30mmに切ったものを使います。
貼る枚数は動翼の巾(ヒンジラインの長さ)によって決めてください。

テープBの貼り方ですが、まず動翼を断面図のように固定翼の上に折り返します。
折り返した時、図のように浮かせるのではなく、ペタンと固定翼の上に重ねてください。

次に 折り返した面の上から(図では右側から)長さ20~30mmに切ったテープBを貼ります。
テープBは最初に動翼の両端2カ所を貼り、その後で間に数カ所貼ります。
動翼と固定翼のヒンジライン部分には隙間を開けていますので、この隙間部分でテープAとBがくっつき、ヒンジになる訳です。

テープBを貼る間隔、枚数は動翼の大きさにより変わりますが、ピンヒンジイージーヒンジなどの通常タイプのヒンジを取り付ける個数と同じぐらいで良いと思いますので、7~10cm間隔というところでしょうかね。

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テープBを貼り終ったらこんな感じになります。
これで作業は終わりです。

 

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最後に動翼をくるりと元に戻せば完成です。

文章で表すと結構難しそうですが、案外うまく行くものです。
中小型グライダーの製作に欠かす事の出来ないこのテクニック、ぜひ身につけて下さい。

ヒンジテープの使い方(1)

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いきなりタイトルと関係がないようなOK模型の小型グライダーバルサキット「ラベンダー」が登場しましたが、今回のタイトルにおおいに関係があるんです。

 

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そのラベンダーの尾翼周り、水平尾翼と垂直尾翼です。
垂直尾翼にラダーが、水平尾翼にエレベーターがついているのはごく普通のレイアウトですが、この方向から見ると固定翼と動翼の間に隙間が無いのがお判りになりますか。
ラダーと垂直尾翼の間は少し判りづらいですが、水平尾翼とエレベーターとの境界(ヒンジライン)はのっぺりと平らになっているのが判りますね。
それでは、一体どうしてこんな風になるんでしょうか?

 

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方向を変えて垂直尾翼とラダー部分の境界を斜め上から見たところです。
黄色い丸で囲んだ部分を良く見てください。写真の上側(機体の右舷側)には隙間が無く、手前側(機体の左舷側)には隙間が空いているのがお判りになるかと思います。

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上写真の黄色い丸で囲った部分を真上から見た断面図はこのようになります。
垂直尾翼とラダーを繋ぐヒンジに「テープ」を使用しています。
この、ヒンジにテープを使っているのが、ヒンジラインの片面がのっぺりと平らになっている理由なんです。

前置きがずいぶん長くなりましたが、ここでやっと題名のヒンジとテープという言葉が出てきましたね。

上の写真や図にあるように、垂直尾翼とラダーの間は片面に隙間が無く、反対側(画面では下側)には切り欠きが出来ます。
ラダーはこの分だけ(図の)下に動くことが出来ます。反対方向の上には当たるものがありませんので問題なく可動出来ます。
これで舵として機能できる訳ですね。

図のように固定翼(垂直尾翼や水平尾翼)と可動翼(ラダーやエレベーター)をテープで繋ぐ仕組みを「テープヒンジ」と言います。
「ヒンジテープ」を使って「テープヒンジ」を作る・・・・・ややこしいですね。
でもこれは中小型グライダーによく使われる手法で、特にラベンダーのように厚さ3mmという薄い尾翼の機体には最適の方法なんですよ。

 

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で、これが「テープヒンジ」の材料となるOK模型製の「ヒンジテープ」、もちろん当店で取り扱っています。

 

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一見すると身近にあるセロハンテープやビニールテープのようですが、実は全く違うものです。

ヒンジとして使うには、簡単に裂けない、特にヒンジライン方向(テープの長さ方向)に裂けない事が大事です。ヒンジライン方向に裂けてしまうという事は、固定翼と動翼が分裂してしまうという事で、あってはならない事ですよね。
次に接着力が強い事。理由は言わなくてもお判りですね。
その上に、厚さはできるだけ薄く、でも強度があること。それでもって伸縮しない事。僅かな伸びは必要ですが、ビニールテープのように力がかかった時に伸びてしまうようでは困ります。
更に水に強い事。セロファンテープのように水がかかるとふやけたり剥がれたりするのでは安心して飛行機を飛ばすことが出来ませんからね。

このようにたくさんの条件をクリアーした特殊なテープがヒンジテープとして使えるものなんです。

次回はヒンジテープを使ってヒンジ部分を工作する方法を説明させていただくことにします。