ty1 DXパワーパネル 使い方 (1) 電源・スターター編

世の中、電動プレーンやガソリンエンジン機が幅を利かせていますが、グローエンジンを使っておられる方もまだまだ多いのではないでしょうか。

今回はそんな皆さんに朗報、と言っては大袈裟ですがグローエンジンの始動に欠かすことのできないツール、「ty1デラックスパワーパネル」を当店から新発売しましたので、これを機会に機能や取り扱い方法などをご紹介させていただきたいと思います。

このパワーパネルは電源として12Vバッテリーを使用し、12V用スターターを動かす、12V用または6V用の電動燃料ポンプを動かす、そして装備した電子回路経由でで1.5Vのプラグをヒートする、さらにニッカド充電池を内蔵したポケットブースターを充電するという4つの機能をもっています。

それでは第一回目として、電源バッテリーとスターター機能について解説します。

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今日のお題に関係するのが写真の①から③の部分です。

まずは、このパワーパネルを使うのに必要な電源バッテリーについてから。
電源はty1デラックスパワーパネルの諸元にもあるように「入力電圧:直流12V」となっています。
これは鉛バッテリー6個組に相当する電圧で、自動車用バッテリーなどで広く販売されているものが使用できます。
ただ、スターター用電源にもなりますので、大きなエンジンを始動する場合などは普通車用バッテリーくらいの大きめのものが必要かと思います。
それでは実際の使い方に移りましょう。

まず、最初にパワーパネルの電源コードについているワニ口クリップを電源バッテリーに接続します。
赤いクリップをバッテリーのプラス側に、黒いクリップをマイナス側につなぎます。

 

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まず最初に親バッテリーの電圧チェックをしてみましょう。
最上段写真の③プラグヒートスイッチをBAT.CHK.側(手前)に倒すと①メーターの針が上写真のように振れます。
この時参照するのは、オレンジ色の輪で囲んだ、メモリの下半分で、針が緑の範囲内にあればOKです。
写真は電圧が約12Vのバッテリーを接続した状態ですが、しっかり充電された鉛バッテリーだと13V近くあるのでもっと右に振れます。

メーターに話題が移ったところでお役立ち情報を一つ。
このメーターの透明パネルはアクリル製で、燃料のニトロ成分はもちろん、アルコールにも弱く、燃料がかかったりアルコールで拭いたりすると白く曇ってしまいます。
これを防ぐには、梱包用の透明プラスチックテープを上から貼っておくと良いそうです。これで燃料やアルコールが直接メーターパネルにつかないようになりますし、メーター面が汚れてくればテープを貼り替えると元通りになるという訳です。だからと言ってメーターをあまり無造作に燃料やアルコールにさらすのはよくないですけれどね。

話が横道にそれましたが、メーターで親バッテリーのチェックが済めばスターターを動かしてみます。
スターターのコードには前もってこのパネルに付属の3mmバナナプラグをハンダ付けしておき、このプラグを②スターター接続端子に差し込んで使います。

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このパワーパネルの付属品です。
スターターには左の3mmバナナプラグを使用しますが、右側の2mmピンジャックは次回以降の機能で使用します。

次回は、このパネルの中心的機能ともいえるプラグヒートとポケットブースター充電機能について解説します。


テーパードリルビット1.2-2.0mm

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今回ご紹介させていただくのは、OK模型から新発売された「テーパードリルビット1.2-2.0mm」です。

 

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ご覧のように先端に行くほど細くなったドリルの刃です。
先端の直径が1.2mm、そこから付け根に向けて28mmの長さの間で直径が2mmになっています。
つまり28mmの長さの間で0.8mmのテーパーとなっており、この範囲内で、穴を開ける深さによって直径を変えることができるものなんですね。
なお、刃の全長は50mmありますが28㎜ポイントから付け根までは2mmのままですので、このドリルで開けることができる穴は直径2mmまでという事になります。

さて、この1.2mmから2mmのテーパーという太さで一番利用できそうなシーンですが、サーボホーンやコントロールホーンの穴をプッシュロッドのピアノ線がぴったり入るように調節することが考えられます。
ピアノ線が入るホーンの穴を拡げる場合、1.6mmとか1.8mmとかの太さのドリルを使うというのが一般的だと思いますが、リンケージのアタリ(硬さ)の強弱の好みは人さまざまだと思います。
ちょっと固め(渋め)のほうがガタが無くて安心、という方もおられるでしょうし、少し緩めで(もちろんガタは無しで)スムースに動いたほうが好き、という方もおられるでしょう。
そんな時このテーパードリルビットを使えば、サーボホーンやコントロールホーンの穴の直径を微妙に調整することが出来るので大変重宝すると思います。

 

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これはFUTABA製サーボの一般的なサーボホーンの穴にテーパードリルビットを差し込んだところです。
穴の直径は1.5mmとのことですが、ご覧の位置まで入りました。

 

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同様にJR製サーボのホーンに入れてみました。
FUTABAの場合とほぼ同じですね。

 

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このホーンの穴を、一般的な1.8mmピアノ線が入るように広げてみましょう。
まず今回使用するピアノ線の直径をノギスで測ったところ、直径1.78mmと表示されました。

 

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テーパードリルビットを電動ドライバーに取り付けて使用しました。
ちなみに、このビットのシャンク(軸)は一般的な六角シャンクになっていますので、そのまま簡単に取り付けることができる工具も多いでしょう。

今回使用したサーボホーンはプラスチック製ですので、一気にドリルを押し込んでしまうと穴が大きくなりすぎてしまいます。
ですから、ほんの少しづつドリルを回して穴を拡げてはピアノ線を差し込んで、現物合わせをしながら広げてゆきます。
この時、片面からだけ開けず、両面から交互に少しづつ拡げるようにすればよいと思います。

 

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少しきつめですが、ピアノ線が入る太さまで穴がひろがりました。
これから先、もう少し広げてスムースに動くほうが良いのか、少しきつめのほうが良いかは皆さんのお好みで調節してください。

このあたりの0.1mm以下の「微調整」ができるのがこのテーパードリルビットの最大の特徴だと言えます。

 

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1.8mmピアノ線がぴったり入るように広げたホーン(左側)と加工前(右)のホーンの穴をビットに差し込んでみました。
ご覧のように、深さにして5mmほどの差になりますね。この深さの差が穴の直径の差になるわけです。

このほか、早速使用されたお客様からこんな用途もあると聞きました。
それは、タッピングビスをべニアのサーボマウントなどにねじ込む時、それも粗悪なべニア板に。
錐で下穴を開けたり下穴なしでタッピングビスを強引にねじ込もうとすると積層したべニアがバラバラになってしまうことがあるそうです。
そんな時、このドリルビットを使うと、無理やりベニヤ材を押し広げるのでなく、ちゃんと刃で切り拡げてくれますので、(粗悪なべニアにでも)先細の下穴をきれいに開けることができるという事です。

メカ積みなどに重宝する「テーパードリルビット」、ぜひあなたの工具箱に一本お備えください。

 

さて、先週に引き続き「模型ホビーショー先取りセール」のお知らせです。
9月21日(水)までの期間限定で開催中で、商品の追加も随時行っています。
ぜひ一度セール会場をご訪問ください。

 

 

 


Tahmazo リポセイバー

今回は、当店の入荷・再入荷情報の欄でお知らせしました「リポセイバー」についてです。

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まずは「リポセイバー」って、あまり聞きなれない名前ですのでそのあたりから。

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メーカーの説明を要約するとだいたいこんな内容です。
「リポバッテリーは高性能ですが、満充電や満充電に近い電圧で保管するとバッテリーが膨れてきたり機能の低下を招きます。それを防ぐためにはリポを保管に最適な電圧にしておく必要があります。
リポセイバーは、満充電や満充電に近い1~4セルのリポバッテリーパックを各セル3.85Vの保管に最適な電圧まで放電するものです」
という事なんだそうです。

 

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なるほど、商品のサブタイトル?に書いてある「保管用放電器」、すなわち最適な状態でリポを保管する(セーブする)ための装置、という事で「リポセイバー」なんですね。

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さて、この記事の最初の写真はリポセイバーのオモテ面ですが、こちらは裏面です。
プリント基板そのままで特に保護カバーなどはついていません。もちろん絶縁処理はしてりますのでこの状態ではショートなどの心配はありませんが、乱雑に扱って絶縁被膜が取れたり、プリントパターンに傷が付いたりすると故障の恐れがありますので取り扱いには気を付ける必要がありますね。

裏面の話をさせていただきましたが、これに関連することで店主が使ってみて気になったのが基盤、特に裏面ピンに近い部分の発熱です。
放電電流は1セルあたり80mAと比較的少ないのですが、リポバッテリーの電圧が高い放電初期、特に満充電のリポを放電する時には基盤、特にこの黒い裏面の一部がかなり熱くなります。不用意に基盤をギュッと握ったりしせず、必要な時は周囲のエッジを軽くつまむようにして持つように心がけてください。また、お子さんやペットが触れないよう、使用場所にも配慮が必要ですね。
早速、商品や説明書にその旨、注意書きをしたほうが良いのでは?とメーカーに申し入れをしましたので、次期ロットからは注意書きが入るようになると思います。

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前置きが長くなりましたが、とりあえず使ってみました。

メーカーの説明にある通り「充電用SCVコネクタ」に接続するだけ、すぐにリポのセル数に応じた赤色LEDが点灯します。
あとは各セルの電圧が3.85Vに下がり、自動的に放電を停止、LEDが消えるのを待つだけ、という事になります。

念のため、どれぐらいで放電が終わるか時間をはかってみました。
リポは、テスト時間短縮のため2セル、容量360mAhの小さなものを用意しました。
リポセイバーの規格を見ると「放電電流80mA」となっています。
この電流で360mAhの容量のリポを50%まで放電するとなると、単純に計算して360mAhの半分の容量180mAhを放電電流の80mAで割る、という事になりますね。すなわち、180mAh÷80mA=2.25=約2時間15分、実際は電圧が下がると放電電流が少なくなるのでもう少し時間がかかるかな?と思いました。
その結果ですが、スタートからランプが消えるまで2時間20分! ほぼ計算通りでした。

ちょっと時間かかりすぎ?とも思いますが、これは放電停止後の電圧上昇を抑えるのと、放電時の基盤の温度上昇を抑えるために放電電流を少なく設定していると思われますので致し方ないところですね。

 

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放電終了直後の電圧をバランサー付きリポメーターでチェックしてみました。
3.85Vと3.86Vになっています。わずかに電圧差がありますが、規格の3.85V±0.05Vに収まっています。

予備に持って行って使わなかったバッテリーがある時や、充電して楽しみにしていた週末が雨になってリポを使えなかったりしたした時に非常に重宝するものです。
ただ、放電に時間がかかりますので、たくさんバッテリーをお持ちの方はいくつか持っておかれたほうがよいのではと思います。

さて、恒例の全日本模型ホビーショーが間もなく東京で開催されます。
いつもどおり当ショップはOK模型ブースにて9月24日、25日の一般公開日、会場にて直売を致します。
お買い得商品をたくさんご用意してお待ちしておりますので、ご来場の節はぜひお立ち寄りください。

また、こちらも恒例の「模型ホビーショー先取りセール」もまもなく開始致します。
ぜひご期待ください。

 

 

 


TOPMOPDEL 焼結燃料フィルターって?

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先日、トップモデルオリジナル商品として「焼結燃料フィルター(グロー用)」を新発売しました。

この燃料フィルターの特徴はというと、名前にもあるとおり「焼結(金属)フィルター」を使っていることなんです。
「焼結」って、あまり聞きなれない言葉ですが、細かい金属の粒を融点前後の高温で焼き固めたもののことです。
価格が高くなりますが、工業用としても使われている優れたフィルターの素材です。

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これが「焼結フィルター」で直径5.5mm、長さ5mmです。
ちなみに当社製品は材料に微小な銅粒をつかっています。
金属粒の細かさがお分かりになると思います。
この粒は適当な形、大きさのものを混ぜたものではなく、大きさが揃った球体になっているのにも注目してください。
写真のように、丸い形は残りつつ、金属粒同士が溶けてくっついていますので強度があり、しかも粒と粒の間には隙間が残っています。
この小さな隙間がフィルターの役目をするんですね。

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焼結フィルターには小さなO(オー)リングをつけて使用します。
掃除をしたあとの再組立て時は小さなリングの取り付け位置(写真では左寄り)と焼結フィルターの挿入方向を間違えないようにする必要があります。

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説明がアトサキになりましたが、ブルーのアルマイト加工を施したアルミ製の本体はねじ式で2分割されており、中央部にフィルターが入っているのはよくある模型用のフィルターと同じです。

で、この本体にはちょっとしたアイデアを盛り込んでいるんです。
それが写真に見える白い矢印の刻印で、これは燃料の流れる方向を示しています。
フィルターを取り外して元に戻す時に、向きを逆につけてしまってフィルターのごみが全部キャブレターに・・・・(泣) っていう間違いが無くなりますよね。

写真では右に燃料タンク、左側をエンジンのキャブレターに配管することになります。

繊維質のフィルターや金属の網を使ったフィルターが多い中、細かいゴミも逃さずキャッチし、しかも耐久性に優れたトップモデルオリジナル「焼結燃料フィルター(グロー用)」をぜひ一度お使いください。


ABスピンナー・クロームの秘密

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本日、当ショップで取り扱いを始めましたABスピンナーのクロームという商品、メーカーさんの触れ込みでは「本当のクロームメッキ」を施したABスピンナーということです。

どこが「本当のクロームメッキ」なのかということを聞いたところ、以前OK模型取り扱いのABスピンナーにも「クローム」というカラーは存在したのですが、これは厳密にいうと「クロームメッキ」ではなく、プラスチックにアルミ蒸着メッキを施したものだそうなんです。

ちょっと目には変わりがないように見えますが、実はメッキの強度にかなりの差があるそうです。
私の経験でも、以前の(アルミ蒸着の)クロームカラースピンナーにスターターをかけた時にスリップさせると、スピンナー表面に輪が入ったように傷がついたり、ひどい時にはメッキの下のプラスチックが出てきたりしたものです。

じゃ今回発売されたABスピンナーのクロームは?というと、クロームメッキはアルミ蒸着に比べると被膜が非常に硬くて傷がつきにくいのが特徴だそうです。
ところが、メッキを施すにはプラスチックに、まず下地として銅メッキを施してからその上にクロームメッキを施すという、高度な技術と手間がかかるそうなんです。

で、今回のテストは本当に銅メッキをしてクロームメッキをしてるの?という、メーカーさんを疑うような内容なんですよ。
その方法ですが、ストレートにサンドペーパーでメッキ部分を削ってみるだけというものなんですけでどね。
(テスト後の製品は、見てくれは悪くなりますが店主用に大切に使わせていただきます)

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とりあえずサンドペーパーで恐る恐る削ってみました。
何かつるつると手ごたえがない感じで、被膜の硬さを感じます。

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少し力を入れて削った後です。
クローム部分に傷がつきましたが、銀色のままです。
問題の?銅メッキはまだ見えません。
(クローム部分にカメラが映り込んでいますがご容赦くださいね)

 

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更にペーパーをかけ続けると、見えてきましたよ、銅色の部分が。
確かにクロームメッキの下には銅メッキが施されています。

 

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さらにペーパーをかけ続けると、本体のプラスチックが顔を出しました。
銅色の中の黒い小さな傷のように見える部分ですね。

 

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腹をくくって(大袈裟ですけどね)削り続けた結果がこれです。
銀色のクローム部分、赤みがかった銅の部分、そしてプラスチック部分というのがよくお分かりになると思います。

ちょっと手荒いレポートになりましたが、同じ銀色でもアルミ蒸着メッキとクロームメッキがあるということと、クロームメッキは強度を得るために手間がかかっているということをおわかりいただけたでしょうか。

これまでのアルミ蒸着のクロームカラーに今一つ満足できなかったあなた、ぜひ一度このPILOT ABスピンナー・クロームをお試しください。
45mm、51mm、57mm、61mmの4種類を発売中です。