TOPMODELマルチコプター レビュー その(2)

新しくTOPMODELオリジナル商品の仲間入りをしたマルチコプターF450、前回はセットの内容をざっとご紹介させていただきました。

今回はこのモデルの一番の特徴であるフレームをご紹介させていただきます。

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これはフレームにモータースピードコントローラーを取り付けたところですが、ご覧のようにフレームは4本のアームの端を上下2枚の基板の間に挟み込み、ビスで固定する構造になっています。アーム1本を6本のビスで基盤に取り付けていますのでアーム4本で合計24本ですね。ネジ24本を締めるだけでフレームは出来上がり。次にモーターを4本のネジで止めます。こちらはアーム4本分で16本です。
しめて40本のネジを締め付けるだけ、それこそあっという間にほぼ形になってしまいます。

 

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フレームが簡単に組み上がるのと併せて、動力用配線にプリント基板方式を採用しているのも大きな特徴です。これは下部基盤です。この中に配線が仕込まれています。

 

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配線は超簡単。写真のように指定のポイントにバッテリーやスピードコントローラーのリード線をハンダ付けするだけです。コントローラー1個につきプラスとマイナスが1本ずつですから、合計8カ所、バッテリー用の配線が2カ所、全部でハンダ付け10カ所で電気関係の工作は終了です。基盤にはプラス、マイナスの表示がしてありますのでプラスに赤線、マイナスに黒線をハンダ付けすることで間違いなく配線できます。本当にシンプルで、配線作業は楽々です。なお、実際の作業ではフレームを組む前にハンダ付け作業を済ませておきます。

 

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出来上がりはこんな具合です。
嘘のようにすっきりしていますね!中央の2本はバッテリーにつながる線です。普通なら結構太い配線がフレームの中を這いまわって見苦しいばかりか、接続箇所も多くなり、トラブルの火種を抱えることになりかねませんが、F450のプリント基板方式ではそんな事もなく、また点検作業も容易です。

どうですか、トップモデルオリジナルF450が短時間で簡単に組み上がる理由がお判りになったでしょうか。
六角レンチや半田ごてなどの工具の用意さえ出来ていれば、そしてあなたが電動ラジコン組み立ての経験があれば、2時間もかからずに組み上がるということに納得されたと思います。

あっ、工具ということでお伝えしておかないことがあります。
それは、このキットには六角レンチなどの工具類は一切入っていないという事なんです。"(-""-)"申し訳ありません。

ということで(どういう事でや!!と突っ込まないでくださいね)、F450の発売と同時に「TOPMODEL 工具セット」を発売致しました。マルチコプターだけでなく模型製作の色々なシーンに使える、便利ツールセットです。ぜひ一度ご覧ください。
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 さて、次回はF450のモーターやプロペラなど、動力関係のレポートです。気になるパワーユニットの消費電流やプロペラの回転数、そして推力などのデータも調べてみたいと思いますのでご期待下さい。

 

 


TOPMODELマルチコプター レビュー その(1)

皆さんすでにご存じかと思いますが、先日から当店ではTOPMODELオリジナルマルチコプターの取り扱いを開始しています。

最初の製品は向かい合うアームの端から端までの寸法が450mmのクワッドコプターです。

4本アームのFourと450mmを組み合わせてF450という名前にしてあります。

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セットに入っている主なパーツはこれからご覧いただくように僅かな点数ですから、ハンダ付けも含めて数時間あれば形は出来上がってしまいます。

まずはメインとなるフレームのパーツです。2枚のプリント基板と4本のアーム、そして取付ネジ、これだけで構成されています。

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別売のカメラジンバルなどを取り付ける際に必要となる外付けの脚も入っています。

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モーター、アンプ、カーボンペラなどの動力関連パーツ。4組入っています。

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マルチコプターの心臓ともいえるコントローラー。基本機能に絞り込んだ分、パソコンを使わずシンプルに設定出来ます。大きさは横43mm、縦30mmです。

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どうです?ヘリや飛行機のキットと比べると格段にパーツ数が少ないですよね。

 このモデルは、とにかくシンプルに、かつ導入コストを低く押えてに、手っ取り早くマルチコプターのフライトを経験してみたいというかた、特にラジコンヘリや飛行機の経験があるモデラー向けの製品です。

動画撮影などを前提にした高価で高度な機能を持ったモデルとは異なり、GPSや高度センサーも装備していませんので、操縦はマニュアルで行います。ですからワンタッチで離陸地点に帰投するゴーホーム機能などはありませんが、その分設定はシンプルで、パソコン等を使う必要はありません。

とにかく自分の体でマルチコプターの基本的な操縦技術や理屈をマスターしたい、という方にぴったりのモデルです。

当店ではスペアパーツはもちろん、カメラを搭載するジンバルも取り揃えていますので練習を重ねて動画撮影なども行っていただけます。また、機体や動力はそのままで、コントローラーだけをGPSなど高度な機能がついたものに取り替えることも可能です。

個々のパーツについては、次回以降もう少し詳しくご紹介していきますのでお付き合いくださいね。


オリンピア 胴体を見る(2)

前回、グライダー大会観戦記でお休みしましたが、再びオリンピア箱開けシリーズに戻ります。

初めてバルサキットに挑戦するモデラーのための飛行機という事で、設計者の気遣いやこだわりをあちこちに見る事が出来るオリンピアですが、今回は胴体のプランク(板張り)について見てみましょう。

(その1)で見た通り、胴体はほぼ完成しているのですが、胴体の上面と下面にベニヤ板やバルサ板のプランク板を貼る作業が残っています。

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プランク作業で注意することは、胴 体に貼るバルサのプランク材は加わる力の向きの関係で木目を胴体の縦方向(進む方向)に対して横方向にしなければならないんです。一枚の長い板をべったりと貼るのでなく、一枚一枚を貼る場所の胴体の幅に合わせてカットしなければならないんですね。当然オリンピアのレーザーカット部品もそのように一枚づつ幅が変わっているんですが、ここから先に一工夫があります。

 

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こ れがレーザーカットされたオリンピアのプランク板です。当然のことながら、それぞれのパーツの幅が違っていますよね。そして、よく見ると、前後の端が直線でなくジグソーパズルのように異なった形に レーザーカットされているのがお判りでしょうか。この形を合わせながら板を貼ってゆくことで、貼る順番を間違わずしかも歪まずにきっちりと貼ること が出来るんですね。

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組立説明書はこんな具合です。ここで、よく見ると上面のジグソーパズルの線は直線の組み合わせで、下面の組み合わせは曲線の組み合わせになっていますよね。

 

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実物はこんな具合です。手前が直線で上面用、奥が曲線で下面用です。こうすることで、同じ幅の所でも上下を間違えたり上か下か考える必要が無くなるはずです。
ちょっとした気配りというか、設計者の遊び心が感じられるところですね。

胴体からは外れますが、同じプランクということで主翼中央部分はどうなっているかというと・・・

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一枚づつ合わせ目の切り欠きの形を変えてありますね。これなら前後を間違えることなく作業が出来ます。それと細かいことですが、左右のプランクの突合せ面、一見直線のように見えますが実はここは翼の上面のカーブと上反角の加減で微妙にカーブを描いた形になります。ここをピッタリと合うように削るのはベテランモデラーでも苦労するところなんですが、オリンピアの場合はそのような形に初めからレーザーカットされていますので、多分ほとんどの方は気づかずに作業を終わられると思います。なかなか奥が深いですね。

 

と いう事で、4回にわたって「半生地完成キット」というあまり聞きなれないパターンの機体「オリンピアの中身を見てきました。箱を開けてざっと見ただけで も、正確に組まなければならない箇所や組立が難しい部分、そして不慣れな方が間違えやすいところがすでに出来上がっており、残った部分もこれまでのキットになかった工夫がされていますので、初めてバルサキットに取 り組まれる方にはうってつけの機体が現れたとの印象を受けました。
また、メーカーからはこのオリンピア専用のフィルムセットも発売されましたので、そちらもどんなものか近いうちにレビューを掲載したいと思っています。

 

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さて、次回はトップモデルが販売を開始したマルチコプター「TOP MODEL F450」をご紹介させていただきます。

 

 

 

 

 


オリンピア 胴体を見る(1)

半生地完成キット・オリンピアのキットレビュー、今回は胴体を見る、その1です。

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写真のように左右の側板の間に胴体の骨組みともいえる胴枠やサーボトレーなどが組み込んで接着されており、胴体としての基本的な形が出来上がっています。(写真に見える黄色いテープは後で接着する機首上面と下面のパーツを仮止めしてあるものです)
この胴体が歪んでいると、出来上がった飛行機がまともに飛ばないという事になりかねませんので正確に組み立てるのが肝心なんです。

また、一番前の胴枠(防火壁)には微妙に角度が付いていますので、そのあたりも間違わずに組み上げる必要がある、など結構気を遣う部分が多いんです。

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これは胴体を上から見たところですが、このようにたくさんの胴枠や板材を間に挟みながら、しかも単純な長方形の箱でなく前と後ろで絞り込んでありますので、センター(中心線)がまっすぐに鳴るように組み立てるのはベテランでもなかなか至難の業なんですよ。

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裏側を見るとこうなります。
このような形になるまでの工程が肝心なところで、工場でジグを使って正確に組み立て済みである半生地完成機の大きなメリットですね。

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機首部分のクローズアップです。
上面には取り外し式のハッチがつく大きな穴があいています。完成後はここからバッテリーの出し入れをするんですね。

 

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裏返して見みました。
第一胴枠にはメーカー指定のアポロモーターの取付ビス穴が開いているのが良く判ります。
そして断面は真四角、つまりブツ切りですよね。

せっかく直径38mmのスピンナーと一体になったアポロ―モーターを使うんですから、当然機首はそれに合わせて丸い断面にして絞り込んであると思っていたんですが・・・・
で、何で?という事でOK模型の担当さんに尋ねたところ、即座に「フィルムを貼り易くするため。オリンピアはバルサキットに初めて挑戦するかた、そしてフィルム貼りの経験が少ない人向けの飛行機ですから。理由はそれだけです」という単純明快な答えが返ってきました。

なるほどね。確かに丸くて先細になった部分のフィルム貼りって、結構難しいものです。機体を組み立てたあとのフィルム貼りの事まで考えてデザインされているとはね。なかなか奥が深いですね。

今回ははここまで、ということで次回は実際に胴体の工作をするつもりで、もう少し突っ込んでレポートしてみます。まだまだ奥深いうんちくが詰まっているようですから、お楽しみに。

話変わって、トップモデルジャパンでは今話題のマルチコプターの取り扱いを始めました。模型として組み立てからフライトまでを楽しめるキットという事で、あまり費用をかけずにマルチコプターの世界に入ってゆくことが出来ます。まだまだ充実させなければならないと思っていますが、マルチコプターのコーナーをぜひ一度覗いてみてください。


オリンピア 主翼を見る

オリンピアの箱を開けてみました、今回からは聞きなれない「半生地完成機」の実態に迫ってゆくことにします。

とりあえず、箱を開けて一番に目につく主翼から拝見、といきましょう。主翼、といってもオリンピアの主翼はメインとなる内側の翼(内翼)とその外側の外翼から構成されているんですが、半生地完成になっているのは内翼です。

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ご覧のように内翼はリブ、スパー材、プランク板であらかた出来上がりとなります。写真右側が左翼、左側にあるのが右翼パネルです。

ご覧になってお判りのように左右のパネルはパーツの配置が違っていますので注意が必要です。
この骨組みともいうべき肝心なところを正確に作らずに(作れずに)、次の工程に進んでしまうと歪んだ主翼が出来てしまって、せっかく苦労して作った飛行機がうまく飛ばない、なんていう困った状況になってしまいます。

この肝心なところを、工場で正確に組んであるというのは大きなメリットであり、キット組立に不慣れなモデラーの大きな助けになるのは間違いないところです。

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ところで、オリンピアの主翼は中央と、外翼の取付部で2段階に反り上がっている「2段上反角」がついています。そのため、翼パネル同士の突合せ部分(両端)のリブは上写真のように直角ではなく、上反角に合わせて少し角度をつけて(寝かせて)組む必要があります。主翼パネルを突き合わせるときにこの部分の角度がきっちり決まっていないと、2枚のパネルを合わせた時に正しい上反角にならなくなってしまいます。この部分の工作も製作に不慣れな方にはなかなか難しく、ここがきっちりと出来上がっているというのも非常に助かるところです。

ですから、オリンピアでの主翼作りの最初の工程は、正確さを要求される主翼のパネル組みはスキップしていきなり前縁(材)、後縁(材)を出来上がった骨格に接着することから始めます。

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そこで前縁材と後縁材を取り出してみたのですが、それぞれの棒材の片側に赤い丸がついているのに気が付きました。

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何で?という事で組立説明書をよく見ると、赤い丸印の付いている方が翼の中央寄りだというんですよ。
確かに、先程見た翼パネルの両端のリブは上反角を付ける都合で傾いていましたよね。普通はそこに前縁材あるいは後縁材を付けた時にリブの角度に合わせて端を斜めにカットするんです。カットするといってもごく僅かです。僅かなだけに細かい作業が要求されますので、きっちりと角度を出すのはベテランモデラーでもなかなか難しいところなんですよ。

オリンピアの前縁材と後縁材はなんとその分、両端を斜めに機械加工して切り落としてあるんですね。しかも内側と外側は角度が異なりますので、わざわざ赤丸をつけて内と外を区別しているんですね。

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仮に前縁材を置いてみましたがご覧のように傾いたリブと前縁材の切り口の角度がピッタリ合いました。何とも芸が細かい!!参りました。

そのほか、主翼に貼る薄板(プランク板)も貼る場所を間違えないように細かい気配りがしてあるようですが、そこのところは、次の胴体の解説で説明させていただきます。