アイランドブリーズスプラッシュの箱開け(2)

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きれいに水をかき分けて中速でタキシングするアイランドブリーズスプラッシュ(以後スプラッシュと呼ばせていただきます)。
尾部が下がり、水中舵がしっかりと水の中に入っています。
左右にきれいに上がった水しぶきは水上機の爽やかさを演出する最大の要素ですが、フロートの設計を誤るとむやみに水しぶきがあがったりきれいに離着水できなくなってしまう場合もあります。

 

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一方こちらはプレーニング状態のスプラッシュ。
完全にステップだけで高速滑走、水中舵も水から離れ今すぐにでも上空に駆け上がりそうな一瞬です。

OK模型はこれまで数多くの水上機、飛行艇を世に出しており、フロートの大きさ(容積)、底面の形状、ステップの位置と形などに多くののノウハウを持っており、スプラッシュにはそれらがいっぱい詰まっているはずです。

それでは、メーカーホームページでもあまり見ることが出来ないスプラッシュのフロートの詳細を以下の画像でご紹介してゆきましょう。

 

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まずは全体の形を見たところです。
一世を風靡したEZフロートを思わせるスタイルですが、EZ以降に発売した数多くの水上機、飛行艇で得られた多くのノウハウを反映した完全新設計ということです。

ご覧のようにステップの前後の長さの比率が同じでなく、後部がかなり短くなっています。したがってステップより後の容積も少なくなっていまので、水面に静止しているときは後が下がった姿勢です。でもこれは人が乗る実機ではないので水平である必要はなく、それよりもエンジンをふかして加速する時に機首が下を向いてプロペラが水面を叩いてしまうしまうのを防ぐという、模型ならではの工夫だそうです。

 

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裏返したところです。ステップより前の部分は荒い着水に耐える強度(割れにくさ)が要求される部分ですので、底全面に成形プラスチックを貼ってあります。
底は単純な平面でないのが良く判りますね。

 

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先端部のクローズアップ。底面は3次元曲面で滑らかにカーブを描き、いかにもきれいに水をかき分けそうな形状です。
センターライン部はさらに補強板が重ねられています。いくら内部に発泡スチロールが詰まっていて沈没の恐れが無いとはいえ、壊れてしまうのは嫌ですものね。

 

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方向を変えて、フロートの前半部を後ろから見たところです。
先端部の底面がカーブを描いており、後方のステップ部分ではカーブが無くなっているのが良く判りますね。
この曲面から平面につながる滑らかな曲線が一番の特徴で、いかにも水をきれいに切りそうな感じがしますね。
また、この写真では左右のエッジにつけられた「波押え」も良く判ります。

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一方、こちらはプレーニング状態のステップ部分のクローズアップです。このステップの位置、形が離水のしやすさの鍵なんですね。
そのステップは下のようになっています。

 

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ステップは(進行方向に対して)横一直線のブツ切りではなく、前(写真では左方向)に向かって少しV形になっています。
このVは離水時よりも着水時に有効で、接水した瞬間にいきなりペタンと水面に張り付くのではな、くスムースに着水出来るのだそうです。
同時に底面もまっ平らではなく、左右が少し上に上がっています。このV型の底面はステップから後にも続いています。

ここまでの写真でご紹介した複雑な形状のフロート前半部にメーカーのノウハウが詰まっていると思いますね。

 

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最後にこちらは前傾した形が特徴のフロート後端部です。

さて、ご紹介させていただきましたアイランドブリーズスプラッシュ、申し訳ありませんが8月2日現在、当店では品切れ中です。
メーカーに問い合わせたましたところ、あと一週間ほどで次のロットが出るという事です。
入荷次第、当社ホームページトップの「入荷・再入荷情報」欄でご案内させていただきますので、今しばらくお待ち下さいます様、よろしくお願い致します。

 

 


アイランドブリーズスプラッシュの箱開け(1)

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発売が待たれていたOK模型の「アイランドブリーズ スプラッシュ」ですが、先日やっとメーカーから出荷されました。
ところが当店への入荷数(割当数)がごく少数でしたので、ショップに掲載するや、あっという間に売り切れてしまいました。
お待ち頂いていながら手に入らなかったお客様にはお詫びを申し上げます。
メーカーでは増産に励んでいるという事ですので、おいおい入荷してくると思います。申し訳ございませんが今しばらくお待ちください。

さて、今回はそのアイランドブリーズ スプラッシュ(以後「スプラッシュ」と省略)の箱開け紹介をさせていただきます。
今後購入を考えておられる皆さん、ぜひ参考になさってください。

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上写真は以前当ブログでご紹介させていただいた陸上型の「アイランドブリーズ」の構成パーツです。
水上機型のスプラッシュはベースとなるアイランドブリーズのメインギアの代わりにフロートがつく、と考えてよいみたいですので、写真で黄色いバツ印をつけたパーツがスプラッシュでは入っていなくて、かわりに、この後ご紹介するフロートのパーツが入るわけです。

細かいことですが、尾輪にバツ印が入っていないのに気が付かれたかたもおられると思います。でもこれは間違いではありません。さすがに尾輪のタイヤは使いませんが、ラダーと連動して尾輪を動かす仕組み(パーツ)をそのまま水中舵を動かすのに使うようになっているのでそのままなんです。

主翼、胴体などの共通部分については、以前のブログ
アイランドブリーズ箱開け(1)
アイランドブリーズ箱開け(2)
アイランドブリーズ箱開け(3)
アイランドブリーズ箱開け 番外編を見ていただくとして、今回はスプラッシュ独自のパーツを見てゆくことにさせていただきます。

 

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まずフロート本体です。
写真のように完全に出来上がっています。
外皮は少し固めの薄いプラスチックシート?のようで、先端や支柱取付部、ステップなど要所はABSプラスチックの成形品で補強されています。

でも、内部構造が気になりますよね?乱暴な着水でフロートが壊れた時などに浸水して沈んでしまう事は無いんでしょうか。
そこでOK模型さんに尋ねたところ、「内部はほぼフロートと同じ形の発泡スチロールのコアが詰まっています。ですから水の入る空間がほとんど無く、沈没する恐れは無いですよ」とのお返事をいただきました。

 

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こちらはフロート支柱です。支柱と言ってもピアノ線ではなく、捩れや曲げに強いジュラルミン製の板で、胴体とフロートにはタッピングビスで固定します。

 

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このほか、後部胴体に取り付けるフィンがあります。陸上機にフロートを付けて水上機にするとどうしても直進性が悪くなりますので、その対策としてほとんどの水上機(実機でも)はフィンをつけたり垂直尾翼を大きくしています。本機のフィンも同様の目的で、後部胴体の下面にタッピングビスで取り付けるようになっています。

その右のカーボン支柱は、左右のフロートを繋ぐもので滑走中や飛行中にフロートがバタつくのを防ぎます。

水中舵は最初に少し触れましたが、尾輪を動かすリンケージを利用してラダーと連動する様になっています。

 

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これは機体に貼るステッカーです。陸上型と同じものに「Splash」のロゴが追加されています。
どこに張っても良いですが、メーカーデモ機はフィンに貼っていますね。

 

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ここまでスプラッシュのフロート関係パーツをザッと紹介させていただきました。

次回は水上機の命とも言えるフロート本体について、気になるポイントである接水面やステップの形状などをご紹介させていただきます。

 


水上機の季節です/アイランドブリーズスプラッシュ

梅雨本番、うっとうしい雨模様の日が続く毎日ですが、この梅雨が明ければ夏本番、水上機ファン待望の水の季節到来!
ということで、先日、琵琶湖で開催された水上機大会にお邪魔してきました。

 

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主催はKMA、関西模型クラブ連合会で、今回で50回目という歴史ある催しです。

 

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朝早くから琵琶湖畔の会場にはたくさんのマニアがあつまり、思い思いの場所に陣取ってフライトの準備です。
主催者の話では述べ38名がエントリーとのことでした。

 

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小雨の中、仲間の手を借りて愛機を湖面に浮かべます。

 

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水しぶきをあげて水面を滑走、離水。この瞬間がたまりませんね。

 

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スケール機の二式水戦(平たく言えばゼロ戦の水上機バージョン)で素晴らしいナイフエッジ飛行を見せる猛者も。

 

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競技開始早々から小雨がぱらつく中、皆さん気持ちよく航跡を残しながら離水、曲技をしたりと、水上機ならではのスリリングな離着水と飛行を繰り返しておられました。

 

 ところで、今回お邪魔した目的の一つがこの機体なんです。

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楕円型の主翼にターコイズとオレンジのカラーリング。どこかで見た事のある機体ですが・・・・・。
そうです、皆さんご存知の「アイランドブリーズ」をベースにした姉妹機で、近日発売になるOK模型製ARFの水上機「アイランドブリーズ スプラッシュ」です。
実は、このアイランドブリーズスプラッシュの初公開デモ飛行が行われるという事で琵琶湖に行ったんですよ。

 

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アイランドブリーズスプラッシュは、アイランドブリーズの特徴であるハイアスペクトのスラリとした主翼を持った機体にフロートが組み合わさり、これまでの水上機にはなかった新鮮な印象を受けました。
一つ上の写真では、陸上機を水上機に変更する際のお約束、フロート装着による直進性の低下を防ぐために胴体後部下側にフィン(ヒレ)が追加されている事もわかりますね。

 

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SAITO FG-11ガソリンエンジンを搭載したデモ機は、OK模型社長高松氏の操縦で気持ちよく湖上を飛びまわりました。
余談ですが、エンジンスタートには当店トップモデルオリジナル ハイパワーリダクションスターターを使っていただいておりました。

 

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フラップを下げてスローフライトを見せてくれました。

 

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湖面をゆっくりとローパスする姿は、SAITOエンジンのマイルドなサウンドと相まって、ゆったりした飛行を楽しむというアイランドブリーズの雰囲気そのものでしたね。

 

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着水寸前、離水と共に緊張する瞬間ですが、カッコいいですね。
この緊張を楽しむために水上機を!と言う方も多いはずです。

 

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この「アイランドブリーズ スプラッシュ」、発売日が気になるところですが会場で高松社長にお伺いしたところ7月中旬発売予定との事でした。
楽しみにしておられるかたも多いと思います。
入荷次第、当店ホームページの「入荷・再入荷情報」でお知らせしますのでチェックをお願いします。

さて、ここでセールの情報です。
本日より7月20日まで、当ショップ恒例のBIGサマーセールを開催、数量限定、特価商品を多数揃えています。
また、お買い上げ10,800円以上で送料無料キャンペーンも期間限定で実施中です。
セール期間中は特価商品を随時追加してゆきますので、キャンペーン会場から目を離さないで下さいね。

 


スペースウォーカー箱開け(2)

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ゆったりとスケールフライトを楽しめるというのがウリのV-pro スペースウォーカー、今回は胴体関係を見てゆきます。

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胴体とカウルを並べたところです。
カウルはグラスファイバー(FRP)製で塗装済みとなっています。

 

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仮にカウリングを胴体に取り付けてみるとこんな感じです。

 

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胴体を前から見たところ。実機は空冷水平対向エンジンの搭載が標準ですから、横長の空気取り入れ口が開いています。

 

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カウルの後ろ側から中をのぞいたところです。白色ゲルコート仕上げに赤の塗装で仕上げられているのが判ります。

 

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胴体先端の防火壁です。この機体はOK模型が輸入販売しているDLE30エンジンの倒立搭載が標準ですから、それに合わせてエンジン取付ビスの穴が開いています。

 

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同じく防火壁部分をひっくり返したところです。倒立搭載に合わせて写真のようにシリンダー部分の空気が抜けるようにエアー抜きトンネルが作られています。

 

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胴体上面、コックピット部分は取り外し可能な大きいハッチになっています。

 

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サーボや受信機、電源バッテリーなどの搭載は容易に行えますし、飛行場では機体に主翼を取り付けたままで飛行前点検やメンテも楽々ですね。

 

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燃料タンクもこのハッチ部分から搭載しますが、ご覧の用に広々したスペースがありますので余裕です。

次回、最終回は尾翼、メインギア、小物部品などをご紹介させていただく予定です。

さて、ここでゴールデンウィーク中の当店の営業スケジュールについてのお知らせです。
まず、4月29日(祝)、30日(土)は臨時営業いたしますので、両日ともに午前11時までにご注文を頂きますと当日出荷させていただきます。
次に、5月1日(日)から5日までは休業となります。
なお、休業期間中のご注文は、5月6日より順次発送となりますので、よろしくお願い致します。


スペースウォーカー箱開け(1)

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箱開けシリーズ、今回はOK模型の30ccガソリン機「V-proスペースウォーカー」を取り上げます。

実機は手作りの軽飛行機、いわゆるホームビルト機で、模型の世界ではノンビリフライト派のマニアに人気のスケール機としてよく取り上げられている機体です。このOK模型の機体は実機の1/4スケールモデルになっています。

飛行性能は低翼機ながら大き目の矩形翼を採用していますので、低翼面荷重を利してゆっくりフライトを楽しむことが出来ます。更に、キットには上の写真で見えるように、実機にないフラップを装備することで更に低速性能を向上させていますので、低速性能を生かしたスケール飛行を楽しむことが出来ます。

 

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さすがにガソリン30ccクラスともなると、箱はかなりのボリュームで、中にはびっしりとパーツが詰まっています。
箱を開けると大きなステッカーや尾翼が目に入りますが、まずは主翼のご紹介から始めましょう。

 

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まずは主翼の上面(オモテ面)です。
右の定規は30cmのものですから、翼弦は30cm以上あります。
エルロンとフラップが後縁についていますが、工場出荷状態ではテープで仮止めしてあるだけでヒンジで止り付けられているわけではありません。

 

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こちらが下面(裏面)です。
上面とはがらりと変わって大胆な赤白のストライプにして視認性を高めています。
このカラーリングについてメーカーに聞いたところ、スケール機とは言うものの実在する特定の機体をモデルにしたものではないという事です。

 

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主翼付け根を見たところです。ご覧のような半対象翼型で、バルサリブに桧のスパー、前後縁と中央部はバルサプランクという、軽量化を主眼にした一般的なスポーツ機と同様の構造です。
前縁寄りにある真円の大きな穴は、ジュラルミンパイプの主翼カンザシが入る穴です。

 

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ここで、本機の特徴であるフラップ部分をもう少し詳しく見ることにします。
定規の右上に見えるのがフラップで、スパンが30cm以上ありますね。
さらに、その取付方法が少し変わっています。下写真をご覧ください。

 

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主翼のフラップ部分を裏返したところです。
写真の矢印で示したところにピンヒンジを取り付ける穴があけられています。
同時に、主翼の後縁とフラップの前縁が隙間なくぴったりついていることに注目です。
普通は動翼側の前縁をクサビ型や斜めに削ってあるものですよね。
でも、実機に無いフラップですから、その継ぎ目を見えにくくするための細かい心配りここにあるんです。
ではどんな風にヒンジを取り付けるかを説明書でご覧ください。

 

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ヒンジはピンヒンジを使い、斜めに差し込んで使います。そうすることでヒンジの支点jが主翼とフラップの継ぎ目の下側になるわけです。こうしてヒンジの取り付け位置を工夫することで、フラップを下に大きく下げることが出来ると共に、上に引きあげた時は主翼の後縁とフラップの前縁がピッタリとくっつき、フラップ取付部のヒンジラインの隙間が目立たないように考えられているんですね。

次回は胴体を中心に見てゆきます。

楽しみにお待ちください。