コンボ25Lを作ろう! その9

 TOPMODEL コンボ 25L バルサキットの製作、その9、最終回です。
胴体のフィルム貼りと仕上げをして、完成させていきます。

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フィルムを貼る前に、胴枠周りをマイクロバルーンを混ぜたエポキシ接着剤で補強します。
耐燃料対策として、ウレタン塗料のクリアーをマウントや胴枠に塗るのですが、
塗料を塗る前に、胴枠とエンジンマウントの隙間を同じくエポキシ接着剤で埋めておきます。

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また、水平尾翼が入る胴体後部にブロックを挟んでおきます。
これを挟んでおかないと、フィルムを貼った時にフィルムが縮んで胴体が変形してしまいます。

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胴体は、今回は3ピースで貼ります。下面の前と後、それから側面上面は1枚で貼ることにしました。
経験者の方の中には「え、そんな無茶して大丈夫か」とおっしゃる方もおられるかもしれません。
今回はちゃんとその3ピースで綺麗に仕上げることができましたよ^^方法は後ほど。

フィルム貼りが苦手な方や初心者の方は、下面2枚、側面2枚、上面1枚の合計5ピースで貼ってもいいと思います。

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下面の前と後を貼り、側面に少しだけオーバーラップさせてカットします。

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残りの1枚の貼り方ですが、まずは側面の赤線部分を、しっかりフィルムを引っ張りながら、アイロンでしっかりと押さえて固定しておきます。
ここからはアイロンでは厳しいので、ヒートガンを使用します。
ヒートガンは見た目はヘアドライヤーのようですが、ヘアドライヤーよりもかなり強力です。熱風を当てるときは、離れたところから少しずつ当てていかないと、あっという間にフィルムに穴があいてしまう程です。
特に使用しているAフィルムは比較的縮みやすいフィルムですので、ヒートガンを使って作業する場合は少しずつじっくり全体のシワを取っていくようにした方がいいでしょう。

しっかり縮んで、シワを取ったら、今度はアイロンで生地に密着させていきます。

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前側、エンジンマウント周辺に、はみ出させてしっかり貼っておきます。

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メカ室周りの仕上げ状況です。

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胴体後部は、この後ラダーヒンジが入るようミゾを切っておきます。

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胴体ができましたので、主翼を取りつけるためのベースを接着します。
まずはベニヤのベースを

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このように削って整形し、抵抗を減らすようにしておきます。右側が前側です。

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ベースにフィルムをはり、半田ごてでビス穴を空けます。
主翼にはベースが来る部分をけがいておき、その少し内側のフィルムを切り取っておき、接着します。

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あとは、ノーズギアのベースを取り付けておこうと図面をチェックしたところ・・・

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あれ、これはどう取り付けるんだ!?
これは、胴枠を組み付ける前に、ノーズギアベースを取り付けておかなければならなかったのかもしれません。
タッピングビスでは、着地の衝撃でベースが外れてしまう危険性があります。
そこで、内側に手持ちの爪つきナットを埋め込むことにしました。

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苦労しましたが、なんとか図面通りの位置にベースを取り付けることができました。

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紆余曲折ありましたが、これでようやく完成しました。
キャノピーは接着していません。フィルムの上からステッカーなどで仕上げられたり、キャノピーの内側に何か加工される場合を考慮してのことです。

水平尾翼はエレベーター接着済み、垂直尾翼はラダー側にヒンジを接着してあります。

全9回に渡って、ダイカットバルサキットを1から組み立てて参りました。
いかがだったでしょうか。これからバルサキットを組み立ててみようと思われている方の一助になればと思います。
最近、密かにバルサキットブームかも?という兆しが見られます。
初心者の方も、バルサキットに挑戦して、作る面白味にハマってもらえたら良いなと思います。

 

 

 


コンボ25Lを作ろう! その7

 TOPMODEL コンボ 25L バルサキットの製作、その7です。

いよいよ生地の仕上げに入ります。サンディング作業をしていきます。

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ここからは、サンディングブロックが必須になりますよ。

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胴体のサンディングです。説明用に右半分(写真左側)だけ仕上げてみました。
このままでは分かり難いと思いますので、ビフォーアフターを順に見て頂きます。

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サンディング前です。微妙にヘコミや隙間があるところは、スーパーモデルパテ バルサで埋めています。
パテの使い方のコツについては、こちらこちらをご覧ください。

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サンディング後。きれいに曲面になるように、仕上げていきます。

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下面も同じように、

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角が消えるように、綺麗に仕上げていきます。

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下面、前側も、同じように

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角を消して、仕上げていきます。

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胴体後側、水平尾翼が入るところは、切り落としておきます。

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垂直尾翼が入るように、後の部分を切り欠いておきます。

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水平、垂直尾翼、胴体の後が綺麗に一直線に並ぶように調整します。
ラダーのヒンジが入る様に、胴体にラダーヒンジのミゾを切っておきます。
また、この時点で、垂直、水平の両尾翼が正しく直角に取り付けられるかどうかのチェックをしておきます。
フィルムを貼った後、取付時に多少の角度調節はできますが、この時点で大きくズレていると、後で修正するのは大変です。
まだ接着はしません。

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続いて主翼です。前縁は、前縁材をプランク材が挟んでいる状態です。このままではいけませんので、図面通りを目指して、前縁を丸く削っていきます。

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削った後です。プランク材が先に向かって薄くなっているのがお分かり頂けますでしょうか。
これを図面の翼型通りに、フリーハンドで仕上げるのはなかなか困難ですので

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尾翼の仕上げの際に作ったようなジグを作って、均一に仕上げると楽にできます。

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胴体主翼ともに、プランク材を貼った時の段差を荒めのパーペーで均してから、全体を細かいペーパーで仕上げます。
その後に、実際に主翼を胴体にはめてみて、隙間ができていないかチェックします。
隙間があった場合は、バルサ材などで埋めておきます。

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これで、生地完成となりました・・・と、その前に。
ここで動翼(ラダー、エレベーター、エルロン)を挿し込んで、段が無いか再チェックします。ペーパー掛けの後は、各部の厚みが変わっていますので、段が発生していることがあるのです。
フィルムを貼った後では、フィルムをはがしてサンディングしなおさないと修正できませんので、フィルムを貼る前に、仕上げておきます。

それでようやく、本当に生地完成です。

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続いて、フィルムを貼っていきましょう。
色はAフィルム AF26ホワイトです。

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まずは下準備から。フィルムがしっかりつくように、フィルムボンドを20倍程度に水で薄めて、塗っておきます。
刷毛塗りするのではなくて、布に染み込ませて、拭くようにして塗ります。
布は、着なくなったTシャツの端切れでも、雑巾でも、何でもいいです。

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軽くフィルムボンド溶液で湿らせて、硬く絞っておき、表面の埃を拭きとるようにします。
ベトベトに塗る必要は全くありません。
硬く絞っても、拭いた後は僅かに湿っているのが分かると思いますが、これで十分です。
尾翼、主翼、胴体、すべてのパーツにフィルムボンドを施します。

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フィルムボンドが乾いたら、折角埃をふき取ったばかりですが、目の細かいペーパー(写真は#180を使い古したもの。#220や#320でいいと思います)で、生地表面が僅かに濡れて、フィルムボンドで表面に微妙な粘りが出ることで起こっている「毛羽立ち」を落としておきます。サッと全体を撫でるようにするだけで効果はあります。
そのあとで、乾いた布で埃を払っておきます。

これをするとしないとでは、仕上がりが全然違いますよ。
軽くペーパーをかけるくらいなら、フィルムボンドはしっかり効きますので安心してください。

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フィルムを各パーツ用に切り出していきます。折込みなどを考えて、少し大きめに、かつ、無駄の無いように切り出します。

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垂直尾翼。半分ずつ貼っていきます。

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垂直尾翼の胴体に入る部分は、接着するため生地を出しておきます。
後でフィルムだけを切り取ってもいいですが、先に直線に切っておいて、そのラインを基準に貼っておいた方が楽でしょう。

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フィルムが貼れたら、ラダーヒンジが入る部分のフィルムを、ラダー側のミゾを目安に切っておきます。
ラダーのフィルムを貼ってしまってからでは、ミゾがどこにあるかを探さなければいけませんので・・・。

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ラダーのフィルム貼りをして、今度は垂直尾翼のヒンジミゾを目安にラダーのヒンジミゾを切って、完成です。

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水平尾翼です。リブとリブの間に空気が溜まりますので、ヒンジミゾを深く切っておいて空気が逃げるようにします。

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エレベーターは裏表を一枚で貼ってみました。
フィルム貼りが苦手な方は、裏表一枚ずつにしてもいいでしょう。

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同じようにヒンジミゾを切って、ねじれや反りをチェック、修正して、尾翼のフィルム貼り完了です。

主翼や胴体は、切り出すフィルムの面積が大きいです。
ですので尾翼のフィルムを貼りながら、フィルムの縮み方などのクセをつかんでおいて、主翼や胴体のフィルム貼りで失敗しないようにします。

ということで次回その8は、最終回、主翼と胴体の仕上げです。

 

 

 


4XP Fennelをチェック!

OK模型の「PILOT 4XP」シリーズ。

このシリーズのキットには、組立説明書はおろか、ビス類、リンケージ用のピアノ線などは一切含まれていません。
つまりこのキットに入っているものだけでは、完成させることはできません。
お客様が各自の経験と技術で、お好きなようにパーツを選別いただいて、完成させるキットなのです。
また、組立方法など、電話による技術的な質問は受け付けていません。

「PILOT 4XP」は、「エキスパートモデラー専用」という意味なんですね。

そんな玄人向けの「PILOT 4XP」のフルシャーレグライダー、現在当店では、
FENNEL(フェンネル)カーボンDボックス仕様 オレンジ
SALSA(サルサ)
HARISSA(アリッサ)赤/白.黒
という3機種を取り扱っています。

今回は、FENNEL(フェンネル)カーボンDボックス仕様 オレンジの中身をご紹介していきます。

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FENNELは、全長1442mm、全幅3180mmのフルシャーレグライダー。
セット内容はこのようになっています。

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主翼の翼型はこのようになっています。カンザシと、前後のピンで胴体に接続、テープ止めで固定する仕様です。

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エルロン、フラップのサーボカバーの成形品はグラス製です。

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主翼のカンザシ、尾翼リンケージ用のカーボンパイプ、カンザシ、コントロールホーンなどです。

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カーボン、グラス製のしっかりした主翼用カンザシです。

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尾翼は翼型になっています。2本のカンザシで胴体に接続。固定は主翼と同じくテープ止めです。

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胴体ノーズはカットされていません。
付属のモーターマウントを使用する場合は、ケガキ線を目安にカットすればOK。
もちろんこのままでピュアグライダーとして楽しむのもいいでしょう。
(ノーズのカットの有無はロットによって違うようです。)

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こちらがベニヤ製のサーボマウントと、モーターマウントです。
モーターマウントは貼り合わせて使います。

キットの内容は、以上です。
前述の通り、組立説明書や細かなリンケージパーツやビス等は入っていません。

ただ、作例とセッティングの例は、メーカーHPで紹介されています。
こちらを参考に、お好みに仕上げてください。

「PILOT 4XP」は、初心者中級者の方お断りのキットです。
また、当店でも、こちらのシリーズに関する技術的なお問い合わせにはお答えできません。

腕と経験に自信のある方でしたら、ぜひチャレンジしてみてください。

 

 

 


PILOT パプリカ2 の箱を、開けてみた。その2

PILOT パプリカ2のご紹介、その2です。
今回は、主翼とその他のパーツをご紹介します。

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主翼やカンザシ、収縮チューブベニヤのサーボマウント、サーボカバー、リンケージ用のガイドパイプやピアノ線など。

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主翼は左右の内翼と外翼という4枚で構成されています。
ヒンジは尾翼と同様、フィルムヒンジになっています。
フラップ、エルロンサーボはTahmazo TS-1014が推奨サーボになっています。
それぞれのサーボ搭載位置にはあらかじめ穴が空いていて、フィルムを切り取るだけになっています。
また、フラップリンケージ用のピアノ線が通る穴も、主翼上面を貫通するようにあけられていますので、リンケージ作業が楽チンになっています^^

内翼と外翼はエルロンサーボのコードを通した後に接着します。
よって完成後の主翼は2分割となります。

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主翼はカーボンロッドのカンザシで接続して、前回の記事でご紹介した胴体ポッドにビス4本で固定する仕様です。

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主翼の翼型です。メーカーHPによると、
「前縁半径が小さく後縁部は直線に近いオリジナル翼型、翼厚は8%。抵抗が少なく風にも強い。飛行条件を選ばず、何時でも高性能を発揮します。」とのことです。
中央に見えている糸は、エルロンサーボの延長コードを引っ張るための糸です。

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バッテリー固定用の面ファスナー(ベルクロ、マジックテープ)、各サーボマウントなどがレーザーカットされたベニヤ、カンザシ、リンケージ用パーツが入っています。

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主翼のカンザシはφ8mmのカーボンロッドです。

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サーボカバーには切り取り線が入っていませんので、ほぼ原寸大の型紙が入っていますので、それに合わせてカットする必要があります。
このブログでは過去にこんな記事も書いていますので、参考になさって下さい。

以上がPILOT パプリカ2 DXの中身になります。

他に推奨パーツとしては、

ESCがTahmazo Pro.C A40
バッテリーは当店オリジナルのTLB 11.1V1700mAhもしくはTahmazo LP3S1P1700SE
サーボはエルロン、フラップ用にTahmazo TS-1014x4個と
ラダベーター用にTahmazo TS-1036x2個をおススメしています。

人気のため、品薄気味の機体です。
ぜひチェックして、気になる方はお早めにゲットなさって下さいね^^

 

 

 


PILOT パプリカ2 の箱を、開けてみた。その1

今回は、 PILOT パプリカ2 DXの中身をご紹介しようと思います^^
OK模型のパプリカといえば、その走りが多くのお客様に大好評だった機体です。その後継機であるこのパプリカ2は、軽量化とハイパワー化で、定評のあったあの「走り」がさらに向上しています。

まずは胴体や尾翼周りから。
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グラス製のポッド+カーボンテールブームの胴体、DX仕様に標準装備のパワーユニット、尾翼と、治具がレーザーカットされたベニヤのシートです。
初代のパプリカは胴体がすべてグラス製でしたが、リニューアルして後ろ半分がカーボン製に変わり、大幅な軽量化が実現しています。

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DXタイプに標準されているパワーユニットは、Tahmazo ER281411dTahmazo 11×9折ペラセット AT38/8C4.0SMです。なんでもこの2つはPILOT パプリカ2に合わせて開発されたものらしく、メーカーHPによると

「DXタイプには省エネタイプER-281411dブラシレスモーターと38mmアルミターボスピンナー付11×9折ペラが付属、このパワーユニットによりダイナミックな上昇力を発揮します。」

「外径35mm、本体長さ36mm、KV値1100の新型モーターをパプリカ2用に開発。従来のパプリカ用モーターより太く短くなったショートタイプ、効率の良い新世代モーターです。」

ということでした。

11×9折ペラと組み合わせてリポ3セルで地上で計測したデータでは、  
38.0A 9000rpm 推力1600gが出ていたようです。
パプリカ2の全備重量が1050~1150gということですから、ガッツリ引っ張ってくれそうですね。

DX仕様はこのパワーユニットが標準装備されていて、お得になっています。おススメですよ。

 

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胴体のポッドを調べてみると、キャノピーにはピアノ線のダウエルとマグネットがはじめから接着されていました。

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また、ポッドには主翼固定用の穴が4か所空いていて、内側には爪つきナットがしっかり固定されていました。

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V尾翼は、バルサの三角材で角度を決めて組み立てて、カーボンのテールブームに接着します。

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尾翼のヒンジはフィルムヒンジになっています。

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治具がカットされたベニヤのシートは、実は2枚入っています。
冊子の説明書とは別に入っていた紙には、赤丸で囲んだ方のベニヤシートを使うように指示があります。

何が違うのか、よく見てみると、グラスのポッドとカーボンテールブームの接着の際に使うパーツが入っているようです。

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定盤の上で画像のように工作するように指示がありますが、その理由が書いてありません。
理由をOK模型さんに聞いてみますと、工作時に主翼と尾翼の角度を正しく出すための配慮ということでした。

そういえば、確かに、以前シナモン3を作った時に、主翼に対する尾翼の角度が0.6度も違ったことがありました。
(お恥ずかしいですが、その時のシナモン3の製作記はこちらからご覧ください。)

お客様に設計通りの機体に仕上げてもらい、よりフライトを楽しんでもらおうという、こういう配慮は、うれしいですね。

胴体周りは、これまで。
次回は、主翼やその他のパーツをご紹介します。